第4話 夢か現《うつつ》か幻か ④
「 あら、なかなかのいい男じゃないの」
わたしは、自分の姿を鏡に映して見惚れていた。
「ミヤァー ミヤァー !」
徳松さんが連れてきた子猫が足に
そういえば、名前はまだだったわ。
そうね、毛色が黒いからブラックから名前を取って『ブラ』にしましょう。
「左近、徳松だ ! 勝負だ、勝負 !
今日こそは勝つから覚悟しろ 」
ドカドカと勝手に上がり込んでくる徳松さんの
徳松さんが、勝手知ったる他人の家と云う感じで、ゲーム板を出してきた。
要するに、オセロゲームの勝負をしようとしているのよね。
オセロとリバーシは違うわよ。
オセロでは最初の石は中心の4マスに、右上と左下が黒、左上と右下が白となるように配置するわ。
ここからスタートで、先手は黒色。
一方リバーシでは、盤上に石のない状態からスタート。
先手がまず中央4マスの好きなところに黒石を置き、後手がやはり中央4マスのどこかに白石を置くわね。
なんでも、今川義元が考えた遊びだと云うことだから、間違いなく今川義元は転生者。
それも、アラフィフのオッサンね。
ナウいヤングは、オセロでは無くリバーシを流行らせるでしょうから。
知識無双で内政チートなんて、ベタベタなラノベだけど、恩恵を受けているんだから許してあげるわ。
徳松さんの懐から白い子猫が飛び出してきて、ブラと遊び始めたのを見て聞いてみた。
「徳松さん、徳松さん、子猫の名前は決めたの ?」
そんなわたしの質問に徳松さんはクビを傾げながら、
「猫は猫だろう。 名前なぞ、『ネコ』で充分だろう 」
なっ ! これが
「徳松さん、あなたには猫愛が足りないわ !
すぐにでも猫ちゃんに名前を付けるべきよ !」
わたしは、
晩年、今川綱吉は猫将軍と呼ばれるきっかけに成るように仕向けたのは内緒である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます