季節限定編

お正月のお悩み ~シティーボーイズとO・T・O・3~

───【登場人物(♂5:♀0)】───

緒方(♂)

轟(♂)

大清水(♂)

少年A(♂)

少年B(♂)


───【(任意)開演前に】───

緒方

「枠がきまして!」


「年も明けまして!!」


大清水

「おめでとうございます!!」


緒方

謹賀新年きんがしんねん!」


恭賀新年きょうがしんねん!」


大清水

「今年も我々O・T・O・3おとうさん!」


緒方

「全身全霊あなたの悩みを!」


「解決するため駆けつける!」


大清水

「それでは今年も、なにとぞ、なにとぞ! 」


緒方・轟・大清水

「よろしくお願い申し上げます!!」


───【本編】───


少年A

「ハァーーー……。」


少年B

「めんどくせぇーー……。」


少年A

「ほんっと、めんどくせぇーー……。」


少年B

「いや正月だから親戚一同実家に集まって挨拶、は分かるよ?」


少年A

「俺たちも親戚からお年玉貰ってうれしいよ?」


少年B

「でもなあ……。」


少年A

「……暇すぎる! あまりにも! 暇すぎる!!」


少年B

「やることが! やることが無い!!」


少年A

「はやく家に帰ってテレビゲームがしたい!!!」


少年B

「せめて正月特番でも見るかと思ったけど親たちが飲み会しながらテレビ前占拠してるし駅伝ばっかり見てるし!!」


少年A

「いいよな親はよう! 久々に親戚と顔合わせて酒飲みながら積もる話もあるんだと思うけど!!」


少年B

「こっちは酒飲めねえんだよ!! テンション上げるのにもゲームがねえから限界があるんだよ!!」


少年A

「……あー……。」


少年B

「疲れた……。 暇……。 」


緒方

「お困りですか、少年たちよ!!(少年たちよ)(たちよ)」


少年A

「……盛り上がってんなあ、宴会」


「お困りならば、いざ行かん!(いざ行かん)(いざゆかん)」


少年B

「もうちょっとボリューム押さえてくれねえかなあ」


大清水

「ガショーン!!」


(三人、突然入ってくる)


緒方

「デジタルゲームにハマってしまい!」


「田舎の実家で暇を持て余す!」


大清水

「ならば我らと遊ぼうぞ!!」


緒方

「オー!」


「ティー!」


大清水

「オー!」


緒方

「おしょう!」


「と!」


大清水

「おしょう!」


緒方

「おしょうが二人で!」


緒方・大清水

「おしょうがツー!(※お正月) 」


「もとい!!」


緒方

「緒方!」


「轟!」


大清水

「大清水!!」


緒方

「三人組ッ!」


「略して我ら!!」


緒方・轟・大清水

O・T・O・3おとうさん!!! 」


少年A

「……誰?」


少年B

「親戚にこんなおじさん居たっけ?」


緒方

「初対面である!!」


少年A

「いや誰!?」


少年B

「不法侵入だろ!? 大人は何やってんだ!!」


「先ほどあちらの宴会に飛び入り参加させてもらった」


大清水

「家主と思われるご老人を中心に

 トットットット、まあまあまあまあ、トットットット、まあまあまあまあ、

 とやって意気投合させてもらった」


少年A

「酔っ払いどもが!」


少年B

「田舎、どれだけ自由なんだよ……」


緒方

「今はあちらでO・T・O・3おとうさんゲームで盛り上がっている」


「時に少年たちよ。遊びが分からず暇なのであろう──」


少年A

「待って待って待って。O・T・O・3おとうさんゲーム、何?」


大清水

「興味があるのか少年!!」


緒方

「それでは我らがO・T・O・3おとうさんゲームについて手とり足とりナニとりナニとられ、教えてしんぜよう」


少年B

「ナニって何だよ! 取って取られるナニって何だよ!!」


O・T・O・3おとうさんゲーム、それは4人以上で遊ぶゲーム」


少年A

「説明始まったよ……」


大清水

「まずは最初の人をジャンケンなどで適当に選ぶ」


緒方

「最初の人は、『緒方』と言いながら別の人を指さす」


「『緒方』として指をさされた人は、『轟』と言いながらまた別の人を指さす」


大清水

「そして『轟』として指をさされた人は、『大清水』と言いながらまた別の人を指さすのだ」


緒方

「『大清水』として指をさされた人は、『略して我ら!』と声高らかに宣言する」


「そうしたら、『緒方』『轟』『大清水』として指をさされた人が『O・T・O・3おとうさん!!』と叫びながらポーズを取るのだ」


大清水

「そこまでした後、最後に『大清水』として指をさされた人が最初に戻って『緒方』を指さし、あとは繰り返しだ」


少年A

「なるほどね、大体わかった」


少年B

「わかったの!?」


少年A

「そんなに大したことはしてないから大丈夫だよ」


緒方

「それではO・T・O・3おとうさんポーズについて説明しよう」


少年B

「えっ何か決まったポーズあるの」


「我らが登場した時のポーズを覚えているだろう」


少年A

「あっごめんなさい、見てなかった」


大清水

「ぬぅん」


緒方

「『緒方』ポーズは、脇腹の前で片方の手首をもう片方の手でつかみ、こう!!」


「『轟』ポーズは、肘を曲げながら両手を顔の横あたりまで上げて、こう!!」


大清水

「『大清水』ポーズは、両手で後頭部を支えるようにし、肘を前に出して、こう!!」


少年B

「こう……こう……こう……」


少年A

「O……T……O……」


緒方

「いいぞいいぞ、キレてるキレてるぞ」


「ポーズも様になってきたことだし、何はともあれ百聞は一見に如かず!

 早速やるぞ!」


少年A

「えっ!?」


少年B

「やるとか言ってないけど!?」


大清水

「何事も決断力が大事である!! それではいくぞ!! O・T・O・3おとうさんゲーム!!

 『緒方』!!」


少年A

「えっ!? と、『轟』!!」


緒方

「『大清水』!!」


「『略して我ら!』」


少年A

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


緒方

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!

 はい『緒方』!!」


大清水

「『轟』!!」


少年B

「お、『大清水』!!」


緒方

「『略して我ら!』」


大清水

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


少年B

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


緒方

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!

 ドンドン行くぞぉ『緒方』!!」


少年A

「『轟』!!」


大清水

「『大清水』!!」


少年B

「『略して我ら!』」


少年A

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


大清水

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


少年B

「(同時に)O・T・O・3おとうさん!!」


緒方

「はいダメー!!大清水の少年、それは緒方のポーズである」


少年B

「ああ!! くっそ!!」


少年A

「何なんだこのゲーム……変な楽しさがこみあげてくる……」


緒方

「そうだろうそうだろう」


「まあO・T・O・3おとうさんゲームは本筋ではないのでこのあたりで」


大清水

「では少年たちよ! せっかくの正月であるので、正月っぽい遊びをしよう!」


少年A

「正月っぽい遊び……?」


緒方

「凧揚げ!」


「羽根突き!」


大清水

「コマ回し!!」


緒方

「その他もろもろである!」


少年B

「あー……よく聞くやつ」


「百聞は一見に如かずである!」


大清水

「とはいえ、凧揚げはすこし場所を必要とするので、ここは無難に羽根突きといこうではないか。ちょっと表へ」


少年A

「えー……。」


少年B

「まあ、拒否したところで暇は暇だしな……。」


(全員、外へ出る)


