犬人族の美少女
第1話レベルを上げて…
「そういえば…」
「どうしたんだルナ?」
「今更なんだけど豊和君はレベルを上げてどうするの?女神様によってこの世界に来たのは聞いたんだけど…」
「えっ…レベルがあるならレベル上げるのは普通だよね?」
「…えっ?」
どうやら違うらしい…。ゲームでもそうだけどレベル上げに夢中になったりするのは男だけか?違うよな?そこにレベルがあるなら上げるよな?レベル上げにひよってる奴居る?居ねぇよなぁー!
「…え~と…豊和君何してるの?」
「ああ…某アニメのキャラの真似してただけだから気にしないでくれ…」
「アニメ?キャラ?」
「いいんだ…。気にしないでくれ…」
「そ、そう?」
「まあ、後はそうだなあ~…この世界には魔王が居るんだよね?」
「「魔王!?」」
「いつの間にそこに居たんです…リアさん?」
「愚問だな…ずっと居たぞ?」
「「えっ?」」
全く気付かなかった…。
「最近覚えたてのスキルだ…」
「一体何のスキルを覚えたの?」
「聞いて驚けルナ!何と完全気配遮断というスキルだ…」
「「はっ?」」
思わずルナと声がハモってしまう。多分同じ事を思ったのだろう…。リアさんはドヤ顔で俺達に向かって誇っているが…
「それって…」
「お姉ちゃんが覚えたら一番いけないスキルなんじゃあ…」
「何を言う!昨日もこれのお陰で豊和が風呂に入っている時に忍び込み豊和の豊和を間近で拝んだというのに…」
「へっ?」
「はぁっ!?お、お姉ちゃん…何を…」
「最高だったぞ…。間近で拝む亀さんは…思わず食べたくなる位に…じゅるるる~」
「お姉ちゃん…」
「うおっ…!?ルナ!?いつの間に私の背後にっ!?」
ガシッ!
「私の腰を掴んで何をする気なんだ?離せ!離すんだルナ!」
「一回地獄の底迄逝って来て…お姉ちゃん」
「ぬぉぉぉぉぉぉー!?」
ルナはリアさんの背後から腰に手を回し、持ち上げると…出たぁぁぁー!必殺のぉぉ!
「ジャーマン・スープレックス…」
ズドムッ!バキッバキッ…
それはそれは綺麗な見た事もないジャーマン・スープレックスだった…。ルナはその後、何事も無かったかの様に席に戻り、その後方ではリアさんが床にトーテムポールの様に突き刺さっている…。ピクピクしているが大丈夫か?
「…魔王ってあの魔王サンディーの事!?」
「あ…ああ…多分…」
「ま、魔王サンディーが何かしたの?」
「んっ?…この世界に君臨してるとか…この世界を征服してるとか…そういうのが魔王なんじゃないの?」
「えっ?」
お互いに顔を見合せ…
「「えっ?」」
どうやら…思ってたのと違う?俺は思った事を聞いてみる事に…。
「魔王って…何してるの?」
「豊和君の言う魔王が何なのか、誰なのか分からないし、知らないけど…魔王サンディーさんは王城の方で毎朝清掃活動したり、男性の為に法案を考えたり、奉仕活動したりしているよ?」
「…マジ?」
「う、うん…ま、マジ…」
最早…それは魔王じゃなくね?ただのイイ人じゃん!?レベル上げしたら魔王倒そうと思ったりもしたけども、そんな人倒したら俺、罪悪感に押し潰される自信があるわ!?
「…取り敢えず…今日も手を握らせて貰っても良い?」
「…う、うん(ポッ…)」
最近の俺の日課はルナの手を握らせて貰う事…。握り方や繋ぎ方を変えると少しだけレベルが上がった為だ…。それにしても手を握るだけでこんなにもドキドキするのは刺激が強すぎるせいだな…。
「…そろそろ助けてくれても良いからな、2人共…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます