第9話 訓練

「ねぇ星海ほしみさん。ここ分かる?」


 私がタブレットの分からない箇所を指さすと、お母さんはそのこげ茶の目をキラキラさせて私のベッドまでやってきた。


「あぁ。エナンチオマーというのはですね……」


 お母さんは得意げに胸を張って分からない場所を説明してくれた。流石優れたアーティファクト職人だっただけはある。分かりやすい説明だった。


「なるほど。ありがとう。星海さん」

「えへへ」

 

 私に頭を撫でられると、お母さんは目を閉じて気持ちよさそうにしている。お母さんの頭を撫でるってなんか変な感じだけど、お母さんは撫でられるのが好きみたいだ。医務室で一緒に勉強して仲良くなってからは、良くせがんでくる。


「それにしても最初こそ私が教える側だったけど、最近は教えられてばかりだね」


 ここにやって来てから一週間ほどたった。お姉ちゃんの場所は分かってないけど、まだ猶予は十分にある。傷はもうほとんど癒えているから、おばあちゃんは今日から訓練を始めてくれるらしい。


「知らないはずなんですけど、分かるんですよね。一つ知識を入れたら、十個くらい連鎖的に思い浮かんでくるというか。……もしかして私って、かなり凄いアーティファクト職人でした?」


 お母さんは装甲車を苦も無く呼び出していた。普通あれだけの複雑なものを呼び起こすにはよほどの理解か、あるいはお姉ちゃんが言っていた「世界への影響力」が必要になるはずだ。


「凄かったよ。星海さんが技術を教えてくれたおかげで命を救われた場面もあったくらいだし」


 電車でテロリストに襲われたとき、とっさにタングステンの壁を呼び出せたのは、常日頃からのお母さんの努力のおかげだ。


「ふふ。そうですか。もっと褒めてくれてもいいんですよ?」

「ありがとう。星海さん」

 

 私がまた頭を撫でると、お母さんは私の体に寄りかかってきた。まるで可愛い妹ができたみたいだ。お姉ちゃんもこんな感覚だったのかな? 確かにこんな風に甘えられては、強くありたいと願ってしまうのも分かる。


 その時、医務室の扉が開いておばあちゃんがやってきた。


「二人とも今日から本格的に訓練を始める。だがその前に、いつまでも医務室暮らしというものあれだ。部屋を与える」

「はい! 師匠!」


 私が「師匠」と呼ぶと、おばあちゃんはどこか不満げになった。


「……今はまだおばあちゃんでいい」

「分かった。おばあちゃん!」


 お母さんは私たちのやり取りをみて微笑んでいた。おばあちゃんもそれにつられたのか、笑っている。


「ふふ。二人とも、ついてきなさい」


 その声に私たちはおばあちゃんの後をついていく。エレベーターホールにたどり着くと、待ち構えていたかのように扉が開いた。私たちは三人でエレベーターに乗る。しばらく上昇するとやがて扉が開いて、高級感のある古いホテルのような空間に出る。


 茶色いカーペットの敷かれた通路が伸びていて、その両脇に等間隔で扉が並んでいた。


「ここは昔、私と志を共にする者たちが使っていた場所だ。内装はかつての面々がそれぞれ自分好みに作り替えている」


 おばあちゃんは通路を進みながら、そんなことをつげる。


「だがまだ手付かずの部屋もある。そこを使うと良い。まぁ一部屋しかないが、二人なら問題ないだろう」


 おばあちゃんがそう告げると、お母さんがちらりと私に目を向けてきた。目が合うと慌てて視線をそらしている。


「どうしたの? 星海さん」

「な、……なんでもないです」


 なんだか顔が赤い。一緒の部屋で寝泊まりするのは恥ずかしいのだろうか? やっぱり記憶がなくなってるから、私とは距離を感じているのかもしれない。


「大丈夫だって。私たち友達でしょ?」


 記憶を失って性格がありのままになった。その状態で一週間も経ったのだ。なんだか母子というよりは、友達、あるいは姉妹な関係みたいに思えてきている。もちろん私がお姉ちゃんだ。


 私は笑顔でお母さんと手を繋いだ。お母さんはますます顔を真っ赤にした。やっぱりお母さんは照れ屋さんみたいだ。顔が整っているだけあって頬を赤らめると破壊力がすごい。


 おばあちゃんはそんな私たちをちらりとみて、面白そうなものをみるみたいに微笑んでいた。


「まったく私の孫は……。時代が時代なら稀代の悪女になったかもしれないな」

「……どういう意味? おばあちゃん」

「ふ。気になるのなら星海に聞けばいい」


 なんて笑いながらすたすたと歩いていく。


 私はお母さんの顔を覗き込んで、問いかけた。


「どういう意味?」

「……し、知りませんよそんなの。私に聞かないでくださいっ。というかおかあさんも変なこと言わないでくださいよっ」


 耳まで真っ赤になってしまった。なんだかこの表情には既視感があるような気がする。しばらく考え込んで思い出す。私にキスされた時のお姉ちゃんの顔に雰囲気がとても似ているのだ。親子なだけはある。


 なんてぼうっと考えていたら。


「そ、そんなに見つめないでくださいよっ」


 目を潤ませてぷいとよそを向いてしまった。


「……」


 そんな恥じらう姿をみていると、思わず奇妙なことを考えてしまう。


 あり得ないとは思うけど。……そんなわけないとは思うけど。


 もしかしてお母さんって、私に恋してるの? お母さんなわけだしないとは思うけど……。いやでも今のお母さんって、記憶もないし、私のお母さんだって自覚も薄いんだよね?


 相変わらずお母さんは私と目が合うと、顔を真っ赤にしている。


 別にお母さんのことは嫌いじゃないし、むしろ好きだけど、……でも私が好きなのはお姉ちゃんだけだ。もしも本当にお母さんが私を好きだというのなら、ハッキリと断らないといけない。……だけどまだあくまで可能性の話だ。


 私からわざわざ振るわけにもいかない。もしも違ってたら自意識過剰で恥ずかしいし、……それになんだか怖い。ようやく仲良くなれたのに、またぎくしゃくしてしまうのは嫌だ。

 

「さて。ここだ。二人で自由に使うと良い」


 やがておばあちゃんは立ち止まって、扉を開く。その向こう側には一つの大きなベッドがあった。お母さんはそれを恥ずかしそうに見つめていた。……やっぱり私のことが好きなのかな? なんて思いながらお母さんをみつめていると、視線に気付いたらしい。慌てて目を窓に向けていた。そこにあったのは明らかに私の住んでいた街ではなかった。


 イデアに侵食されていないし、空も青い。遠くには真っ青な海までみえる。太陽を反射して輝くビル群の中央の通りには、今はもうないはずの美しい桜だって咲き誇っている。


「この景色はかつての再現だ。私の同僚が提案したんだよ。これからの世界の変容を予測して「せめて私たちだけはこの風景を記憶しておこう」とな。ちなみに時間によって景色は変わる。ビルの明かり、雲の流れ、人々の往来まで再現している」

「……綺麗」


 お母さんは風景に見惚れていた。私も目を離せなかった。おばあちゃんがこの時代を取り戻したいと願ったのも分かる。


「さて。部屋も案内したことだし二人とも、訓練を始める。覚悟はできているか?」

「はい! 師匠!」

「し、師匠!」


 色々と不安なことはある。でも私は背筋を正して、おばあちゃんをみつめた。今は強くなることだけを考えるべきだ。それ以外の悩みなんて、いらない。お姉ちゃんのことだけ、考えていればいい。


〇 〇 〇 〇


 私たち三人は要塞内のとても広い空間に来ていた。天井は高いし、床も広い。ちょっとした街くらい広大な図書館よりは流石に狭いけれど、それでも端から端まで走れば、途中で息を切らしてしまうだろう。


 四方は白い壁に囲われている。照明は見当たらないけれど不思議と明るい。おばあちゃんは相変わらず白いワンピースだし小さいし色素も薄いから、目をそらせばほんの一瞬だけど見失ってしまいそうになる。


「まずは基本的なことから教える」

「はい! 師匠!」

「は、はいっ! 師匠!」


 お母さんも必死で声を張り上げていた。


「アーティファクトを生み出す能力を強化する方法についてだ。いくらかある。今回はその中でもっとも効率的な方法を教えよう」


 おばあちゃんはアーティファクトの権威だ。実力も底知れない。そんな人が教えてくれる方法なのだ。期待せずにはいられない。私もお母さんもキラキラしたまなざしをおばあちゃんに向ける。


「ふふ。どうやらやる気十分のようだな。それではさっそく、これから君たちには気絶するまでアーティファクトの生成を行ってもらう」

「えっ?」


 そのあまりにパワフルな発言に、私たちは固まった。


「……一見原始的に思えるが、これが一番効率的だ」

「えっと。どういう原理でですか?」


 お母さんが首をかしげて問いかける。


「そうだな。……そもそもアーティファクトの生成はそれほど特別なことではない。歩いたり走ったり言葉を交わしたり。そういう基本的な行動も世界に影響を与えているだろう? それと同じことなんだ」

「……なるほど。アーティファクトを生み出すことに慣れろってことなんですね。最初は車を運転するのは難しいし集中力を要するけれど、慣れていけば大して疲れず運転できるようになる、みたいな」

「その通りだ。流石だな。星海ほしみ

 

 おばあちゃんはよしよしとお母さんを撫でていた。


「えへへ」


 お母さんもとては嬉しそうに笑っている。


「そもそもアーティファクトはイデアに対抗して、私が生み出したものなんだ」

「えっ。そうなんですか?」

「……厳密には私だけではなく、かつての仲間たちの努力の結晶だがな」


 おばあちゃんはとても誇らしそうだ。


「世界を人の自由に作り替えるのではなく、かつての法則に従ったまま、より便利にする。科学者として、それだけは譲れなかったんだ」

「科学者だったんですか?」

「あぁ。昔はアポロ計画にも関わっていた」


 アポロ計画は確か、月に宇宙船を飛ばす計画だったよね? それも本当に大昔の。よく覚えてないけど歴史の授業で学んだ気がする。


「やっぱり師匠は凄い人ですね! 昨日月面着陸をテーマにした小説を読んだんですけど、まさか師匠が関わってたなんて!」


 お母さんは大喜びだ。おばあちゃんも褒められて微笑みを隠せていない。けれどどこか寂しそうでもある。


「だが今、科学は淘汰されつつある。私たちの生み出したアーティファクトは、イデアには勝てなかった。人々はみなイデアに首ったけだ」

「……師匠は、私のために世界を取り戻すのを諦めてくれたんですよね?」

「あぁ。そもそもイデアなんてものが生まれなければ、科学が人類を牽引したはずだった。だから私は「世界の敵」になることで命と引き換えに、全てを取り戻そうとした。でも、私は星海を大切に思っていたんだ」


 おばあちゃんは優しい笑顔でお母さんをみつめる。


「……かつての仲間の遺志を反故にしてしまうほどにはな」


 広い空間にぽつりと声が響き、湿っぽい空気が流れそうになる。それを感じたのだろう。おばあちゃんは手をパン、と叩いて私たちの注意を引いた。


「さて、年寄りの長話など聞きたくはないだろう。これから私の指定するアーティファクトを生み出しなさい。ちょうどこのねじと同じものを作ってくれ」


 小さな電流が走ったかと思うと、次の瞬間、おばあちゃんの人差し指と親指の間に小さなねじが現れた。なんの変哲もない鉄のねじにみえる。だから構造を把握するのは容易だった。


「気絶するまでだ。途中であきらめることは、師匠である私が許さん」

「はい! 師匠っ!」


 その性格に似合わない、大きな声が反響する。お母さんはますますやる気を出したようだった。自分のために長年の願いを諦めてくれたおばあちゃんの役に立ちたい。そういう気持ちがあるのだろう。


 私もお姉ちゃんを助けるために、もう無力さに悩まずに済むために、頑張らないと。その一心でただひたすらにアーティファクトを生み出す。頭が痛くなろうとも、全身を疲労感に襲われようとも、それでも諦めなかった。


 しばらく経つと努力の甲斐あって、目の前には大量の鉄製のねじが転がっていた。ねじは小さいが、その割には複雑な構造をしている。だからアーティファクトの訓練には向いているのだそう。


 でも私の前のねじの山だけ、圧倒的に小さかった。


 私とお母さんの実力差は凄まじいものだった。そしてお母さんとおばあちゃんの実力差もまた遥かに凄まじいものだった。私が五十二回気絶する間に、お母さんは十回。おばあちゃんに至っては一度も気絶しなかった。私よりも遥かに大量のねじを生み出しているのにも関わらずだ。


 まさかここまで差が出るとは。

 

「……全く。私よりも三千歳若い癖に二人とも根性がないな」


 おばあちゃんは地面に倒れ伏す私たちをその幼い顔で見下ろしている。全く疲労を感じていないのか、涼しい顔をしている。顔立ちは天使のように可愛いけれど、やってることは全く可愛くない。


「し、師匠。流石にこれはきついですっ……」

「そうだよ。おばあちゃんっ……」


 私が目をうるませながら見つめると、おばあちゃんは罪悪感をにじませた。


日葵ひまり。それは卑怯だぞ……」


 だけどそんな卑怯な手も使いたくなってしまうくらい、辛いのだ。おばあちゃんはまるで破壊と再生の神だった。自分もねじを生み出す片手間、私たちが気絶するたびアーティファクトの力で生み出した冷水を顔にぶちまけてくるのだ。

 

 これが水責めか……。なんて錯覚する程度には過酷だった。そしてその過酷さを一番味わったのが、三人の中で一番アーティファクトに慣れていない私だったというわけだ。頻繁に気絶し、そして頻繁に冷水をぶっかけられた。


 健康への影響はないらしい。アーティファクトの始祖であるおばあちゃんがそういうのなら、間違いはないのだろうけれど……。それでも精神的に辛すぎる。


 だから仕方なく禁断の手。「おばあちゃん呼び」を行使することになってしまった。ハードワークになるとは言ってたけど、ここまでとは思ってなかったんです……。


「まぁいい。今日はこれくらいにしておいてやる」

「おばあちゃん……!」

「おかあさん……!」


 私たちは地獄に仏をみたような表情で、おばあちゃんをみつめた。


「アーティファクトの生成は大きく体力を使う。特に日葵は全身の筋肉痛を覚悟した方がいい。だが明日も同じプログラムだ。強くなりたくば怠けるなよ」


 天国が地獄に反転した気分だった。


「は、はい……。おばあちゃん」


 がっくりと肩を落としていると、お母さんが気の毒そうな顔で頭を撫でてくれる。


「よしよし。一緒に頑張ろうね?」


 お母さんは暗い性格だけれど、時々深い母性をみせてくれる。やっぱりお母さんはお母さんみたいだ。私は反射的にぎゅっとお母さんを抱きしめて、その温もりに癒されようとする。けれど、当然のようにお母さんは顔を真っ赤にしていた。


 ……疑念が確信へと変わっていく。けれど今は訓練にだけ集中するべきだ。


「……だがこの調子なら一週間もすれば変化が現れてくるはずだ。一般的に気絶するまでアーティファクトを行使するのは悪いこととされている。それに従ってこれまで学んできたのだろうが、私の方法なら二十倍は早く成長できるぞ」

「二十倍ってことは、一週間で五か月弱も……」

「三か月訓練すれば五年は先に進めるってことですね!」


 そう考えると、なんだかやる気が出てきた。


「まぁもちろん、プログラムはこれだけではないが」

「えっ……」

「なに。大丈夫だ。私の娘と孫である君たちならきっと耐えられる」


 おばあちゃんは満面の笑みだ。


「は、はいっ……」

「ガンバリマス……」


 二人で一緒に震える私たちの頭を、おばあちゃんはわしゃわしゃと撫でた。


 お昼ご飯を食べたあと、私たちは要塞内部の運動施設のような場所を訪れていた。うんていだとか、鉄棒だとか、走る用のトラックだとかが用意されている。


「ここで二人には体力をつけてもらう。分かったと思うが、そもそもアーティファクトを生み出すのには体力が必要だ。世界に干渉する力が失われるよりも、先に体力が切れることの方が多い」

「……師匠。足が痛い……」


 古典的な例えで言うのなら私は「生まれたての小鹿」のような状況になっていた。自分の意志とは関係なく、足がぶるぶるしてしまうのだ。


「頑張れ。日葵」


 でもおばあちゃんは笑顔を浮かべるだけだ。


「お姉ちゃんは全然辛そうにしてなかったよ……?」

「メシアにいたんだろう? そこで訓練を受けていたのなら、体は完成していたはずだ」

「……確かに。一緒にお風呂入った時、お姉ちゃん、体凄く引き締まってた」

「えっ。お風呂!?」


 どうしてかお母さんが驚いている。


「うん。家で一緒にお風呂に入ったんだ」

「……」


 お母さんの方から、なんだかじとーっとした視線を感じた。でも顔を向けると、首をぶんぶん横に振る。まるで何かに葛藤しているみたいだ。


「……全く。罪な女だな。日葵は」


 おばあちゃんは同情するみたいな視線をお母さんに向けていた。……やっぱり、そういうことなのだろうか。


「あ、あのっ、今晩、私と一緒にお風呂に入ってくれませんかっ?」


 首をぶんぶんするのをやめたかと思うと、お母さんは頬を真っ赤にして私をみつめてきた。もうこれ以上は都合のいい解釈をするのは限界な気がしてきた。お母さんはきっと私のことが好きなのだろう。……たぶん、自意識過剰ではないと思う。


「……」


 私が沈黙するとお母さんは今にも泣き出してしまいそうな顔になっていた。なんだか気の毒だ。気持ちに気付いているのに、気付かないふりをする。それは酷いことだと思う。期待ばかりさせて先送りにすれば、……やがてはひどくお母さんを傷付けることになるのだから。


「……分かった」

「い、いいんですか?」

「私も星海さんともっと仲良くなりたいからね」

「あ、……ありがとうございますっ」


 消え入るような声だけれど、とても嬉しそうだった。


「でも、その代わりに私の話を聞いて欲しい」


 私は真っすぐにお母さんをみつめる。お母さんは背筋を正して頷いていた。


「……分かりました」


 その表情はどこか寂しそうだった。おばあちゃんは深いため息をついている。


「……やれやれ。まぁ何はともあれ一緒に入るのなら、露天風呂を使うと良い。本物の夜空ではないが、現代の夜空よりはずっと綺麗だと思うぞ」


 おお。露天風呂なんてあるんだ。古典で存在は知ってたけど、現代にはないんだよね。なにせ空が汚いから。ちょっとだけ楽しみだ。……もっともそこでお母さんを振ることになるわけだけどさ。


「さて。二人とも。そろそろ訓練を始めるぞ」


 おばあちゃんのその声に、私はお母さんと二人で無限の長さにも見えるトラックに立った。そして案の定、もう動けなくなる限界までまで鬼おばあちゃんに走らされるのだった。


 ちなみにおばあちゃんは体力もずば抜けていた。

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