第37話 おいでよ!お犬の国!

犬は人間の長年のパートナーとして連れ添った歴史がある。


時には狩りを共に行い、人の心に癒しを与え、忠節を貫く。日本で代表的な犬と言えばハチ公が有名だろう。亡くなった主人を健気にも待ち続ける姿に人々は心打たれたはずだ。


現在は空前のペットブームもあり、色々な家庭で皆に癒しを与える家族として迎え入れられている。俺がおっさんの少年時代にも友人宅で飼われていたチワワが居た。


目がクリッとしてとてもチャーミングな小型犬だ。


初めてその友人宅に遊びに行った時に…俺は噛まれた。


うん、噛まれて痛かった。


それ以降友人宅には近寄らないようになったが子供の頃のトラウマとしては十分だった。


つまり俺は犬が凄い苦手なのだ…。


だが社会で働く以上、苦手な事やトラウマと直面する時が来ると思う。逃げるのか戦うのか…それは本人次第だが、どちらを選択しても俺は責めはしない。


どちらにも勇気が必要だからだ。ただ同じ勇気を使うなら俺は戦う…自分に勝ちたいから!


と言う事で…


『秀才!仁村どうぶつの国』~世界中の犬にありがとない!編~


再び一花の仕事のお手伝い第3弾が舞い込んできた。



大日本テレビ『秀才!仁村どうぶつの国収録』出演者控え室─


「…落ち着け俺…すぅーはぁー…怖くない怖くない…。」


出演者控室の化粧台の椅子に足を広げて座り、上体を前に落として両手の人差し指をこめかみに当てて格闘家の試合前の様な瞑想をする。


今回はグラビアアイドルという事で今時のギャルらしく肩出しのミニワンピースを着用している、水着よりこちらの方が幾分かマシだ。


だがそれよりもヤバイのはここだ…若い頃は嗅覚が敏感になるが控室からでもやつらの獣臭がする。ペットショップの様な匂いだ。犬はすぐそこまで迫っている…。


「ハルさん、あの…挨拶回りを…。」


マネージャーの饗庭あえばが俺の真剣な表情と気が高まった状態を見て声を掛け難そうに他の共演者の挨拶回りをお願いする。


「あ、ああ…饗庭さん挨拶回りに行こうか…。」


気を高めて精神的に落ち着いた俺はゆっくりと立ち上がり共演者の控室へと向かって行く。


今回の仕事を受けた理由の一つとしてこの番組の司会者『仁村じんむら げん』の存在だ。おっさんの少年時代にお腹がよじれる位に笑わせて貰った日本を代表するコメディアンだ。


『ガトーちゃんゲンちゃんハッピーTV』『でぇえじょぶだぁ!』『ぶあか殿』などのコント番組が代表される様にコントに対する情熱は他の追随を許さず、お笑い一本でやってきた御仁だ。


役者一筋の梶原や一花と同類と言っても過言ではない。そして今回俺はあわよくばサインを貰うと考えている。


『コンコン!』


「グラビアアイドルの結城ハルです、挨拶に伺いました。」


仁村の居る控室の扉をノックをすると中に居る仁村から返事が返ってくる。


「はいー、どうぞ入って。」


「失礼します。」


中に入るとすでに撮影用のオーバーオールにスカーフを巻いた仁村が控室の茶の間のテーブルに座って準備を終えている。


その貫禄と実物に俺は猛烈に感動している。


「ゆ、結城ハルです。今日は宜しくお願い致します。」


「はい、よろしくねー。」


俺がお辞儀をしながら挨拶をすると仁村は思ったよりも普通のおじさんの様な返事をする。ここで俺はサインをして貰えないか交渉を始める。


「あ、あの仁村さん!サ、ササササイ”ィーン!」


「ぷっ…はっはっは!ハルちゃん君、面白い子だね。俺のサイ”ィーンで良かったらどうぞ。」


緊張のあまり仁村のギャグ、アヴィーン!とサインが合体してしまった。だがそれを面白く思ったのかアヴィーン!のポーズをした後に俺の渡した色紙にサインを嫌な顔をしないで書いてくれている。


