第6話マジで!?

「それじゃあ元気良く産むので〜す!」


 ―ポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコポコ!


 マジで産みやがった…。目の前に拡がっていくのはイクラみたいなオレンジ色の卵…。一つの大きさは3センチ位だろうか…。


「俺…一言もヤルと言ってないんだがっ!?」


「諦めろ!」


 ―と、言うのはリア…。他人事だと思って言いやがるな…。ナンナはナンナで50個近く産みやがったし…。


「にぃにがあれにかけないと人魚族が滅んじゃうワン!」


 クルルよ…。アレ全部にかけるなんて無理だろう!?


「ちょっと複雑だけど…やっぱり豊和君がヤるしかないと思う!」


 ルナ…。複雑なら止めてくれた方が俺は嬉しいんだけどな?


「さあさあ!早くかけておくれやすで〜す!」


「…皆の前でヤレと?」


「あ、当たり前だよ!私の目が届かない所でなんてさせないんだから!」

「ワン!」

「見られながらの方が興奮するだろう?」

「…見られて興奮するのはリアだけだからな?」


 ヤルしかない…か?なんだか読者の声神の声もヤるしかない!とか、かけてやれよ!とか、見捨てるのか!?とか、そういう声しか聞こえてこないし、そういう声しかないのは何故なんだっ!?


 くっ……クックックッ…フッハッハッハッ―


 良いだろう!望み通りに魔王宜しく!ぶっかけてやろうではないか!今日から俺は悪役になってやる!


「いいんだな、お前等…俺が本当にかけても?トロトロだぞっ?トロロご飯だぞ?構わないんだな?」


「…煽りすぎたか?」

「にぃに…タガが外れたワン?」

「と、豊和君がついに…出しちゃうの!?」


「だだし…」


「「「?」」」


「ルナ…」


「な、何!?」


「…て、手伝ってもらっても?」


 だってさぁ…一人でなんて嫌だろ?しかも見られながらだよ!?俺は土壇場で怖気付いてしまった…。だって縮んぢゃったんだもん!所詮魔王になんてなれなかったよ…。


「てててててててて、手伝う!?私が!?マジで!?良いの!?」


 しかしルナに頼んだはいいけど…少し食い気味なのが気になる…本当にいいのかな?言って後悔してきたような気が……。でも…なんだかんだでルナに惹かれてるし…ルナがいいというか…。


「ががが、頑張るから!任せてロリっ!」


 任せてロリはいらないんだぜ?


 ルナがゆっくり近付いて来る。ヤバッ…既にドキドキしてきたし…また息子が目を覚ましやがった!


 だってさぁ…歩く度にぷるんぷるんしてるんだぜっ?正直我慢の限界が近かったんだ…。


 ルナに視線を戻すとその瞳は潤んでいて頬は赤みががっており色っぽい…。気付いた時には口にしていた…。


「ルナ……好きだ」


 ルナの目は大きく見開き、次の瞬間には唇で唇を塞がれていたのだった…。

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