第3話

シスタンに総員退避の理由を調べさせた。

しかし、メインコンピュータであるボナパルトが、シスタンからのアクセスをブロックしているため、状況がつかめないのだ。


「ルーシア、アナタハ カワイイ ノデ、キット ボナパルトハ 言ウコトヲ 聞イテ クレマスヨ」


口がうまいロボットだこと。

しかし、シスタンの言うことにも一利ある。

私のアカウントならシステムに入れるかもしれないのだ。

試してみよう。


あら? アクセスできた……


「サスガハ ルーシア デスネ。ボナパルトモ カワイコチャンニハ 弱イノデスネ」


シスタンの言うことを聞き流し、私はボナパルトが発令した総員退避の理由を調べ始めた。

その時、インカムにキャプテンの声が聞こえた。


「ルーシア、そっちの状況はどうだ?」


「はい、今、ボナパルトにアクセスしていますので、分かり次第、お伝えます」


「わかった。くれぐれもよろしく。ちなみに、宇宙ステーション内に物理的な異常は見つかっていない」


「そうですか。では、システムの誤作動かもしれませんね。引き続き、調べてみます」


さて、総員退避の発令根拠を調べてみると……


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