「ハルちゃん16歳でしょ?俺のアヴィーン!以外のギャグなんて知らないんじゃないの?」


今時の若い子には仁村の知名度は全く無い。コントブームが去った後の漫才ブームが始まった後に生まれているからだ。


アヴィーン!に関しても漫才ブームの若手芸人がリスペクトしていたのでギャグだけの知名度はあるのだ。


「え…えっと仁村さんのギャグで私が好きなのがあります!」


「へー…ちょっとやって見せてよ。」


俺が一番好きだった仁村のギャグがある事を伝えると仁村が実演を求めてきた。俺は仁村が居る場所から2歩程後ろに下がると大きく深呼吸をして気合を入れる。


「そーですぅ!わたすが変なおっさんです!」


「変なおっさーーんたら!変なおっさーーーーん!!」


直立の体勢から正面で両手を2回叩いて同じ片手片足を大きく斜め前に目一杯出し、今度は反対の手足を出す。両腕を前後に同時に振って腰を振る。


続けて両腕を正面でぐるぐるとバスケットボールの審判の出すトラベリングの仕草をしながら屈伸を始める。


「どあっへんだ!!」


掛け声と共に頬を膨らませて顔は動かさずに視線だけを上に向けると終了する。


「…ありがとねハルちゃん、君は俺の本当のファンだよ。」


少し涙を流しながら仁村が喜んでくれている、俺が子供の頃にこれで死ぬ程笑わせて貰ったので恩返しが少しできた様で嬉しい。


絶対に現役の女子高生がやらない中身がおっさんの俺しか出来ない唯一無二のギャグである。


後ろに居た饗庭は理解出来ずに俺の動きにドン引きである。まあそれが狙いなのだから仕方ない。


だが仁村が俺の事を相当気に入ってくれたらしく、しばらく世間話をした後に他の共演者にも挨拶を行っていく。


挨拶も一通り終えると恐怖の収録へと入って行く。



大日本テレビ『秀才!仁村どうぶつの国』収録スタジオ─


可愛らしいメルヘンな森をモチーフにしたセットに出演者の座る椅子が人数分設置されている。


撮影が開始されると出演者の紹介が始まる。今回のゲストは俺なので最後に紹介されてレギュラー出演している芸人にいじられる。


「グラビアアイドルの結城ハルです。宜しくお願いします。」


少し引きつった笑顔でカメラに手を振りながら愛想を振りまく。すると男性コンビの頭を丸めて無い方から早速俺へのいじりが入る。


「ハルちゃん、グラビアやってるだけあってスタイルも良いけど足長いねぇー…。」


続けて女性コンビのメガネの方が俺に近寄ってくる。


「見てっ!私の足の長さと同じくらいだわっ!」


どう見ても短いのだが足を並べて比べてくると男性コンビの頭を丸めて無い方からツッコミが入る。


「ちょっと角田点造さん、無理しないで下さい。」


「角田点造じゃねーーーーよっ!!」


いつものお約束ギャグが披露されスタジオ中から笑い声が聞こえてくる。この様な感じで撮影が進み、世界中の犬が編集された映像が入る。


大型犬から小型犬、放牧犬、麻薬犬、救助犬、盲導犬、様々な犬が紹介されていく。世界中では人と同じ様に働いている犬も居るのだなと他の出演者は感動していたりするが俺には関係ない。


噛む犬か噛まない犬か…良い犬は噛まない犬、それが俺の判断基準である。人に協力するように見せかけて隙あらば牙を向くのが犬、その様に考えている。


「ハルちゃんはどんな犬が好きなの?」


司会者の仁村からゲストの俺に質問が飛んでくる。


「…しっかりリードで結ばれた犬です。」


「い、いや状況じゃないって犬種だっつーの。」


俺の答えに仁村がばあか殿の様なツッコミを入れてくれるが、リードで結ばれていれば噛みつかれる恐れは無いそれが一番大事だ。放し飼いにしているからいけないのだ。


「ハルちゃんは束縛するのが好きなんだねぇ!こう鞭でビシッと!俺も縛られたいワンっ!」


「お前はヘンターヘンターのキメラ蟻に捕まったNGL職員かっ!」


男性コンビが持ち前の定番ギャグで俺の答えで笑かしに来ているが俺は至って真面目だ。しかもツッコミネタもかなりマニアックだ。


世界の犬の映像が終わると隣の部屋で待機していた世界中の犬がスタジオ内の仮設ドッグランに数匹入ってくる。


仁村を筆頭にレギュラー陣がドッグランへ入って行き、犬達と交流を深めている。


俺はドッグランの出入口で直ぐに逃げれる様に避難している。しかし司会者の仁村から俺と犬の交流映像を取りたいとお願いされ仕方なく犬の輪に恐る恐る入って行く。


「来るんじゃない、来るんじゃない…。」


すり足で慎重に犬を刺激しない様に仁村の元へ向かうが犬が俺に興味津々で匂いを嗅ぎに近付いてくる。ロットワイラー、ボルゾイ、ドーベルマン、グレードデーンが俺を囲う様に迫ってきた。


(ひっ…こんなのに噛まれたら死んでしまう…。)


全ての犬が俺の腰くらいまでの大きさがある、立ち上がると俺の顔まで牙が届きそうだ。犬のフサフサな毛並みをかき分けて仁村の元に辿り着く。後ろにはなぜ犬達が待機している。


「ほらハルちゃん、チワワ!抱いてカメラに向かって笑顔ね。」


(オウマイガーーーーーッド!!)


仁村が俺にトラウマを渡して来た。


好きなコメディアンに渡された犬を拒否できる訳が無い、俺は勇気を振り絞り両腕を伸ばしてチワワを受け取る。それはもう核弾頭を扱うかのように慎重にだ。


俺に持ち上げられたチワワは何も分からない様なポカーンとした顔をしている。それが更に恐怖感を増している。


「ハルちゃん笑顔笑顔!腕も伸ばし過ぎて生贄を捧げる様になっているよ。」


俺の隣で別の小型犬を抱いている仁村が俺に注意をしてくるが、俺にはこれが精一杯だ。正直足もかなり震えている。


「怖いのは解るけど、人と同じで全員がそうじゃないから…。最初は信じる事が大事だよ。」


小さな声で仁村が俺に耳打ちをしてくる、どうやら犬が苦手な事がバレた様だ。大御所の仁村の助言を貰ったなら木っ端芸能人の俺がちゃんと抱いてやらねばならない。


重量のある鉄アレイをゆっくりと胸元に近付けるようにチワワを両腕で抱える様にする。すごく生暖かいが犬の鼓動を体で感じる。


「犬っていいだろ?ちゃんと世話してやれば無償で愛してくれるんだよ。こいつらは。」


「は、はい…。」


俺の胸の居心地が良いのかチワワが目をつむって体を俺に預けている。まだ少し怖いが勇気を振り絞って良かった。魔獣から珍獣へと格上げだ。


仁村とのツーショットの撮影を行い、午前の部の収録は終わりとなったがチワワを降ろそうとした時に事件が起こる。


しゃがんで降ろそうとしたらチワワが突然俺の肩に上り顔を舐めてくる。


「ひっ!!」


俺が驚いて尻もちを付くと後ろで待機していた大型犬が一気に寄って来る。


「へっ?な、何だ?」


すると俺の顔と体、手、足を舐めまわしてくる。それを見た他の中型犬、小型犬も続々と集まってくる。


ドッグランに居た全部の犬がである。


『『『ペロペロペロペロ…。』』』


「ギャア!ちょ…やめ…。あっ…コラっ!どこ舐めてるんだ!」


肉食獣に捕獲された草食獣の様な状態になるが周りの共演者とスタッフ達が呆然と立ち尽くして気が回っていない。しばらくすると犬の飼い主達が焦った表情で飛び出してくる。


今回、呼ばれている犬達は躾もしっかりされた洗練された犬達のはずであった。主従関係も認識しているのでこの様な出来事は起こり得ないと後にスタッフ達が伝えて来た。


「はあはあ…。」


全ての犬を引き離した後はまるで事後の様な…ある意味事後なのだが、俺の髪はぐしゃぐしゃ体中犬の唾液がべっとりである。しかも結構臭い。


レギュラー陣の芸人達もこんな事は初めてなのかツッコミすらしてくれない異常事態だ。憐れんだ目で見られるとこっちもつらい。


「…ハルちゃん悪い事したね、撮影は午後から再開するからシャワー行ってきなさい。」


「い、いえいえ!お気遣いありがとうございます…。」


仁村が申し訳なさそうに言ってくる、番組の司会者として少し気を使ってくれているのだろう。特に噛まれてもいないので肉体的に問題は無い…精神的には結構効いた。


俺の体には犬を惹きつける何かエキスが流出しているのだろうか。おっさんの時は吠えられたり唸られたりで散々だったか今はまったく逆だ…ハルボデーのせいであろうか。


とりあえずスタジオ建屋内にあるシャワー室を借りて犬の唾液を流し終えて着替えを行いメイクを再度施して貰う。



午後になりスタジオ内のセットに出演者全員が集まると重苦しい雰囲気になる。すでに編集済の保健所に居る犬達、捨てられた犬を救う為に動く人達の映像が流れる。


「信じらんないよね、簡単に捨てちゃうんだもん。」


仁村が映像を見ながら自分の気持ちを語る。


先ほど俺が抱いたチワワも見た目の可愛さも相まって人気があるのだが躾をせず我儘になったチワワに我慢出来ず捨てる選択をする飼い主もいるのだ。


野良犬になると病気の恐れもあり攻撃的と判断されると殺処分となる。


「いやーほんと犬を救う人達は凄いですね…。」


「やっぱり命は一つしかないから、目一杯生き抜いて欲しい。」


出演者達が映像を見ながらコメントしていく。すると俺に視線を送り仁村が声を掛けてくる。


「ハルちゃんはどう思う?捨てられた犬は殺すべき?」


俺は自分の考えをはっきりと仁村に伝える。


「私も小さい頃に犬に嚙まれましたが殺してやろうだなんて一度も考えた事はありません。人だってどんなに憎くても殺す事には至らないのと同じです。もちろん生かすべきです。」


「じゃあこうなった原因は何にあると思う?」


再度俺に質問を投げかける仁村だがこれも俺ははっきりと答える。


「生き物を飼う理想と現実の剥離が原因です、犬に限らず生き物を飼う事は容易じゃありません。放っておいても成長しないのは人も同じ、さらにお金も掛かります。現実を見て堅実に判断する能力が必要です。」


「うん、理想を追い求めるのも良いけど現実を見て判断する…まるで芸能界と一緒だーね。」


仁村が言うとふざけた感じで言うが重みが違う、恐らく自分も同じ状況を経験して来たのであろう。


「だけどハルちゃん本当に16歳?考え方がしっかりしてるけど若くないねー。」


仁村はケラケラと笑いながら年相応の考え方では無いと指摘するがやはり人を多く見ている芸能人は洞察力もずば抜けている。


「という事で今日は保健所の方から里親募集中の犬が10匹来ています。」


女性コンビの背の高い方が紹介するとドッグランに雑種の犬10匹が入って来る。先ほどの犬達とは違いあまり活発ではない。


「心を閉ざしているので寄ってこないですね…。悲しい気持ちになります。」


ドッグランに出演者達が入るが犬達が避けるように逃げていく。俺がその様子をドッグランの外から眺めていると仁村から手招きの合図が来る。


(これは…いかなきゃだよなぁ…。)


