第14話 エロ研究部の皆を動物に例えると何かって? へえ……急にあざといほど媚びるジャン……♡

 ルナ、カヲリ、そして少し離れて読書中のすみれ――いつも通りの室内でまったりとくつろいでいると、ルナが唐突に口を開く。


「ふ~む……やっぱワンちゃんとかニャンコって可愛いわよねぇ……」


「全面的に同意するぜルナ。この件に関しちゃ、どんだけイキナリだろうと関係ねぇぜウチはよ」


「あんがとカヲリちゃん☆ んで……そんなモフモフ人気に便乗して、アタシ達をアニマルにたとえるとナニが適してるかな~、っつーね☆」


「一気に何とも言いがたいハナシになってきたな……えーとつまり、ウチらをニャンニャ……猫とか犬とか、他にも何かの動物に例えれねーか、って話? 耳とか付けんの? ……そんな感じで大丈夫? 合ってる?」


大胸おおむね……いえおおむね、そんなカンジよカヲリちゃん。でもまあケモミミ常に持ち歩いてるかってーとさすがに難しいので、それっぽい感じの語尾を求めマース☆」


「へえ、唐突にルール無茶ぶってくるねぇ……なかなかの傾奇者かぶきものじゃねーの……!」


 本当に唐突な要求だが、どうやらカヲリは乗り気らしい。ノリいいなホント。

 そんなノリの良さそのままの勢いで、まずはカヲリが自薦じせんしていく。


「んじゃまあ、ウチはアレだな、無難に……ひぐまだな」


「ひぐ……普通にクマさんとかじゃなく、わざわざ羆とか、いかちぃほうを……?」


「オウヨ。この高身長タッパに野性味あふるるフインキ(とても変換できない)……この学園一パワーあるって自負してるウチだし、文句ないだろグオォヴォアア」


「既に鳴き声まで……羆の鳴き声なんてよく知らないケド、さすがのノリノリね、カヲリちゃん! ……んーでも、アタシ的にはもっとな~、カヲリちゃん可愛い系のアニマル似合うイメージなんだけどな~。それこそワンチャンとかでも――」


「! こ、このウチにワンワンとかカワイーカンジが似合うワケねーだろ! そ、それにそういうルナこそ何の動物なんだっつーゴアァァァァ!」


「羆の鳴き声、迫力あるな~。でもカワイイ好きが漏れ出てるっていうか、そーやって照れ隠ししちゃうトコもカワイーと思うんだけどなー……あ、んでアタシ? そりゃアタシはさ~……」


 ふっふっふ、となぜか含み笑ったルナが、ウインクしながら言い放つのは。


ルナだし、まあ――ウサギちゃんっしょ! 単純すぎる気するけど、無難に連想しやすいっしょ、ピョン♡」


「――ちょ、ま、待ってくださいルナさん。いやーその、兎はちょっと、その……」


「へ、すみれちゃん? も、もしかして……アタシにウサギちゃんなんてカワイーの、合うワケねーだろププーッ! みたいな!? そ、そんなぁ~」


「いえ似合いますよ、雰囲気ふんいきとか印象イメージとかは、他の皆さんの追従も許さないくらいピッタリです。可愛いと思いますよ、お世辞でなく」


「ひょえ!? きゅ、急にめっちゃデレるジャンッ……すみれちゃんに褒められっと、なんか照れるぅー……ぴょん♡」


「あ、いえ、可愛いとかの話は良いんですけど……その、何ていうか、説明しにくいんですけど……えっと、ですね」


 本当に言いにくそうにしながら、すみれはそれでも有耶無耶にはすまいと、を明示する。


「兎は可愛いんですけど、その……一年を通してですね、発情期がずっと、っていう……近年じゃ、そのイメージも強いので……」


「!? え……う、ウサギちゃんて、そーなの? 万年発情期って、エロ研究部的にはむしろアリって気するけど……でもそれ、つまり……人間? ヒューマン?」


「いやっ……ん、んんん……否定はできません、けど……その言い方はどうかな……う、う~ん」


「つまり、兎は人間で……人間は、兎だった……?」


「それは発想が飛躍しすぎ、ですが……そんなSFとかホラーも面白いかも、って思っちゃいましたよ今」


 すみれ、ちょっぴり興味津々☆


 さて、兎人間説でちょっぴり考え込んでいたルナだが、持ち前の切り替えの速さで今度はすみれに尋ねた。


「そ、そんでぇ~……すみれちゃんはナニかな~、って、ね? あ、アタシとしては、猫チャンとかさっ、知的なカンジってかフインキ(どうして変換できないのょ……!)ってか、ピッタリなんじゃないかなってぇ~……ぴょん!」


「え? うーん、自分じゃ雰囲気ふんいきとか、よく分かりませんけど……どうなんでしょうねジュリリッ」


「そ、それは何の鳴き声なのー!? 初めて聞いたピョン!?」


「シマエナガですよピピッ」


「し、シマエナガ? ちょい検索……ふわっ。鳥チャンなんだー、白くてふっくらしてて……め、めちゃカワイイぴょん……♡」


「あまりにも可愛さの権化ヴォア」←突然の羆カヲリだぞ、アグレッシブやね。


※シマエナガ超可愛いぞ、チェックしてみろよな☆ アッすいません、チェックなどなさるのもよろしいのではないでしょうか……。


 さて、謎のアニマル談議に花を咲かせている内に、遅れてきた花子が入室してきて。


「ごきげんようですわ、皆様。真打は遅れてやってくるものですわね、オホホ――」


花子ハナコちゃんはアレだね、なんかー……普段からワチャワチャしたカンジだし、アライグマっぽいピョン?」


「フローラだっつんですわルナさんよぉ。んで入るや否や、いきなり何のレッテル貼られてんですの。アライグマって何なんですのコレェ!」


(流れ弾みたいになって不憫ですけど、花子フローラさんアライグマ説……何か妙に納得感ありますね……)


 声には出さないすみれだが、心の中で同意してしまっている模様。


 さてさて、そうこうしている内に立て続けに、顧問教師・黎まで入室してきて。


「ふむ。……察するにこの面子をけもの(動物とか言え)に当てはめ、一体何が適しているのか……そういう診断を成そうという実験的思考だな? なに、異名を付ける時などでも、運動競技の界隈では良くあることだ」


「黎ちゃん先生……もはや野生の勘レベルで察しすぎてて怖いベシ……あっ間違えたピョン。でもウン、じゃあまあ、そんなカンジってコトで……黎ちゃん先生は――」


 ルナが言い切る前に、腕組みしたカヲリ(羆の人)が真面目顔で提唱ていしょうする。


「ウス! 黎先生は、虎とかライオンとかだと思うっすゴアー」


「ほほう、虎に獅子とは……甲斐かいの虎・武田信玄や、相模さがみの獅子・北条氏康を彷彿させるな……満更でもないぞ、ガオ♡」


「いかちぃ発言内容とは裏腹に、意外にも黎ちゃん先生が可愛い方面の可能性を見せてきただとぉ――!? ぴょん!」


 なぜだか驚くルナ、だが――その時、更なる来客が。なんか一回入り始めると、どんどん来るよね。なんなんだろね、コレね。


 それはそうと、おずおずと顔を見せたのは、生徒会長の美々香みみかで――


「こ、こんにちは~。えと、また様子見に来ちゃいまし……」


「ハムスターぴょんね~」

「ハムスターだな~ヴォアー」

「ハムスターぽいかもですね……あっ可愛いからですけどね? ジュリッ」


「えええ何なんですか急に!? しかもその不思議な語尾は一体~!?」


 戸惑う様子も小動物っぽいというか、そう、つまり……やるじゃん(やるじゃん)


☆↓そんなこんなで、今日の研究結果はコチラ↓☆

ルナ=兎。万年発情期らしいぞ、大丈夫かピョン。

カヲリ=羆。なぜ普通にクマとかでなく、あえてそれを? ウボァー。

すみれ=シマエナガ。超可愛いぞ☆ ジュリリッ。

花子=アライグマ。不如意ふにょいですわ! クルルッ。

黎=虎とか獅子。女子的にどうなのガオ☆

美々香=ハムスター。なんて鳴くの? ヘケッとかで大丈夫? ヤバイ?


 ……とっくの昔にお気づきでしょうが。

 終始、妄言である――繰り返す、妄言である。


「でもまあ、アレじゃんね……たまには媚びたい日もあるじゃんね、ピョン♡」


「えっいきなり何の話ですかルナさん、ルナさん? ……ピピッ?」


 いいじゃんね、媚びたいじゃんね(ね)。




――――――――――――――――

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 あるじゃんね。媚びたい日ってね。いいじゃんね別にね(ね)。

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