第5話 帝国魔導団

「団長どの、どうやら無敵ムテキの奴が亡くなったようでございます」

帝国魔導団の会議の間にて、白髪の老婆が上座の男に告げた。


「それはまことか?あのムテキの事なのだな読人よみびとよ」

団長と呼ばれた男が老婆に問いただす。


ワシのもとに神託がおりました」

「内容は、「御下みもとに多くの御魂みたまが舞い戻りし」との事。」


「我が団の魔導師極秘記録の書き換わりを読み取り、死亡と判断致しました」




「元、筆頭聖女のそなたの言葉に偽りはなかろうが…あの用心深いムテキがなくなるとは…」


「ムテキは同期ゆえ、儂も奴も年には勝てぬとゆう事かと」


「これで最近の我が団員を狙った闇討ちの裏に王国の…教皇の意向があった事は分からずじまいとなったな」


「それについては、儂がはなっていた従魔からの報告によると奴の従魔が未だに生き残ってるようなので、手練を向かわせ捕らえれば、なにか分かるかと…」


団長がもらした言葉に、老婆が解決案を提示した。


「奴の最後の従魔は、対魔導に特化している模様でございますので…」


「ならば人形使いと虫呼びを当たらせよう」


「数でとの事ですな」


「魔導師が直にあたらなければ我が団の損失もないわけだ…それでも無理ならば…総力戦だ」


「まるでいくさですな」


「まるでではなく、まさしく戦なのだ!我が帝国魔導団と聖王国の」

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