第17話
今日は玲さん以外のクラスメイトとは話さず、当分はほかのクラスメイトとは距離をとることにした。
今日は本当は遊びに行く予定があるクラスメイトもいたがその人とも距離を置くことを決めたため、今日はおとなしく帰ろうとしたときに後ろからどこか見覚えがある男子から声をかけられた
「姫?少しいいですか?」
「なんですか?私は今日は忙しいので帰らなければいけないのですが・・・?」
私が少し語気を強めてそう答えたからか、彼は少したじろいだが言葉を続ける
「いや、ごめんごめん。すぐに終わるからさ。聞きたいことがあってさ、あ!ごめんまず一応自己紹介だけしときます。俺は木戸 明(きど あきら)まあ同じクラスだし流石にわかってるだろうけど一応ね」
流石に私もクラスメイトの顔をすぐに忘れるほど人づきあいが下手というわけではないので、認知はしている。翼君といつも一緒にいる人だ。この人も翼君と一緒でやんちゃなため、もっとぶしつけな態度をとってくると思ったが彼らは以外にも礼儀正しくしっかりと自己紹介をしてきた。
「はあ・・・それで?私に用って何ですか?」
私はまた少し強めに言葉を発する。今の私は自分で思っているよりもイラついているのかもしれない
「姫今日は随分とご機嫌斜めだね・・・まあいいや!俺たちが聞きたいことは姫と翼の関係なんだよ」
「私と翼君のですか?」
翼君の名前が出た瞬間私は警戒態勢をとった
それはまるで野生動物が身を守るように。あるいはその子供を守るかのように・・・
「あなたたちに関係ありますか?あなたたちもまた変な噂でも立てるつもりですか?」
「”も”?いや、姫と翼ってなんの関わりも無いはずだし、仲がいいのはなんか不自然というか・・・あ!別に仲が良いことはめちゃくちゃ良いことだからそれにとやかく言うつもりは無いんだ!翼が学校に早くいくとか言い出したのも、姫が理由だろうからね。でももし姫が翼に何か弱みとか握られているんだとしたら、俺から翼に言わなきゃいけないこともあるからさ・・・急にこんなこと聞いてごめん!」
今日の朝に翼君が早く来ていたのはそういう理由だったのか・・・
でも仮に彼の話が本当ならなぜ私のおかげで彼が早く学校に来ることになったのだろうか?まあそれはまた本人に直接聞くことにしよう
「そういうことですか・・・別に弱みなんて何もないですし、ただの友人ですよ。あなたたちは人の友好関係に口を出すのですか?」
「さっきから言ってる通りそんなつもりはないよ。翼の様子もおかしかったからこれだけは確認しときたくってさ・・・」
と彼が言葉を続けようとすると今度は遠くの方からまた聞き覚えのある男子の声が聞こえてきた
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