第5話 【掲示板】巨神獣を肩で担ぐ謎の青年について語るスレ&とある副会長と秘書の会話

【なぞ】巨神獣を肩で担ぐ謎の青年について語るスレpart1


1:名無しの一般人

ここは突如第10安全地帯に現れた、巨神獣を肩で担ぐ謎の青年について語るスレです

荒らしはスルー。誹謗中傷禁止、マナー厳守

過度な個人情報は載せないで下さい

次スレ、>>1000


2:名無しの一般人

お前ら見たか!? 

巨神獣を担いだ1人の青年を!


3:名無しの一般人

見た見た

あれはエグい


4:名無しの一般人

目が飛び出るかと思った


5:名無しの一般人

因みに担いでたの体長100メートル位の巨神獣な


6:名無しの一般人

何だそれ? 

と言うか100メートルの巨神獣担ぐマ?

誰か情報求む


7:名無しの一般人

これを見れば分かる

http://※※※※※※※※※※※※※※※※


8:名無しの一般人

これ写真な

(写真)


9:名無しの一般人

エグすぎww

これが事実なら最低でもパワー系のSS級覚醒者レベルじゃん


10:名無しの一般人

因みにこの青年はどの国の覚醒者協会のSS級覚醒者以上の中にいない

マジで謎の青年


11:名無しの目撃者

俺現場に居たけど、マジで凄かったぞ


12:名無しの一般人

マジで!?


13:名無しの一般人

>>11

どんな感じだった!?


14:名無しの目撃者

何か山に引き籠もっていた人みたいな感じだったww


15:名無しの一般人

山に引き籠もってたww

どういうことやねんww


16:名無しの目撃者

だってずっと結界の外からキョロキョロ周り見てたんだからww


17:名無しの目撃者

俺も見てた

確かに山に引き籠もって修行した人みたいだったぞ


18:名無しの一般人

ならまだ覚醒者登録してないのか?

巨神獣を持ってたし、覚醒者協会でも探してたのかな?


19:名無しの目撃者

十分あり得る

B級パーティーの『要塞』が知らないようだったし


20:名無しの一般人

マジかww

第10安全地帯と言えばA級パーティーの『赫い戦斧』とB級パーティーの『要塞』の2つだろ?


21:名無しの一般人

うん


22:名無しの一般人

そうだな


23:名無しの一般人

>>20

その2つの内の覚醒者の中で評判がいい『要塞』知らないってことは……


24:名無しの一般人

非登録者だな


25:名無しの一般人

だな


26:名無しの目撃者

因みに謎の青年が巨神獣を狩った理由

夕陽を眺めるのに邪魔だったww


27:名無しの一般人

ww黄昏れてんなww


28:名無しの一般人

>>26

夕陽を眺めるのに邪魔だったwwww


29:名無しの一般人

理由まで異常過ぎて草

誰が夕陽の為に巨神獣狩るんだよww


30:名無しの目撃者

謎の青年が狩った巨神獣はB級の『翼竜型プテラノドン』な


31:名無しの一般人

普通に強い巨神獣で草

まぁ100メートルあるならそんなもんか


32:名無しの目撃者

首から上がなかったぞ

くり抜かれた様な断面だった


33:名無しの一般人

一体どうやって倒したんだよww

マジでS級覚醒者並じゃん


34:名無しの一般人

覚醒者登録した時にどんな等級になるのか楽しみ


35:名無しの一般人

俺はSS級覚醒者に一票


36:名無しの一般人

俺もSS級に一票


37:名無しの一般人

そう言えばSS級覚醒者に謎の青年と同じくらいの年齢の子いたよな


38:名無しの一般人

水野琴葉な

当時19歳でSS級覚醒者になった天才児


39:名無しの一般人

あと、美人すぎるからファンクラブまで出来てる


40:名無しの一般人

知ってる

確か全世界で1000万人突破してて、SSS級覚醒者の誰かもファンクラブに加入しているとか


41:名無しの一般人

エグすぎww


42:名無しの一般人

でも謎の青年にも直ぐにファンクラブ出来そうだよな


43:名無しの一般人

それなw

インパクト強すぎだもんな


44:名無しの一般人

あと、普通にイケメン

羨ましい!


45:名無しの一般人

ただの嫉妬で草

でもマジで羨ましくなるほどイケメン


46:名無しの一般人

ワイにあんなお顔があれば……彼女に浮気されることなんてなかったのに……


47:名無しの一般人

そもそも彼女出来たことない定期


48:名無しの一般人

マジでそれなw

と言うかあの謎の青年は彼女いるのかな?


49:名無しの一般人

流石にいないだろww

居たらあんな反応しないってww


50:名無しの一般人

それもそうかww

次の情報を期待


――――――――

―――――

―――


「―――副会長、この動画を見てください」

「どうしたの、急に? 今どうしても手が離せない案件があるから後にしてくれない?」

「会長には至急見せて来いと言われておりますので、見て下さい。きっと副会長も驚くと思いますよ」


 とある巨大な高層ビルの最上階で、1人の秘書の様な身なりの女が、副会長と呼ばれた女にタブレットを渡す。

 そのタブレットには、神羅が巨神獣を担いで歩いている動画が流れていた。 

 既に様々な動画投稿サイトで拡散されており、Yo◯Tubeでの再生回数は700万回を突破し、全体を合わせれば3000万回にも届きそうな勢いである。

 

 そんな絶賛大バズリ中の動画を見て、副会長と呼ばれた女―――水野琴葉が目を大きく見開いた後、秘書からタブレットを半ば奪い取る様に取ると、食い入るようにタブレットを凝視する。

 琴葉は何度も何度も再生させるとタブレットを返す。

 そして少しの沈黙の後、呆然とした様子でポツリと呟いた。


「………………神羅?」


 琴葉の頭の中は疑問で埋め尽くされ、もはや仕事どころの状態ではなかった。

 頭の中をぐるぐると巡る様々な可能性の中で、琴葉は絶えず自問自答していく。


(本当に神羅? 15年間全く音沙汰無かったのになんで急に……? それに何で私に連絡をくれないの……? もしかして彼は神羅のそっくりさん? ———いや、私が神羅を間違えるなんてあり得ない)


「亜里沙、今直ぐ彼について調べて。他の全ての作業を中断してもいい。絶対に彼の正体を特定して」

「はい! 直ぐに調べて来ます!」


 亜里沙と呼ばれた琴葉の秘書は、琴葉の今まで見たことのない鬼気迫る姿に若干息が苦しくなり、此処から逃げ出す様に部屋を出ていった。


 シンと静まり返る部屋の中で、琴葉は1人、鼓動や脈が増加するのを感じながら、唇を一文字に結んだ。

 その蒼白に変化した瞳は、不安と期待、安堵と恐怖で揺らいでいた。


「———何があったの……? 神羅……」


 琴葉の呟きが静かな部屋にゆっくりと響き渡り……誰に聞かれるわけでもなく、儚く消えていった。



 もしかすると———2人が邂逅する日は近いのかもしれない。


 

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