第18話 異世界からのプレゼント その5
「うおぉぉぉぉ」
「のわぁぁぁ」
「うっひょぉぉぉ」
とてもビールを飲んでいるとは思えない声上げるみなさん。唯一ナジームさんだけは一言も口を利かずに目を瞑り、『ユウヒ スーパーカライ』をしみじみと味わっている。
まあ、それはそれで、いい反応ですよね。
そして私はみんなの前にポンポンポンと袋を放り投げた。
「……おやっ、これは何ですか?サファイヤさん」とナジームさん。
「これは、スーパーカライに合うおつまみ『ツルタの柿の種 ワサビ味』です」と。
「柿の種?」とノエルさん。
「ワサビ味」とエルウッドさん。
「四の五の言わずに食べてみてください」と私。
すると……「あああああー、これも、辛っい!!」とベイルさん。
「でも、うまーーーい」のノエルさん。
「新感覚ー!!」とエルウッドさん。
「これも麻(マー)でも辣(ラー)でもない、けれど、辛い、不思議な感覚ですね」とナジームさん。
やはり、この人の分析能力は優秀だ。
「はい、これは私達の国の香辛料、『ワサビ』を使った、お米のお菓子です。ビールによく合うでしょう」
「「「ハイッ!!」」」と皆さん。
「一応、ノーマルの普通に辛い柿の種もどうぞ」と私はノーマルの柿の種も渡す。
「「「あざーっす」」」とみなさん。
「あと、これこれ」と私はそういってから、段ボールからハルビーポテトチップのコンソメパンチの特大を大胆にパーティー開けする!!
「ほほーう、これは……じゃがいも」
「はい、ジャガイモを揚げたお菓子です」
「「「ふんふん、どれどれ」」」とみんな。
そして…………「ふわあぁぁぁ、これもすっごいビールに合うー!!」とエルウッドさん。いつもの皮肉屋な顔などどこかへ消し飛んでしまったみたいだ。普段からこういう風にしてればいいのに。
そして私達は休日の昼下がり、キンキンに冷えたビールとポテチと柿の種で酒盛りが始まった。
控えめに言って天国かよ、ここは。
しかし悲しいかなそのような楽園はいつまでも続かない。なぜならビールは飲み続けるとお腹が膨れるからなのだー。
そんな感じでいい塩梅になったところで、『グランド デポ』オリジナルブランドのハウスワイン『シャトーデポ』に移行する私達。
こちらの『シャトーデポ』は国内の某有名ホテルとコラボして、気軽に美味しいワインを全てのお客様に……とのホスピタリティーから生まれた赤ワインです。
ちなみに白は『シャルドネデポ』、ロゼは『ルビーデポ』という名前で売ってるぞ。お値段は1.5リットルで699円です。
「ああ、これもなかなかいいかもー」とワインボトルを抱きしめて悶絶するエルウッドさん。
そりゃー、いつものビネガーになりかけている疲れたワインに比べれば、このハウスワインですら天と地ほどの違いがあるでしょ。もっとも、このワイン、1000円前後のワインと比べても全く引けを取らないのだ。もう、これでいいんじゃないですか、いちいち選ぶのめんどくさいし……ってくらいになんにでも使えるワインです。
そうして、休日の昼下がりの飲み会第二幕があがったのだ。
そうなると、やっぱつまみが大切だよね。
私はもう一つの保冷された発泡スチロールの中からカマンベールチーズを取り出す。
「ああー、これ、おれ、知ってる、昔、どっかの王級のパーティーで出されたことあるチーズだー」と指さしてエルウッドさん。
ほほーう、こちらの世界にもカマンベールチーズはあるんだ。なるほど。
「それから、ハイ、これ」とついでに買ったプロシュートの生ハムをテーブルの上に出す。
「お大臣様だ、これ、お大臣様の酒盛りだ」とテンション爆上がりのノエルさん。
まあ、大したことはないんですけどね。ほんと。
そして、カセットコンロの上にテフロンのフライパンを乗っけて、ソーセージやら野菜やら、揚げてないフライドポテト(これ、既に火が通っているからあっため直すだけで十分おいしいんですよ)やらを温め、仕上げにとろけるチーズをぶっかけた。
「おおおおおー、こんな贅沢、王様だってできやしめーよ!!」ととろけるチーズに心が躍りまくるベイルさん。
赤ワインととろけるチーズってとっても合うんですよねー。
そんな感じで、その日は一日乱痴気騒ぎが私の部屋で繰り広げられたのだ。
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