第2話
どうも。一般人の雨宮です。私は今、生活保障を受けるために区役所に来てます。
「…雨宮さん、もう一度お願いします」
「いやだから、働きたくないので生活保障をお願いします。俺、文化的で最低限度の生活をしてないので」
「お帰りください」
追い出されてしまった。なんでだ?
———————-
区役所を追い出された俺は、橋の下にあるマイハウスに帰るために歩いていると迷宮の近くに防具を装着している2人組がいた。2人はスマホに向かって、なにか話していた。
「どうも、こんにちは。キングダム所属のマリアです。そしてこちらは…」
「こんこんー!同じく、キングダム所属のまゆだよー!今日はB級の迷宮『森の迷宮』を攻略していくよー!」
金髪で青い目の長身のいかにも聖騎士みたいな装備をしている女性がマリアって人で、黒髪ツインテール黒目の魔法使いみたいな感じの女の子がまゆっていうのね。
少しその集団を見ていると、集まってきた人たちの話し声が聞こえた。
「いやー、やっぱ生で見ると美人だよな。マリア様とまゆちゃん」
「最近の配信も観たけどエグいよな。マリア様なんてB級の迷宮を余裕でクリアしていたしな」
「そりゃ、あんな美人でA級の迷宮攻略者なんだもんな。最高かよ」
「まゆちゃんだってC級ではあるけど実質B級みたいな強さしてるしかわいいし」
迷宮攻略者には実力によってランク付けされている。上からSS級・S級・A級・B級・C級・D級とある。その中でもS級から上はほんの数人しかいない化け物集団らしく、だいたいA級が迷宮攻略者内のトップになっているらしい。
そして迷宮にも同じようなランク付けされていてランクが上がれば上がるほど難易度が上がるらしい。
知らんが。
とりあえず、美人ではあるが興味ないな。大人だし。まゆとやらはもう少し若かったらよかったが…惜しいな。帰ろ…。
そう思って歩くのを再開すると、急に周りから大音量の警報が鳴った。
『ただいま、近くのC級『森の迷宮』が迷宮破裂しました。一般人の方は今すぐ、建物の中に逃げるかか迷宮攻略者の指示に従ってください。もう一度繰り返します…』
迷宮破裂とは、迷宮の魔物達が原因不明の暴走をして、迷宮外へと出てくることだ。強さも通常以上の強さをしている。止めるには、その迷宮のボスモンスターを倒さないといけないらしい。
周りの人達も急な警報と迷宮破裂に混乱している。
「お、おい…これって逃げた方がよくね?」
「いやでも、ここには確か…」
「みなさん!聞いてください!私たちは迷宮攻略配信をしているマリアと申します!今さっきの警報通りに私の指示に従ってください!」
マリアはそう言うと周りの人達もマリアの存在に気づいたのか安堵した様子が伺えた。
マリアって人は結構有名なんだな。俺は知らんかったが…。まー、ここは指示に従っておくか。こっちの魔物とも戦ってみたかったが目立ちたくはないからな。
マリアが指示した内容は、一般人を1つの場所に集めて、マリアとまゆとたまたま近くにいた専業の迷宮攻略者達とともに一般人を守るというものだった。
『森の迷宮』とやらの魔物を見るにそこまで強くはなさそうだな。動きがワンパターンだし。魔物の種類と数は多いがマリアやまゆ、その他の攻略者も動きは悪くないし、対処できるだろう。
「みなさん!後、少しです!がんばりまし…っ!なにこの魔力…」
「キキッ」
…なんだ?あの後ろにいる蟻とカマキリを融合したような魔物は?明らかに他とレベルが違いすぎる。キモさも強さも…。このままじゃマリア達、負けるぞ?
予想通りで他の魔物は倒したみたいだが、その魔物だけは倒せずに攻略者を圧倒している。
「せめて、応援が来るまでは守らなくては…」
「ま…マリア、そろそろあたし、魔力切れそう…」
「……ここまで…ですか…」
マリアは魔物を前にして固有魔法を使うわけでもなく、諦めて棒立ちになっていた。
……。目立ちたくはなかったが…仕方がないな。
魔物はマリアが諦めたことを悟ったのか無防備に鎌を上げて斬りかかった。
「はい、そこまで」
「え?」
「キキッ!?」
俺は魔物の鎌を片手で止めた。
「もう休んでいいですよ…お疲れ様です」
俺はマリアにそう言って、魔物の腕を持ち、迷宮のある方向へ投げた。
「…さて、魔物。名前は知らんが…せいぜい俺を楽しませてくれよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読んでいただきありがとうございました!
今回はヒロインのマリアとまゆを出しました!
次回はマリア視点と主人公の無双となっておりますので、ぜひ次も読んで頂けるとありがたいです!
コメントも頂けたらとても嬉しいです!
次もこの作品をよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます