instant

丸ちゃん。という名のトレパク作家がいたな

　眠れない午前二時　苛ｄ……流石にしつこい？ すまん。某プロのレビューでも二話目は蛇足と書かれていたのにな。何故かすぐ消えてたのでそのプロが誰だかも思い出せないのだが腹が減った。

　しかも午前二時はとうに過ぎ、既に午前四時半だ。比喩じゃなく若干空が白み始めてきている。

　この時間なら朝9時頃まで待って、姉が仕事に行った後ゆたりと作り始める方が平和かもだが、我慢が出来そうにない。朝に飲む薬用のペットボトルの水も無くなっていたので汲むついでに作ろうと思った。

　昨日も食した醤油ラーメンがまだあった筈だし、そういえば味噌ラーメンも買っていた筈だ、それで行くかと何時もの黒い宝石箱を開ける……

　中には見慣れぬ袋やきそばがあった。

　……そういえば昨日、姉に焼きそばタイプの袋麺を頼んでいた。ほんの10時間程前の出来事なのにすっかり忘れていた。最近の記憶力の低下に嘆く。

　前回作ったホンコン焼きそばもあるが……別タイプの袋焼きそばがあった。ホンコン～は高い場合もあるのでこちらでもいいよ、と滑り止め? のつもりで頼んでいたが、姉は両方買ってきていた。上手い具合に両方特売で同じ値段だったらしい。

　滑り止めといったが、実は前に食したのは多分に5年以上前だ。正直味も忘れている。

　メジャーなメーカーだ。僕の地方ではホンコン～のが有名だが他はこっちなのかな、と思ったが、こちらも僕の地方限定らしい。

　まぁ作り方は左程変わらない筈だが、前記通り5年以上前だ。成る丈レシピ通りに作ろうと袋をガン見しつつ調理に入る。

　まず台所の電気の付きが悪かった……棒状の蛍光管でスイッチをひもで引っ張るタイプの古いものだが10秒以上経っても点かない……結果点いたのだが先行きに不安を覚える出だしだった。

　まずはペットボトルに給湯器からのお湯を入れる……別に白湯じゃないと薬が飲めない訳じゃなく、何故かうちの水道は水が苦い感じがするのだ。若しかすると管が錆びているのかもな。

　其の侭計量カップを持ち、レシピ通りのお湯を汲む……220ml……ホンコンより20ml多いらしい。面倒に思えたがこの20mlを省くと美味しくならないかもしれない、と謎の恐怖感を覚え、心持ち多めに入れた。

　手鍋をコンロに起き火をつけ、袋の封を開ける……ホンコンと違い麺自体に味がなく、別添ソースを搦めるタイプだ。

　麵は真っ白で何となく違和感がある。同メーカーの生タイプのは茶色がかった感じなのだがな。

　給湯器の40度前後のお湯からなので直ぐに沸くのだが、ホンコン～は沸いた後に麵を入れると若干固く仕上がる。なので火にかけた後すぐに麺を入れ……ってお湯に浸からない……ホンコンだとすっぽりと入るのだがこの麵にはこの鍋は小さい様だった。まぁ沸騰すれば嫌でも浸かるか、と思い蓋をする。

　その間にレシピを見たり、冷蔵庫の物色をする。ソースは火を止めた後に入れて混ぜる様だ。冷暗所に置いていたソースは案外ヒヤリとして、これを麺に搦めると折角の熱々が冷めるよなと妙な心配をする。

　物色結果も大したものは見つからず、既に封を開けて数日で飲まないといけない紙パックのマスカットジュースを、愛用のカップ半分程入れて飲む。なみなみと注ぐと案外飽きるうえ食事前だ。

　そうこうしてるうちに麺も予想以上にしっかり沸騰したお湯に包まれていた。レシピでは1分程で裏返せとあるが早く入れていたせいか既に麺はふにふにだ。

　適当に混ぜて……って流石220ml、泡が切れそうな感じがない……これは時間がかかるな……

　と思っていたのに、其処で時間が飛んだ。

　いや、正確には時間がかかると思って混ぜていた、僅か二十数秒ほどで既にお湯が無くなりかけていた。

　ホンコン～なら1分弱は水気があり、混ぜるのにも余裕があるのだが……これはどういう事だろう？

　慌てて火を小さくし、焦げ付かないよう混ぜながら……麺の体積が大きいから水分の吸収は早いのかもとか、同様に空気に触れる表面積が大きいから……と考えているうちに水が無くなってしまった。哲学的思考をさせるつもりはないらしい。

　火を止め、レシピ通りソースを入れて搦め、添付の青のりを振りかける……完成だ。

　何時もの如く鍋の侭茶の間に持ってきて、そこの照明の元で改めて見る……

　う、薄い……

　ホンコン～に慣れているせいか、心配になる程の色味の薄さだ。粉タイプのソースを搦めて食べるカップ焼きそばよりもずっと薄い。食べる前から心配になるが、空腹には勝てず……まず一口……。

　うむ、見た目よりはちゃんとしてる味だ、当たり前かもだが。

　ソース焼きそばはぬるっとした感じが苦手なのだが、これはいい感じでジャンクな感じがして好きなタイプだ。

　しょっぱ過ぎず甘過ぎず、いい意味で「普通に美味い」。

　ホンコンの様なピリッとくるインパクトはないが、毎日ホンコンで飽きてきた際に間食？ として買っておくのも良いかもな、と思った。とはいえ同じ値段で売っててどちらか１つしか買えない場合ならホンコンを選ぶだろうし、5つ買えるのならホンコン4の是１買うかも、その程度の普通といえる。

　とはいえ人間、どんどん新しい事に挑戦しないと進化が止まってしまうものだ。　

　これを機にカップ焼きそばも、同じものだけじゃなく別のメーカーのに挑戦しようかな、と意識の変革を促されたという事で今回の購入は成功かもしれない。