第3話おおぉおお、男の人ぉぉ!?
森を出て町に着いたのは夜の事。深い森だとは思っていたけどあんなに深い森だったとは…。俺1人だったら間違いなく迷って死んじゃってるね…。
それに道中ゴブルン野郎も何匹も出て来やがった。ルナがゴブルンの気配を感じとり遠くから弓で射貫いてくれたから良かったもののゴブルンがあんなに居たら食われてた事だと思う…。しかも何でか発情していたらしい。発情期かもとルナは言っていた。
まあ、そんなこんなで辿り着いた町はというと、町というよりかは村という感じだった。ポツポツ家等があるのが見てとれる。街中を歩きながら「町っていうより村みたいだね?」と、ルナに言うと「村って何?」と、返された…。これが異世界の壁なのかも知れない(多分違う)。冗談はさておき、早い話をすれば村と言う言葉はなくて全部町と言うみたいだった。そしてここはヴェールの町との事。
そんな会話をしながら歩いていると少し立派な家の前に辿り着いた。どうやらここがルナのお家かな?
「ここが私達の家だよ?」
「私達?」
「うん…お姉ちゃんと一緒に住んでるの」
「迷惑じゃない?」
「大丈夫大丈夫!お姉ちゃん基本無口だし、優しいから!まあ、お姉ちゃんはダークエルフの血が強いから見た目…なんて言うのかな?褐色系エルフ?無口なエルフギャル?とにかくそんな感じ!さあ、豊和ちゃん入って入って?」
女性が2人で住んでるところに男がお邪魔するのはどうかと思ったんだけど、ゴブルンの涎で汚れた服を着替えたいし、何よりお金がないから仕方ないと思いお世話になる事にした。お金を稼いだら返す事にしよう。それにしてもエルフギャルって何だろうな?ギャルという言葉はあるのかと思いながら家の中へ。後、豊和ちゃんって何だ?やっぱりエルフだから見た目は同じ位でも年上なのかな?女性に年齢聞くものじゃないと言うし聞けないよな。
家の中は玄関入ってすぐリビングが広がっていて綺麗に片付いている。ルナかルナのお姉さんが綺麗好きなのかもしれない。
「ここがお風呂場だから先に入ってて?私は着替えを用意してから来るから」
「うん…ありがとう」
服を脱いでお風呂場へ。お風呂場の浴槽には小型の何かが取り付けられている。
これがルナの言っていた魔宝具か?これのお陰でお風呂はいつでも入れるらしいんだ。水は温度調整された物が使った分、自動的に出てくるらしいし、こういうのはすげぇな異世界と思った。シャンプーや石鹸迄あるし自分で作らなくていい世界なのは良かった。まあ、その前に作れないんだけれども…。
頭を洗っていると、
「大丈夫?」
ルナの声。着替えを持って来てくれたんだろう。こういう時漫画とかなら私も入るね?と、入って来てくれる展開があるんだろうけど…。そういう事起きる訳ないか…。
「うん。大丈夫!今、頭洗ってるぅ」
「良かった。先に入ってて貰ったから使い方とか分かるかなぁと思ってたんだ」
「ありがとう」
ガラッ…
─んっ?ガラッ?
「じゃあ、私も入るね」
「えっ…?」
困惑する間もなくルナは頭を洗ってる俺の後ろにやって来て、
「ここも汚れてるよ?洗ってあげるね?」
「あ…はい」
これはアレか?異世界特典か?─そんな訳ないか…。ルナは面倒見がいいみたいだし、俺の様子が気になり服を着たまま来てくれたんだろう…。
頭を洗い終え、ルナにお礼を伝える。
「ありがとうル………ナ」
「どうしたの固まって?」
「がはっ…」
目にしたのは生まれたままのルナの姿。思わず見惚れる位綺麗だった…。それこそ、あのクソ女神の何倍も綺麗だと思う。
「変な豊和ちゃん…それより…それ…外した方が良いと…思う…よ?」
ルナが顔を真っ赤にして照れながら言ってるのはどうも俺の俺の事みたいだ。
「さ、最近…それ…着けるの流行りみたいだけど…」
これを着ける?着けるのが流行り?
「…もう…とってあげるから」
ニギッ…ぎゅう…
「はうっ!?」
─ぐっ…ぐっ…
「あれ?取れない!?それに何だか…大きく…」
「取れない…取れないからっ!?それ男の急所だから…」
「……えっ…?」
「ちょっ!?ルナ!?手ぇっ…手を離して!?」
「ほほほほほほ、本物!?あわわわわわ…」
そしてお風呂場にルナの絶叫が響いたのだった…。
「おおおおぉおおおお、男の人ぉぉお!?豊和ちゃんって男だったにょおぉぉぉー!?」
ルナにはどうやら俺が女に見えてたのかな?今の顔は中性的なのだろうか?鏡ないし確かめていないから分からない。それとね…ルナ?そろそろ握っているモノを解放してくれるかい?流石に握られっぱなしはちょっと…。
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