第4話 特例

「よぉ!どうしたロキ?」

 昨日の夜に帰ってきてから、ずっと上の空だったロキにライが話しかける。

「……、なにがだ?」

「昨日帰ってきてから、ボーとしてるぜ!」

「……そうか?普通だろ?」

「いやいや、ネロ達にもわかる位には心ここにあらずだぜ!」

 ロキの言葉にライは呆れた表情をする。


「そうか……みんな、ごめんな……」

 ネロ達にも目を向けて、ロキは頭を下げ謝った。

「いや、それは良いんだけど、何か合ったの隊長?」

「何でもないさ、少し疲れてるだけかもな」

 ネロの問いかけに、ロキはクビを振って否定して空元気で答える。


「悪いが少し休む事にする……」

 そう言って、寝床に潜り込むロキにライは、

「かー!せっかくの休暇なのについてないな!」

「しょうがないですよサブ長、隊長は俺たちの事の他に昨日のように周りを見て判断を下してますから、精神的にも疲れてるのだと思います。それに、昨日の判断があったことによってが貰えているだけで、遊ぶための許可ではおりませんよ!」

「ネロは固いなー、それくらい分かってるって!」


 そう、昨日の敵隊の拠点襲撃を命令違反だが未然に防いだ功績により、事を二日間禁止された。

 表向きには『罰』だが、裏の意味合いには『報奨』のための休暇だ。

 それは、命令違反が頻繁することを防ぐ為の処置に過ぎず、隊を纏めるのに必要な事だから容認されているフシもある。 


「あんまり、はしゃぐなよ。……特にライ!」

「おいおい、信用ねぇな!?」

「お前が一番迷惑かけるからな!……フッ、おやすみ」

 ライがみんなを励ますためにわざとおチャラけてる事を知っているため、釘を刺すだけに留めて、ロキは眠りについた。


「ハァー、しゃーないから静かにしておくか!」

「そうですね、隊長を起こさないために離れますか?」

 ネロがロキを起こさないように、外に出るか訪ねる。

「カイとサイはどうする?」

「自分たちは、おとなしく今日一日はここにいるぜ、なぁサイ!」

「あぁ、それにライに比べたら静かだから、問題ないしな!」


「な!?……わーたよ、んじゃ夕方位には戻って来るぜ」

「「行ってら!」」

 そして、その日は別々に各々おのおのの休日を堪能した。


               続く

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