第4話
にわかには信じられなかった。
私はキャプテンに報告する。
「コード999です」
「そんなバカな……いったい、何が起こった?」
キャプテンでも分からないとなると、これは地球にある本部の意図ということなのか?
ちなみに、コード999とは、「宇宙ステーションの破棄」である。
キャプテンから、全乗組員にインカムで連絡が入る。
「この宇宙ステーションは何らかの理由で急遽、破棄されることとなった。
コード999。つまり、我々には理由は知らされずに破棄されるとのこと。
地球の本部への通信は、すべてボナパルトの方で遮断しているため不可能だ。確認が取れない。
我々は、これより総員退避を行う」
ブ─────────
ブ─────────
ブ─────────
ブ─────────
ブ─────────
警報音が、長く5回以上鳴らされた。
総員退避の合図だ。
コード999が発令されているため、乗組員全員の退避が完了次第、この宇宙ステーションは自動的に爆発する。
私は無線でキャプテンに伝えた。
「ボナパルトと話し合ってみます!」
「あぁ、コード999を解除できるのならやってみてくれ。
しかし、自爆プログラムが作動している以上、長居は禁物だ。
無理だと思ったら諦めるんだぞ!」
「はい、キャプテン。できる限り、やってみます!
皆さんたちは先に逃げてください!」
乗組員たちは、次々に脱出ポッドに乗り込む。
だが、自爆解除への一縷の望みをかけ、地球に向けての脱出はすぐには行わずに、キャプテンやその他のクルーたちは、脱出ポッドの中で待機し、私を待ってくれている。
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