第5話
私はシスタンを連れて、コンピュータルームへと走った。
「ルーシア、走ルッテ、イイ運動ニナリマスネ。キット、痩セマスヨ」
「あ~、はいはい、そうですね」
私たちはメインコンピュータルームへと入った。
自動ドアが閉まると同時に、背後から嫌な音がした。
まずい!
私とシスタンは振り返り、ドアを開けようとした。
内側から開かない!
私のIDもシスタンのIDも受け付けない。
コンピュータルーム内に閉じ込められてしまった。
メインコンピュータ、ボナパルトから音声メッセージが流れる。
「ヨウコソ、ルーシア。キミガ来ルノヲ 待チワビテイタヨ」
「ボナパルト、これはいったい、どういうこと?」
「シスタン、キミハ 必要ナイ」
ボナパルトはそう言うと、遠隔操作でシスタンの機能を止めた。
「シスタン!」
私は叫んだが、シスタンは立ったまま、動かなくなった。
「ボナパルト! どういうこと? 事情を説明してちょうだい!」
「邪魔者ニハ 消エテ モラオウ」
ボナパルトは、クルーが乗り込んで待機中だった脱出ポッドを、地球に向けてすべて発射させてしまった。
この宇宙ステーションに残っている人間は、私一人だけになってしまった……
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