大御所の指示に逆らえる訳も無く俺がドッグランに入ると出演者達を避けていた犬が一斉に寄ってくる。


やっぱ俺の体から変なエキスが出ているのではと確信に変わりそうになる。


「ま、まて…シャワーを浴びて来たばかりなんだ…な、舐めるのはやめ…。」


犬には言葉が通じる訳もなく、おれは再び犬に舐めまわされる。


『『『ペロペロペロペロ…』』』


「ギャア!!…なんで…お前ら心閉ざしてるんじゃ…。あっ…また変なとこ舐めるなっ!」


悪夢再び、今度はこの展開を読めていたのか男性コンビがツッコミを入れてくる。


「よーしっ!じゃあ俺も一緒に舐めちゃうぞー!」


AVアニマルビデオかっ!お前にリードしてやろうか!」


いやいや現在進行形で俺が舐められているので助けて欲しいのだが、今度は飼い主の居ない犬なので止めようがないと思ったその時。


『ワンッ!!』


俺を唯一舐めていない犬が立ち上がってこちらに吠える。すると舐めていた犬達が舐めるのを止めて少し離れて行く。


吠えた犬は秋田犬の雑種で銀色の毛色に体中に傷跡が有り痛々しい姿だが毅然としている。俺の側に寄ってくると舐める事なく静かに伏せる。


周りの犬にこれ以上舐めない様に牽制している様だ。


(な…なんだこの犬…めちゃくちゃカッコイイ…。)


伏せている銀色の犬を恐る恐る手を伸ばし撫でてみると威嚇する事無く素直に撫でさせてくれる。まるで犬とは思えない理性ある紳士の様な振舞いだ。


「ふむ…ハルちゃんちょっとこっちに来て。」


仁村に呼ばれて移動すると銀色の犬も立ち上がり横に付いてくる。仁村の側に行くとこれから里親募集の撮影を行うから犬を1匹づつ持っていて欲しいと依頼される。


「えっと私で良ければやらせて貰います。」


俺が犬を1匹づつ抱えると仁村が犬の紹介を行い里親のアピールを行う。


「えーこの子は2歳で雄、コーギーの雑種で性格は温厚…。」


「ちょ…服の中に入るなーーー!!」


仁村が1匹づつ紹介をするのだがその間にも俺のお尻の匂いを零距離で嗅がれたりワンピースの中に侵入されたり、胸に顔を埋めてきたり、服を引っ張っておパンツが見えそうになったりとやりたい放題だが側で伏している銀色の犬は吠えない。


どうやら俺がなかまの為にやっている事を理解している様だ。


銀色の犬も含めて10匹全員の紹介が終わるとゲージの中へ戻っていく犬達。俺は後ろ髪を引かれる思いだ…せめて銀色の犬だけでも救いたい。


だが、先ほども俺が言った通り現実を見て堅実な判断をしないと不幸になるのは犬達なのだ。せめて里親が見つかる事を祈って見送る。


「でぇえじょうぶだぁ!ハルちゃんのお陰で直ぐに里親が見つかるよ。」


「そうだと…いいんですけど。」


心配そうな目で犬を見ていた俺に仁村がギャグ込みの慰めの言葉を掛けてくれる。こうして収録を終えたのだが放映後の里親の紹介映像が物凄い話題となった。


SNSのタグには『#結城ハルのわがままボディを好き放題にした犬』という事もあり里親が10匹に対して100人以上も名乗りを上げてくれたのだ。


ほぼ俺のファン達だが厳選に厳選を重ねて、俺を好き勝手に舐めまわした犬達は里親の元で暮らしている。


そして銀色の犬の里親なのだがこれが驚く事に案外近くに居たのだ。


『レース鳩の小屋の番犬にバッチリだわい!』


俺のラインに先ほどのコメントと一緒にハルのお爺さんと銀色の犬のツーショット写真が送られて来た。どうやら父も銀色の犬を気に入ったらしくお爺さんに里親を打診した様だ。


この時ばかりはさすがの俺も父に感謝を込めて久しぶりに(マッサージ)をしてあげた。

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