第6話 慰労会には行きません

 新システムのことはまったくわかっていなかった僕は、なぜか現場で怒られ、先方様に謝り、物流現場の筑波に寝泊まりしていました。

 いろいろと調べて習得しながら。


 ベンダーの担当者は連日青い顔をして足取り重く物流センターに出社し、その上司という人も来て、

「徹夜でもなんでもして正常に動かすんだ! 」

 と怖い形相で彼らに激を入れていました。


 滞りながらも物は出すことができ、不備がありながらも月またぎも終え、会社での寝泊まりもなくなり、いつのまにか6月になりました。


 と言ってもまるまる2か月かかったということですね。


 僕はまだ物流に通っていました。

 本社では慰労会が行われることになり、物流現場へ派遣されていた人たちも呼ばれました。


「行きません」


 珍しく感情をあらわにしてお断りしました。


 まだ “慰労会” なんて状況じゃないでしょう。

 大失敗じゃないか…。


 若かったのですね。

 そんな中、だんだん体というか心が崩れてきました。


 毎朝どこか体調が悪くならないか期待していました。

 具合が悪くなれば出社しなくていいのに…と、自分の健康を恨んでました。


 電車で行くと長い道中考える時間ができてしまうので運転に集中できる車で通勤しました。


 いろいろと考えてしまうと変なことをしそうだったので…。

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