第5話 例のもの

 「グッ、俺の右腕を……。」


 「動くなよ。お前ら2人共。少しでも動いたらそいつのコアを破壊する。」


 暁は切断された右腕に刀を向ける。


 「なめやがって、」


 「ディノ。落ち着け。お前の手の内は読まれてる。次は俺が行く。」


 ブルータスが猛スピードで暁に向かう。


 「もう1人とちがい、目視はできるが、それでも速すぎる。」


 暁がコアを破壊するよりも先に、ブルータスはディノの右腕を蹴り飛ばす。


 「何!?」


 ブルータスは暁の首を締め上げる。


 「終わりだな。」


 「チッ、油断しちまったが、おいクソガキ。てめえマジでただで死ねると思うなよ。」


 右腕をくっ付けたディノが怒鳴り込む。


 「ナイスファイト!! 作戦は成功だよ。」


 風月の黒刀がブルータスの顔を切り裂く。


 「グッ、貴様は。」


 ブルータスは暁を離し下がる。


 「あれが八雲風月。てめえもガキと一緒にズタズタの刑だぜ。」


 「!?」


 突然、ディノとブルータスの元に連絡が入る。


 「リーダーからか。何のようだ? 今は手があいてない。」


 「いや、至急来て貰う。例の物についてのことだ。今すぐ来い。」


 ナーガは通話を切る。


 「チッ、人使いの荒いことよ。まあいい。お前らは絶対にズタズタにしてやるからな。」


 ディノとブルータスはその場を後にした。


 「や、やりましたね。」


 暁はその場に倒れ込んだ。


 「おい、しっかりしろ! 暁。」

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