第20話 憤怒
爆破犯から再び動画が届いた事で東京連続爆破犯対策本部はひしめき合った。
「えー今回はかなり重要な内容なのでしっかり目に焼き付けるように」
冴島もノートパソコンを置き神妙な面持ちでいる。蛙谷の姿は見えなかった。
「えーラビットボマー1号でーす」
「2号だよー!」
「いやー今回警察にはがっかりしたよ…あんな半グレ集団ごときの手を借りて事を済ませようなんて…舐められたもんだ。あ、銃保管室のカメラはよく見ておいた方が良いよ」
右下にハッキングした銃保管室の映像が映し出されている。暗くてはっきりとは見えないが、部屋に入り込み、銃を盗んでいる様子が映し出されている。
刑事側からどよめきが起こる。
「誰だ」
「犯罪だぞこれは」
「あー警察の皆さんお静かに!とにかく1号は今回の件で憤っております!」
「プンプンだよ!」
「だから今回は日本でとても重要な地点を爆破しようと思いまーす」
「ボン!」
「新NISAを非課税と言っておきながら課税しようとしているゴミみたいなやつ」
「新…なに?」
「察しは付いてると思うんで10月1日夜8時に必ず決行しまーす。警察もまた恥かかないようにね。今回は味方が多いよ。それじゃあ」
「じゃーねー」
映像はそこで途切れた。
「えー今回の標的は国会議事堂か首相官邸と思われますが、議事堂は1度破壊しているので、首相官邸かと思われますがいかがでしょうか」
「間違いない!」
「そうだ!」
「えー今回自衛隊の出動も考えましたが、まだ空港のがれきの中にいるので、警察のみで計画を立てていこうと思います。ご了承のほどを。解散!」
「今回も冴島さんが指揮官と思われますが!」
「今度はどんな爆弾を使ってくるか分からないから、とにかく慎重に配備するわよ」
――――
ウサギの被り物を取ったBが嬉しそうに言った。
「今回はどんな計画なの?」
同じく被り物をおっくうに剥がしたAは、
「そうだなぁ。今回は大胆に行こうと思う。逆に大胆な方がうまくいく例もある」
「楽しみ〜内容は?」
「まだ秘密だ」
「ケチ〜〜」
Bは跳ねながら冷蔵庫に行き、瓶のバニラコークを1本取り出した。
――――
派手な紫色のヴェールに囲まれた部屋に、PCがあり、モニターが8台くらい連なっていた。椅子に座っている女性は胸元の空いたゆったりとした服を身にまとっている。女性はPCを見ながら笑顔を浮かべた。
「待ってなさい、爆破犯さん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます