第118話 買い出し部隊
「わあ、豪華! 和風だか中華だかのファンタジーの光の女神様の衣装みたいだね、これをミレナさんに着せるってこと?」
ホテルのテーブルに開いたままのスケッチブックを無造作に置いていたら、俺の描いた神楽舞用衣装のイメージスケッチをカナタが見たようだ。
これはカナタが風呂に入ってる間に描いていたものだ。
「これに近い感じでできたらいいとは思っているが」
「このキラキラジャラジャラの飾りの装飾はどうするの? 絶対同じのないよ」
「似た雰囲気の飾りを寄せ集めて、買い集め、最終的に合体させたらどうかな? コスプレやる人も色々組み合わせて創意工夫して衣装作ってるし」
「でもコスプレというより神事でやるわけだし、いっそそのデザインを元にあちらの職人にいちから作って貰うのは?」
「それだとどのくらい金と時間がかかるやら」
「じゃあ一応素材をいくつか保険で集めておいて、間に合わないようならそっちにしたら?」
「じゃあその案にするか。あっちで稼いでいる金貨はこっちでは使えないからな」
俺も風呂に入ってから、就寝し、翌朝ホテルをチェックアウトをした。
いいホテルのお布団とベッドはとても気持ち良かった!
* *
「翔太、次はコインランドリーに洗濯物を」
「ああ、その後に着物の店に行こう」
「着物を使うと凄く高くない?」
「わからん、中古でもやはり高いかな?」
「神事なのに中古で大丈夫?」
「ペラペラより、古くても良いものの方がよくないか?」
「あー、確かにペラペラは……」
などと会話をしつつ、俺達はレンタカーでコインランドリーに移動した。
俺達は洗濯機に洗濯物を入れていった。
洗い終わるまでまだ時間がかかる。
「えーと、次は着物屋?」
「ああ、この近くにある中古も扱うとこを見てみよう」
二人で中古の着物を扱う店に来た。
「へー、綺麗な柄のものが一万や二万くらいで買えるもんだね」
「ああ、一応新品も見るか」
二人で新品の着物を扱う店に来たら、綺麗な着物が沢山展示してあった。
「わー、綺麗だね、せっかくの晴れ着だし、やっぱり新品を買ってあげようよ、僕のお賃金からも出すから」
「晴れ着って成人式かよ」
俺は思わず笑った。
けどミレナの衣装の為に自分のお賃金を使ってもいいとか、太っ腹だなぁ。
「ところでこれって晴れ着じゃないの?」
「分からない。振り袖ではあると思う。あと、もっと袖に広がりが欲しい」
「そこは改造するしかないけど、これ生絹とか書いてあるんだよ、大丈夫?」
「ミシンを買ってあちらに持って行って、ミシンを使える人を教育するのって難しいかな?」
「僕もミシンは多少使えるよ。友達のコスプレ衣装作るのを手伝った事があって」
「カナタ有能!!」
結局新品の着物一式と中古の着物の両方を買った。
中古の方は練習に使うと言う事で安いのも数着分買い、違う店でミシンや糸やアクセサリーも買った。
そしてコインランドリーで洗濯物を回収し、近くの店でお好み焼きと、焼きそばを食べたようってことになった。
「カナタは何にする?」
「イカ玉」
カナタのリクエストを聞いて、俺は店員さんを呼んだ。
「イカ玉とチーズ玉と焼きそばをお願いします」
俺が注文をすると、
「はい、イカ玉、チーズ玉に焼きそばー!」
「はーい!」
メニューを取りに来た店員さんが鉄板の前に立つ
料理人に声をかけ、軽快な返事が返った。
さて、焼き上がったお好み焼きと焼きそばを食べるとするか。
「イカもどうぞ」
「俺のチーズ玉と焼きそばも」
カナタと仲良く半分こした。
「お好み焼き本体も美味しいけど、このお店はこのマヨネーズが凄く美味しいよね」
「だよな、あ! ミックスとエビ卵を持ち帰りでお願いします!」
俺はまた店員さんに声をかけた。
「はい、ミックスとエビ卵ー」
「あ、そろそろ注文してたお弁当も取りに行かないと」
「そうだな、ネットからいっぱい頼んであるし」
俺はまたカフェで楽をする為にお弁当の大量注文をしているのである。
お好み焼きを食べ終えて、買い出し部隊の俺達はレンタカーでお弁当の回収に向かった。
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