第6話やらかしてた
「もう一度問う…クルルに何をした?」
「何をしたって言われても…モフらせてもらっただけなんだけど…」
「モフり過ぎるから…」
「ルナの言う通りだな…」
「モフとは何だ?」
「こういう風にさせてもらったんだ」
実演を兼ねて更にモフらせてもらう。
「わぅ~ん…あうっ…はっ…はぅっ…」
目の前の犬人族の女性の目が大きく見開き、その女性は空を見上げた後、何かを悟り静かに口を開いた…。
「…それは…駄目じゃろ…」
駄目?何がだ?モフるのがか?取り敢えず敵意は解いてくれたみたいだけど…。
「お主がクルルにした事は分かったから…まずそれを止めてあげてくれ…」
渋々モフるの止める…。
「─で、お主達何者なのじゃ?」
「旅をしていて、ここに村があると聞いたから立ち寄らせてもらったんだ…。クルルとは森の近くで会ったんだけど…」
「…ずっと…その、モフっておったのか?」
「えっ、そうだけど…」
「…そりゃあクルルがグッタリなりおるわけじゃわい…。本当は
「「「番!?」」」
番って夫婦って事か!?ヤバッ!?
「はて?じゃが…普通はそうはならないはずじゃが…」
「お、おばばしゃま…こ、この人、男ワン」
「………なんじゃとぉぉぉ!?本当に!?いや、しかし…クルルはこうなっとるし…」
「え~と…何かやっちゃいましたかね?」
ルナとリアがジト目でだから言ったのに…みたいな視線を向けてくるがここはスルーさせてもらおう…。
「犬人族にとって耳と尻尾は…異性に触られると…物凄い性的快感を得てしまうのじゃ…」
「マジで?」
じゃあ…あの甘い声は…クルルの喘ぎ…まさか……。
「マジじゃ…」
「だから豊和君言ったのにっ!!!」
「知らず知らずのうちにクルルを犯してしまったと…」
「リア、言い方!?言い方が悪い!?」
「事実だろ?だからな、私もなっ?チョチョいと…」
「リアはどさくさに紛れて何言ってんの!?」
「姉さんはそろそろ黙ってて!」
「ど、どうせならホレっ!わ、わしのも触ってみるか?」
「えっ…良いの?」
マジかっ!?!?!?
「豊和君!これ以上いらない事しないで!」
「私の方が先だからな豊和!」
「おばばしゃま…こにょ人は、駄目ワン」
くっ…駄目か…。年配の女性と言っても綺麗だし、それになによりあの耳。クルルは柴犬みたいな三角の耳なのだが彼女はトイプードルみたいな耳なのだ。俺のモフり魂がモフれと駆り立てるというのに…。
***
クルルがおばば様と言っていた女性はクウネルという名前らしい。そのクウネルさんの提案で俺達はクルルの家へと向かう事になった。
その道中に気付いた事がある。家はまばらにあるんだけど人…犬人族の姿がない。それはルナもリアも思ったみたいで…
「あの~クウネルさん?以前来た時に比べて、その~、他の犬人族の姿が見えないみたいですけど…」
「狩りか?」
「…最早…この町にはわしとクルルしか住んでおらんよ…。みな、男を求めて町を出ていきおったわい…」
「「「男性を?」」」
「…そうじゃ…。男性が居ないと子供は出来ん。だから…このままじゃあ犬人族という種族自体滅んで居なくなってしまうと言ってのぅ…」
「…みんな…出て行っちゃった…」
なるほど…。ルナが以前男性が少ないと言ってたけど、それは種族の繁栄にも関わっているんだな…。なにしろ女性だけじゃ子供は出来ないしな…。
「…みんなもう少し待っておれば…こうして男性が来たというに…」
「と、豊和君は駄目ですからね?」
「まだ私達姉妹にも手を出してないのに…」
「なんと!?わしなら監禁して搾り尽くすぞい?」
余計な事言わないでくれるかな、クウネルさん…。ほらっ…ルナの目とリアの目の色があからさまに変わったじゃん…。
「クルルはああいう風になったらいけないよ?」
「ワン…クルル…にぃにの言う通り、良い子にしゅるワン」
「にぃに…だと!?」
「よ、呼び方駄目だった…ワン?」
「いや…最高だ…にぃに…何という甘美な響き…」
美少女犬っ娘のにぃに呼びがなんと破壊力の高い事よ…。某アニメキャラが攻撃を避けた時に叫ぶ「なんとぉーーー」を思い出した程だ…。この台詞分かる人には分かるだろ。
「クルルやりおるな…流石じゃわい…」
「豊和君の…馬鹿っ…」
「監禁…何という興奮する行為なんだ…はぁはぁ」
「3人共…クルルは子供だろ?」
こんなに小さいんだし、可愛いしな。
「もうクルルは成人しとるぞい…。犬人族の成人は早いからの…。人間の歳で言えば12歳じゃがの…。だからもう子供も持てるぞい?」
「「「…はっ?」」」
ルナ達も知らなかったのか!?
「それに耳や尻尾を触ったのじゃからもう番じゃぞい?」
「うん…クルル…にぃにの嫁ワン」
「だから私言ったのにぃぃぃ!?」
「落ち着け!ルナ」
「私も嫁にはぁはぁ…」
「リアは落ち着かないと魔法で気絶させるからね?」
「私だけ扱いが雑になってないか?」
「リアはそんな立ち位置だろ?とにかくみんな落ち着け!」
「豊和君のせいだからね?大体豊和君は─
───────────────────」
クルルの家に着く迄の間、ルナの小言は続くのだった…。
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