第7話クルルの家で
クルルの家に着いた俺達はまず食事を頂く事になった。家の中は地面に藁を敷いただけ。ただ寝るためだけの様な感じだ。食事は干し肉や干し野菜を頂いた。食事を終えたクルルは疲れもあったのだろう。その場で丸まる様な感じで先に眠ってしまった。クウネルさんはクルルの頭を撫でながらしばらくすると色々な話を聞かせてくれた。
「まあ、ここに来るまでの間に話したようにここに住んどるのはもうわしとクルルだけ…。クルルの母はこの子を産んですぐに亡くなってしもうた…病気じゃった」
魔法がある世界でも病気は治せないのか?そこまで魔法は万能ではないか…。
「わしは一応この町の長をしておった。今じゃあ、それも意味ないがの…」
みんな出て行ったんじゃあ…そうなるよな。
「…ここからは真面目な相談なんじゃが…」
何だろうか?
「クルルを連れて行ってくれんかの?お主達ならクルルを任せても信用出来るしの…」
「まだ会って間もないですよ?」
「これでも見る目はあるつもりじゃ…。それに…クルルを弄んだ責任はとってもらわんと…」
弄んだって…ちょっとモフらせてもらっただけなんだけどそうなるのか?
「…クウネルさんは大丈夫なんですか?」
「わしか?わしなら心配せんでも大丈夫じゃよ…。お主達は旅しよるんじゃろ?クルルにも広い世界を見て貰いたいし…それに…」
「?」
「お主ならクルルに子を仕込んでくれるじゃろ?」
「そそそそ、それは私がしゃきに…」
「私も居るぞ?」
2人共そういう時に限ってこぞって話に入ってくるんじゃないよ…。全く…。
「一回仕込んで貰えたら最大6個の卵子にアレが入るのじゃ!じゃから出産時はポンポンポンと一気に産むよって…」
「「「ろ、6人!?」」」
6人と言えばアニメのあのキャラを思い出すな…。しぇ~!?ってな…。
「犬人族の子供は人間より遥かに小さいからのぅ…。じゃから、子を授かれば犬人族の再興にも繋がるしの」
「わ、私も毎年…う、産むからね豊和君?」
「はぁはぁ…私はヤるだけでも構わんが?」
2人共そんなところでふんす~と気合い入れるんじゃないよ…。対応に困るだろ?
「クルルだけじゃ不満ならわしも産んでもよいぞい?クルルの祖母みたいなもんじゃし、親娘丼ではないが、
クウネルさんの言う事は置いておくとして、そうだな…。
「…ルナ、リア」
「豊和君が決めた事なら私はいいけど…て、手を出すのは私からにしてね?」
「まあ、私も構わん」
「クウネルさん。俺がクルルの面倒を見ても良いですか?」
「そうか!ありがとうのぅ!これでわしも安心じゃわい…。クルルを頼むぞい?」
「それは約束します!」
「ほんに良い男じゃのぅ…。のぅ、クルル?」
ムクッとクルルが起き上がる。その頬は少し赤い。途中から目が覚めてたんだろう。
「クルル…分かっておるな?」
「ワン」
クルルはトコトコ俺の所にやって来ると舌を少し出し、恥ずかしそうにしながら俺の頬をペロペロと舐めた…。うぉっ!?犬っ子美少女になめられただとー!?そして次の瞬間にはクルルの首が光だし首輪装着された…。何でっ!?尚…ルナは開いた口が塞がらない状態にも関わらずこちらを見ているが全力でスルーしておくとしよう…。
「クウネルさん…これは?」
「犬人族の生涯を捧げた相手がいる事の証じゃな…契約みたいなもんかの…」
「それって…」
「にぃにとずっといるんだ…ワン!」
ゆら~っと、ルナが立ち上がった…。
「豊和…君。絶対に動かないで…ね?」
ルナよ…。そんな思い詰めた表情で何するつもりだ?瞬く間に俺の横に移動…。って、速すぎるわ!?次の瞬間にはクルルがペロペロした方とは反対側の頬をペロッと一舐め…。
ここはペロペロ天国か何かなのだろうか?
「…わ、私にとっても…特別だもん…」
それを見ていたクウネルさんはというと、
「…お主達…そ、それで付き合っておらんのか?」
「そ、そうなんですよ!わ、私は待ってるというか何というか…」
俺は押し黙っているしかなかった…。それとリアさん…舌で唇を舐め回して順番を待ってるみたいですが遠慮したいと思います。ルナよ、リアを止めてくれな?
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