第52話
翼が家で晩御飯を食べることを了承してくれたため、まずはお母さんに電話で翼の分も料理を作ってもらうように頼み、一応お父さんにも今日は翼が来ることを連絡しておく。流石に何も言わずに翼と会わせるというのも悪いためだ。
連絡を入れると、二人とも二つ返事でOKが出たためこれで何も心配は要らないだろう。
さて、これから私が考えなければいけないことは私の誕生日プレゼントを渡すタイミングのみだろう。夕食どきに渡せば良いのか、二人きりの時に渡せば良いいのか・・・
『今日って翼さんの誕生日なんでしょ?』
悩んでいると、お母さんからチャットが飛んでくる
『そうだよ』
『それならケーキも用意しておくね。なるべくお腹を空かせて帰ってきてね』
『わかった、ありがとう!』
ケーキまで用意をしてくれるのか、それならありがたい。帰りに私が個人的に買って行こうと考えていたがお母さんが用意してくれるならその手間が省ける。
「なあ・・・マジで夕飯食べて行って良いのか?俺、凛のお父さんに会えるようなかしこまった服じゃなくて、めちゃくちゃカジュアルなんだけど・・・」
「別に友達なんだから普通の服で良いんだよ?その格好も十分かっこいいんだから大丈夫!」
「いや、そういう意味じゃなくてだな・・・」
翼はまだ心配そうに、おずおずと話す。今日はビジネスの場でも、何かのパーティーでもなく友達と一緒にご飯を食べるだけなのだ。
でも確かに前会った時は制服だったし、翼も私服姿で会うのも緊張するのかもしれない、だが今日の翼の服装は奇抜でもなくシンプルなので好印象は持ってもらえるだろう。高校生に相応しい服装だ。
「とりあえず今は喫茶店巡り楽しも!翼が調べてくれたお店行きたいから!」
このままだと翼が夜のことしか考えられなそうなので、喫茶店巡りに引き戻すため声を掛けてみる。
「まあそうだな・・・次のお店行くか!」
声を掛けてみると、翼も気持ちを切り替えることができたようで、次のお店に行く気になったようだ。私も今日を楽しみにしてきたため、喫茶店巡りは精一杯楽しみたい。
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