第4話眼福でした
気まずい中、お風呂を済ませた俺達は─というと…
「「大変申し訳ありませんでしたー!!」」
同時に土下座&謝罪をしているのだった。あれっ?それにしてもなんでルナ迄謝ってるんだろう?
「…何でルナが謝ってるの?悪いのは俺だよね?だからどうか警察やら役人には突き出さないでもらえると助かります」
「け、警察って何か分からないけど…謝るのは私の方なんだよ?私の方こそどうか…どうか役人に突き出すのは許して下しゃい…」
「ん…何で?」
「な、何でって…だ、 男性の裸だよ!?あうあう…しししし、しかも…にぎっ、握っちゃったし…で、でもあれはね…今、流行りの着けると男性になれるアクセサリーだと、思ってたし…」
しどろもどろになりながらもルナはそう言ってくれるけど…何だか話が噛み合っていないよな?
「ルナ…一度落ち着いて話合おうか?」
「おおおおお落ち着いてるよ私は?」
「…ルナ…実は俺はこの世界の人間じゃあないんだ…」
(ルナになら…話してもいいよな?)
「ふぇっ!?はっ?ふぁっ!?と、唐突過ぎるぅぅぅー!?逆に…逆に落ち着けないから!?落ち着けなかいからね、それっ!?私の心臓破裂寸前だお!?
─ルナが落ち着いたのはそれから二時間後の事だった…。
「じゃあ改めて…こことは違う世界からクソ女神によってこの世界に来た豊和です」
「え~とえ~と…私はルナ…です?」
「何で疑問系なのよ?」
「…それは豊和君のせいだと思うけど…。そんなにすぐに落ち着けるものじゃあ普通はないんだからね?」
「…そこからまず分からないんだけど?」
「と、豊和君は男…なんだよね?」
「うん」
「この世界は男性が少ないんだよ?」
「ん?男性が少ない?」
「うん。そう言ったよ。今…考えるとゴブルンが異様に発情していたのは…豊和君をゴブルンの本能が男性だという事を認識してたんだと思う」
「…つまり…食用的に食べるんじゃなくて肉体的に食べられるところだったと?」
「そ、そうだね…」
怖ぇぇよ!怖いわ異世界!!いくら童貞の俺でもモンスターと初体験は嫌だァァー!
「と、とにかくね…男性は貴重な存在だし、男性の機嫌を損ねたりしたら捕まるのは女性の方なの…。だから私が謝るのが正しいんだよ?」
「いやいや…そんな事は…」
「そんな事があるのがこの世界だよ?」
でもなぁ~、こっちはあんな綺麗なモノを見せて貰ったんだから謝るのは俺の方だし…。
「…ふぇっ!?」
「んっ…どうかしたのルナ?」
ルナの顔が林檎よりも真っ赤に染まっている…。何かマズい事言ったかな…?
「きき、綺麗って…私がっ!?」
そりゃあ女神の何倍も…とても眼福でした!んっ?あれっ…?綺麗って口にしたっけ?まあ、いいか!事実だし!何回でも即答出来る!あの女神マジ許すまじ!
「だ、男性に綺麗って…言われる日が来りゅにゃんて…」
真っ赤に染まった頬に手を添えて照れるエルフの美少女の姿がなんとも破壊力があることよ…。なんというか…いつまでも見ていられるな…。なんか、年下に見えるし。
「あっ…本当は聞いたらまずいんだろうけど…」
「な、何っ?何でも聞いて!も、もしかしてスリーサイズ!?」
「…いや…それも興味あるけど…ルナって何歳なの?エルフって長寿だよね?」
「…その情報間違ってるよ?」
「そうなのっ!?」
エルフって長寿だとばかり思ってたけど違うんだな…。それにしてもスリーサイズ聞かなかったからジト目なのか!?寧ろそれ聞いていいの!?取り敢えずエルフのジト目ありがとうございます!
「…え~とね。エルフの寿命も普通の人と同じ位で、私は十六歳だよ。ちなみにだけどお姉ちゃんは十八歳。豊和君は?」
「俺は十七歳だよ」
「一つ上かぁ~。でも…なんかいいかも!あっ、そういえば…私も気になってる事があって……」
「何?」
「め、女神メルティーナ様の事を何か言ってなかった?」
「あのクソ女神、メルティーナって名前なの?」
「え~と…どの女神様か分からないけど…この世界では女神メルティーナ様を信仰している人多いし、メルティーナ様の事だったら罰当たっちゃうよ?」
「アイツがそのメルティーナっていう女神だったら別にいいんだよ。アイツのせいでこの世界に来たんだし、チョコレートみたいな名前しやがって…。メル○ィーキッスか?─って~の」
「キキキキキ、キス!?あばばばっ…でででででで、でも……豊和君が望むんなら……と、特別だよ?」
ルナはぷるぷるしながら目を瞑り…
「違う!ルナ違うから!それガ○キーのセリフだし!?誤解だから!」
ガチャッ…
─その時玄関の扉が開いたんだ…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます