第16話 誘拐事件 その②
ディノは暁の背後に回り込む。暁は黒刀でディノの鎌を受け止める。
「やっぱりだ、速すぎる。今の俺でもマジで、見切れねえ。」
ディノの鎌は暁の腕にかする。
「へへっ。てめえなんて、俺1人で十分よ。」
激しい切りあいが続いた。
「……。」
暁は手傷を負わされており、息切れしきった状態だ。だが対するディノにはまだまだ余裕があった。
「へっ。次で終わりにしてやるぜ。」
暁の背後に回り込んだディノの鎌が暁の右腕に届きそうになったそのとき。
「ブシャ。」
暁の腸に鎌が突き刺さる音であった。
「お前の、能力。時を止める能力だろ。じゃなきゃ説明がつかねえ速さしてやがる。一度時を止めたら、数秒はインターバルがいる。そして時止め中は敵に直接攻撃できない。それさえわかれば十分だ。」
ディノの鎌を掴む暁。動きを封じられたディノの右腕は再び切り落とされる。
「ば、馬鹿な。クソッ。この雑魚が。」
「さて。お前に聞きたいことがある。お前と同じオルカの奴についてだ。ギュスターヴという男について知ってることはあるか?」
暁の黒刀がディノに向けられる。
「ギュスターヴ、か。あいつは、会議にも全然出席しねえからな。俺も見たことねえんだよ。会いたきゃ帝国の王都にでも行くんだな。」
ディノが言う。
「王都か。」
「ペラペラと喋りすぎだ。ディノ。」
ブルータスの腕から伸びる黒色の煙幕がディノの切断された右腕を覆う。
「生きてやがったか。だが、なんで。」
暁は黒刀を構える。
「ブルータス、お前。」
ディノが汗を流す。
「ディノ。お前のも貰うぞ。」
ブルータスの黒煙はディノのコアを引きちぎった。
「さて、第2ラウンドといこうか。」
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