第50話 人魚の肉 ①
【光矢忍者
魯西亜の商人の屋敷で見張りをしているが、一人だけ化け物がいる。
グリゴリー・エフィモヴィチ=ラスプーチン
コイツは人間じゃ無い !
対立するエゲレスからの刺客から襲われたが返り討ちにしたくらいなら、凄腕だと片付けられたのだが……
刺客から受けた傷が、瞬く間にに塞がり治ってしまった。
《無駄 無駄 無駄なのだよ ! 大英帝国のスパイとは云え、この私を殺すことは出来ないのだ !
偶然、人魚の肉を食べてから、およそ数百年。
不老不死を得た私は、まさに不死身 !
大帝の為に、再び人魚の肉を手に入れたからには、ロシア帝国の重鎮の座は手に入れたも同然 !》
地下室の扉が開き、中から……
「「「「ギギッー ギギッー ギギッー !」」」」
なっ ! 身体は不気味な魚に手足が生えているだと !
《コイツらは、
人魚の肉は猛毒 ! ほとんどの人間は人魚の肉を喰らえば死ぬか化け物に成るのだ。
冥途の土産に成ったか、雑種 ! 》
グレゴリーが、此方を見ている。
しまった、気付かれていたのか !
すぐに、この場を立ち去ることにする。
情報を何よりも重要視している
◇◇
気配を消して、足音を立てないようにしながら駆けているのに、奴等が追い掛けてくるのがわかる。
………何故だ !
そうか、
近くに池を見つけた。
おそらくは、農民が田畑を耕す為の貯水池だろう。
俺は貯水池に近づく。
隠れる為では無い !
奴等は魚の姿をしていたから、水の中に隠れても意味は無いだろう。
しかし、俺の忍法には役に立つのだ。
忍法・ 光魔霧幻の術 !
これで、時間稼ぎくらいは出来るだろう
◇◇◇◇◇
成り損ない達を連れて霧風を追い掛けているのは、グレゴリーの部下 ブンドール=コソドロー、ケルナグール=シロートニ、カットナル=スーグニ。
《なによ、急に凄い霧が出てきたじゃないのさ !》
《そんなことより、追い掛けて蹴る殴るしないと気がすまないぞ !》
《そうだ、ブンドール様! ここで奴を逃がしたら、グレゴリー様からお仕置きをされてしまうんですぞ!
立ち止まっている時間なぞ無いんですぞ !》
ブンドール、ケルナグール、カットナルの三人が言い争いをしている間にも霧は、どんどんと深く成っていく。
霧の水分のせいか、臭いで追い掛けていた
《いたぞ !》
カットナルは、持っていた新式火縄銃を撃った !
パンッ パンッ パンッ !
霧の中に見えた人影に命中したかと思っていた、カットナルは
《なっ、素通りしただと !》
カットナルが撃った銃弾は確かに、
《霧に反射した影よ ! むやみやたらに撃つと同士討ちになるから、撃つのをやめるんだよ !》
三人のリーダーであるブンドールの意見にしたがう二人。
《どうするんですかぁ~、ブンドール様ぁ~ 》
《このままだと、お仕置きされるべさ、ブンドール様 》
《
起死回生の策とか、ないのかい ! 》
黙って首を横にふる二人。
結局、三人は霧風を見失い、グレゴリーからお仕置きされたのだった。
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