「ときに少年たちよ、羽根突きのルールはご存知か」


少年A

「まあ、ルールぐらいなら」


少年B

「なんかバドミントンみたいな感じのやつでしょ? 聞いたことはあるけど、やったことは無いんだよね」


「うむ。使用するのはこの羽根と羽子板。なんと羽子板はO・T・O・3おとうさん特製デザインである」


少年A

「意外と小さいな、羽子板……」


少年B

「これで打ち返せるものなのか……?」


「初めての場合は、勝敗を決めるよりもまずは打ち合いを続けることを楽しむとよい。

 ゆっくりゆっくり、ふわふわと打ち合うのだ」


少年A

「んー……まあ、やってみるか。いくぞー。 よっ」


少年B

「お、ほっ」


少年A

「よっ」


少年B

「お、っとっとっと……んがぁ!」


「ナイスレシーブ!」


少年A

「オッケオッケー! んーっと……よっ、ああ! 外した!」


少年B

「ドンマイドンマイ! 次いこう!」


「うむうむ。楽しんでおるな」


少年A

「もうちょっと慣れたら罰ゲームアリにしようぜ!」


少年B

「よっしゃ、やってやろうじゃん。覚悟しとけよ!」


少年A

「大した自信だなあオイ。まあまだ練習だな」


「うむ、うむ。慣れないようなら私が手ほどきかと思ったが、二人とも筋が良いようで……んむ?」


(3人と少し離れた場所で、緒方と大清水)


緒方

「ォォォォオオオ緒方スマァァァッシュ!!!」


大清水

「なんのォォオ!! 大清水ドラァァァィブ!!!!」


緒方

「ぬぅうん!! 緒方クリアー!!!」


大清水

「好機!! 大清水ゥゥゥウウウウドロップ!!」


緒方

「ヌゥワァァアオオォォォオオ緒方ロブ!!!」


大清水

「やるではないか!! しかしここまでだ緒方!! 我が渾身の力を込めて!!

 ォォォォオオオオオ大清水メガスマァァァッシュ!!!」


緒方

「ヌワァァァァアアア!!!」


大清水

「ハァ……ハァ……緒方……良い勝負であった……」


緒方

「流石だな……大清水よ……」


大清水

「それでは互いの健闘を称え、熱い抱擁を交わそうではないか」


緒方

「大清水……!」


大清水

「緒方……!!!」


「コラーーーーーッ!!!」


大清水

「ぬぅん」


(間。いい汗かいた後)



少年A

「ふーーー。 めっちゃ汗かいた」


少年B

「いやでも、楽しかったわ」


少年A

「外で遊ぶとか超久々だったけど、意外と燃えたな」


少年B

「そうだな、燃えたな! 次は負けねえからな!」


少年A

「おうおう言うねえ。いつでも相手してやるぜ」


緒方

「楽しんでもらえたなら何よりである」


「これにてこれにて一件落着」


大清水

「我らが仕事も一件落着」


少年A

「ありがとうございます、おじさんたち」


少年B

「結局最後まで誰だか分からなかったけど」


緒方

「礼には及ばぬ、少年たちよ」


「やるべきことをやったまで」


大清水

「おっと最後に一言を」


緒方

「少年たちよ!」


「お年玉がほしければ!!」


大清水

「両手を前に出すがよい!!」


少年A

「くれるの!?」


少年B

「マジで!! やったあ!!」


緒方

「取り出したるはスーパーボール」


「高い所からパッと落として」


大清水

「これが本当の『落とし玉』」


少年A

「帰れ!!!!」


緒方

「それでは我らは失礼する」


「次回は『次世代O・T・O・3おとうさん育成ゲーム』で遊ぼうな!」


大清水

「それでは今年もよろしくお願いいたす!!」


(3人、ドカドカと去る)


少年A

「……いや待って、次世代O・T・O・3おとうさん育成ゲーム、何!?」


少年B

「そもそも次回っていつよ……来年か……?」



──────────


緒方

O・T・O・3おとうさん!!!」


「それは悩める人の前に!!」


大清水

「助けを求めるあなたのそばに!!」


緒方

「いつでもどこでも駆けつける!!」


「次に我らが現れるのは!!」


大清水

「あなたのお家かもしれない!! それではこれにて!!」


緒方・轟・大清水

「失礼!!!!!」

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