第3話人魚のナンナ

 海で遊んで夜にやる事といえばコレしかないだろう!キャンプファイヤーとバーベキュー…。コレしかあるまいよ!


「ねぇ…豊和君」


「どうかした、ルナ?」


「キャンプファイヤーって何?焚き火とは違うんだよね?」


「クックックッ…よくぞ聞いてくれた!焚き火は焚き火なんだけど仲間同士が集い、親睦を深めることが主な目的で、 暖を取るだけでなく、料理を楽しんだり音楽に合わせて歌ったりすることで、一体感が生まれるんだ!そして!なんとっ!それだけではなくこの焚き火の炎の揺らぎには、癒し効果もあるという夢の様な焚き火!人、それをキャンプファイヤーと呼ぶ!!!」


「…ただの焚き火だろ?」


 何を言ってるんだリアは…。ならば、我が心の師、ロ○・ストールの言葉を俺なりに付け加えたこの言葉を授けようではないかっ!篤と聞けぇぇぇーい!


「貴様に名乗るダークエルフを名乗る資格はないっ!」


「な、なんだ…と」


「よ、ようするに…」

「変なテンションになる焚き火ワン?」

「そう…みたいだね」


「ルナもクルルもそんな事言ってないでこのキャンプファイヤーを満喫しようぜっ!」


「…うん」

「…ワゥ~ン」


 キャンプファイヤーは盛り上がるもんだぜ!ヒャッハーーー!―ってな!まあ、それはちょっとさておいて…


「なあ…ルナ」


「んっ?どうしたの?」


「一つどうしても気になる事があってな…」


「もしかして…悩みか何か?私ならいつでも力になるよ!」


「まあ、悩みといえば悩みなんだけど…なんで…なんで…ルナはおっぴゃい丸出しにしてるんだ?」


 恥ずかしく噛んじまったよ!?


「…えっ?それは…豊和君なら見られてもいいし…て、テントを張ってくれるし…そろそろ関係を進めたいニャア〜…なんて…だいぶ、思ってるっと言うか…何と言うか…」


 ルナ…


「リア、そろそろ肉焼こうぜ!」


 悪いがスルーさせてもらおう…。


「ちょっ!?ちょっと!?そ、それはあんまりだよ!放置プレイなんて…」


「放置プレイ言うなし…」


 突然俺達の耳に歌声が聞こえてきた…



『ラ〜♪ラ〜ラ〜♪ララ♪ラ〜♪―』


「綺麗な歌声…」

「そうだな…」

「心地良い歌声ワン」


「海の方から聞こえてくる…」


 歌声は段々と近くなってくる。それと同時に…


「なんだか…」

「眠くなってきたな…」

「眠いワン」

「俺もなんだか…眠くなって…」


『ラ〜♪ラ〜ラ〜♪―――――――――』


「「「「…スゥ~スゥ~スゥ~」」」」


「やったぁー!強そうな人間ゲットだよ〜。ブイッ!私達、人魚の国に御招待ですぅ〜」



 意識がなくなる前に俺が最後に見たものは上半身は人間、下半身が魚の尾になっている女性だった。

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