第9話何でレベルが上がってるんだ?

「うぅっ~…は、恥ずかしくて豊和君の顔…まともに見れないよ…。じぇ、じぇんぶ見りゃれたし…」


「お前にもエロフの血が流れているんだな、ルナ?」


「お姉ちゃん…私…とうの昔に我慢の限界越えてるんだからね?」


「…ぁ!?す、すまん…もう言わないから!」


「ル、ルナ…アレだ…。そのな…アレは俺のせいだし…とにかくこれを見てくれ…。ルナにだけ恥ずかし思いはさせないから!『ステータスオープン』!」


ブ…ブンッ!


 タブレットが現れて表示されてるのは俺のステータス。



********************


金崎豊和かねさきとよかず


[age] 17


[職業]


・色事師


[Lv]  2


[HP]  30

[MP] 21


[スキル] 


・鑑定Lv1 対象の性感帯を確認出来る

   

・調合Lv1 性欲剤を調合する事が出来る


・フェロモン 男性フェロモンを体中から

       放出。女性をメロメロにする


[魔法] 


・ルブリカント 消費MP0


思い描く場所に好きなだけローションを出す事が出来る


********************



「こ、これは…」

「…色事師が何か分からんが…これは酷いな…。私からしたらドンと来いだが…」

「き、気にする事ないよ豊和君!豊和君はわ、私が守ってあげる…んだから」

「…ここぞとばかりに推しているな…」

「お姉ちゃん?」

「…ひっ…すまない!また口が勝手に…」


 ドン引きされる位酷かったよな…?で、でも今は…


「…レベルが上がってる?」


 何故レベルが上がった?ルナが倒したモンスターの経験値が俺にも入った?それしかないよな?


「ルナとリアさんは強いんだよな?」


「え~と…少しは…」

「私は強いぞ?」


「だったらお願いがあるんだ。リアと出会った森に今から俺を連れて行って欲しいんだ」


「「今から!?」」


「役に立たないけどレベルが上がって一つスキルを覚えているんだ…。もしかしたら…レベルが上がればもっといいスキルを覚えられるかも知れない…」


「き、危険だよ?」


「ルナの言う通りだ…。ここは布団の中で私達姉妹をまとめて頂くなりした方が良いと思うのだが?」


「(ぱくぱくぱく)…お、お姉ちゃんにゃにを言ってるのっ!?」


「驚いて声が出なかったかルナよ?私も考えたのだ…。ルナと一緒に食べられたら本望だと…」


「そ…そんな事が…ゆ、許される…の?」


「許すも何も手を出して貰えばいいだけだろう?」


「…2人共…俺の話聞いてた?とにかく俺は1人でもあの森に行ってみる」





******


 1人でも行くと言った俺の我が儘に結局付き合ってくれた2人。ああは言ったけど1人じゃあ無理だっただろうから2人には本当に感謝している。森の入り口に着いた時にはもうすぐ夜は明けるとはいえ辺りは真っ暗だ。


「日が登ってから森には入るとしよう」

「うん…お姉ちゃんの言う通りだね」

「うん、分かった」


「そういえば豊和の魔法のローなんとかはどんな魔法なんだ?」


「まだ使った事ないので分からないですね」


「…自分の能力は知っておくのは常識だぞ?」


「確かにそうだね…。でも、私も魔法の適性あったなんて知らなかった訳だし…その辺は私はあまり言えないんだけどね。今度魔法書買いに行かないと…」


「へ~、魔法は魔法書を読んで覚えるのか?」


「うん…そうだよ。適性がないと覚えられないけどね。それに適性があるかなんてそれこそ魔法書を一つ一つ手に取る位でしか分からなかっただろうし、わざわざしないから、豊和君にアレを…見せて貰わなかったら覚える事もなかったと思うよ?恥ずかしかったけど…」


 まあ、少しは役に立てて良かったよ。心境は複雑だろうけど…。俺もそうだしな。そんな事を考えていたらリアさんから提案が。


「どれ…じゃあ私に使ってみろ!」


「ええっー!?」


「大丈夫だよ?お姉ちゃん戦闘に関してと変態にかけては最強だと思うから…」


「妹が辛辣過ぎる…。しくしく…。くっ…とにかく魔法を撃って来い!」


 言われるがまま使ってみる事に…。危険は無いよな?魔法はイメージだと漫画では言っていた。リアさんを包み込む様にイメージしてみて……からの!


「『ローション』!」


バシュッッッー!


 ソレは一瞬でリアさんを包み込んだ。巨大な透明の球体の中にリアさんが閉じ込められたと言えば分かるだろうか?リアさんがもがいているのが見てとれる。



 あれっ…これは…ヤバくね?息出来ないよね?動きが鈍くなり…って、やっぱり息が出来てないんだな!?


「あれっ!?お姉ちゃん!?」


 ローションを消すイメージを慌てて思い浮かべると、ローションは消え、ベシャッ─っと音と共にリアさんは地面へと倒れ込んだ。


「じ…じぬがどおもづだ…はぁはぁ…」


 ローションまみれでリアさんがそう言った。もしかしてこの魔法…最強なんじゃないか?呼吸する生物相手には…?


「と、豊和君凄いよ…」

「た、確かに…まさか…私が死にかけるとは…消せないし…もがいてももがいても抜け出せないし…」




******


 俺も戦える事が分かったので、日が登ってから森に入り、3人で行動しながらモンスターを次々に倒して行く。最初はモンスターでも窒息死させるのには抵抗があり過ぎたんだけどモンスターを倒さないと俺が死ぬと思いながら倒し続けた…。



 なのに…なのに…レベルが全然上がらないのは何故なんだー!?おかしいだろう!?どういう事!?諦めきれず、野宿しながら結局2日間、森でモンスターを倒したんだがレベルは全く上がらなかった…。



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