サイバー日本探訪記

見名

第1話プロローグ

 この都市には、奇怪な特徴がある。

一つ、ここはアメリカ、されど皆がすぐに思いつくような、ロサンゼルスやサンフランシスコの光景とは、少し変わったものとなっているだろう。

ひとたび都市には近づけば、ネオンライトのような、有機光媒体が溢れ、煌びやかな都市を私たちにアピールしてくれるだろう。

その中で、読者が何よりも奇怪に感じることは、光っている言語自体だろう。

その光る文字を、我々は母国語とし、話し、読み、私なぞ、今まさに書いているのだから。

この特徴が、次の特徴につながる。

一つ、先ほど、私はここをアメリカと表現した。

私たちにとってはそれが一番正しい表現だろうと思ったからだ。

正確に言うならば、

ここは北アメリカ大陸、大日本帝国が支配した、米都のうちが一つ、新洋都である。

そう、ここは、日本という当時駆け出しだった無名の国が、現在とは違う形で世界に名を轟かせた世界だ。

 私は、この土地を知っているはずだった。

しかし、それはどうやら間違いで私はただの迷い子だったらしい。

これは、私が、この世界から抜け出すまでの、出会いと別れの物語である。

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サイバー日本探訪記 見名 @Douna_Gen

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