私立・聖コープル女子高等学園「エロ研究部へようこそ♡ ……オイようこそっつってんだろ。ナニ引いてんだよ来いよ、良識なんて捨ててかかってこい! このスケベ共がー!」「下品だなぁ……」
第8話 生徒会の刺客、来たる! い、一体なにが起こるんだ……いや、うん……うん? うん……うん(何だよ)
第8話 生徒会の刺客、来たる! い、一体なにが起こるんだ……いや、うん……うん? うん……うん(何だよ)
室内にいるのは、ルナ、カヲリ、すみれの三人――黎先生や花子も(基本的には)ノックしてくるが、いつも
つまり、来訪者は恐らく部外者、ということ。すみれなどは瞬時にそれを理解したのか、読んでいた本を既に鞄に仕舞っていた。一体ナニ読んでたんでしょね。
さて、扉に一番近かったルナが、少し緊張しながら「どうぞ」と促すと。
ゆっくりと丁寧に開かれた扉の向こうから、ボブカットの丁寧に整った黒髪が特徴的な、やや小柄な学園生が入室してくる。
どことなく小動物的な雰囲気の彼女が、発言した内容とは、
「失礼します……ええと、わたし、生徒会の者です」
「「―――――!?」」
明かされた正体に、ルナとカヲリは電流が奔ったかのように体を震わせ、そして。
なぜかテンション上がり目で盛り上がり始める。本当になぜだよ。
「や、ヤッバイ……ヤバイよカヲリちゃん、ついに来ちゃったよ生徒会! 完全にアタシらエロ研究部の悪名が轟いちゃった証拠じゃんっ!(ヒューッ!)」
「オウついにキちまったなっ……学園最高の権力者である生徒会共も、ついにウチらの存在を無視できなくなったってコトだぜっ……燃える展開じゃねーかっ!」
「とはいえアタシ達は権力になんか屈しないわ! 生徒会がナンボのもんだってーのよ! アタシ達を倒したければ、最高戦力でも連れてきなさーいっ!」
「? え、エロ研……? というか、せ、戦力? あ、えっと、その……」
ルナとカヲリの盛り上がりに戸惑う、生徒会の少女が、おずおずと口を開き。
「すみません、生徒会の……生徒会長です、一応」
「とっ――トップじゃないのー!? 〝クックック、奴は四天王最弱……〟どころかいきなり最強ジャン!? ど、どーしよカヲリちゃん!?」
「様子見どころか大ボスがいきなり来るとはなぁ……! こりゃ負けイベントってやつか!?
「? ?? あ、あの……」
(ていうかルナさんもカヲリさんも、生徒会長の顔を知らなかったんだなぁ……)
すみれが心の中でツッコむ最中、戸惑う生徒会の者、改め生徒会長だが――ルナとカヲリの勢いは止まらず、むしろ増していくばかりで。
「これは始まっちゃうわよっ……学園モノ一大イベント、生徒会との対立が! きっと今からトンデモナイ無理難題を突き付けられたり、〝廃部されたくなければわたくし達と勝負して勝利することネ! まあ不可能でしょーけど、オーッホッホッホ!〟とか言われちゃうよコレ……!?」
「舐めてくれんぢゃねーかチックショー! 上等だぜ、無理難題だろーと勝負だろーと、真っ向から受けて立ってやらぁ! こいつぁ厳しい練習回を経て試合に臨み、勝利して〝僕たちはクズじゃない!〟つって
「ま~た第三野球部の話してる~! でもそういう流れよねコレ! そしてゆくゆくはエロ研究部甲子園とか出て準優勝してアメリカ遠征編でも始まるワケね~!?」
「準優勝ってトコが
「え、あの……こ、甲子園……? あ……あのぉ……?」
二人のノリに(当たり前だが)付いていけず置いてけぼりの生徒会長に――椅子から立ち上がったすみれが歩み寄り、声をかけた。
「こんにちは、生徒会長さん。すみません、騒がしくって……ええと、それで、御用件は……?」
「あ、いえっ……普通にその、部や同好会の定期的な査察なんですが……ほとんど形骸化した業務ですが、一応は、と。すみません、驚かせてしまったようで、大騒ぎ……大騒ぎ? にさせてしまって」
「そうだったんですね、お疲れ様です♪ いえいえ、うちはいつもこんな感じですから……よければ生徒会長さんも、小休止にお茶でもしていかれませんか?」
「あっ、こ、これはご丁寧にっ。……ところで扉の表札といい、あちらの会員さんたちの言葉といい……エロ研究部とは、一体……?」
「ただの妄言ですのでお気になさらず♪ あ、チ〇……チョコもありますので、よろしければどうぞ♡」
「わわっ、恐縮です……あ、おいし……」
「「ついに天下割れ目の決戦じゃーい!」」
(分け目ですよルナさん、カヲリさん……)
結局この後、生徒会長は普通にお茶して帰ったし、そういえば名前とか出すの忘れてた(失念☆)。
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