特別な時間
第42話 クリスマスプレゼント
「どこ、止めて一人にしないで」
バンダナはとっちゃダメと低い声で命令をした。バンダナをとれないように両手は縛った。
そう放置プレイである。お風呂に入ったし、エアコンで暖かい風の中、下着だけで自由を制限された穂信にゾクゾクする。
バタバタ動くので肩を少し抑えて、小声です「まだダメ」と言い。
と、いうプレイを考えたが、普通に渡すプレゼントをクリスマスが近づいても用意は出来ていない。
クリスマスプレゼントは期待されている。プレッシャーも感じる。
どんな物でも嬉しいよ! と、言うことは用意しないと機嫌を損ねるどころか。
逢坂女子の頃から一緒だが、いまいち穂信の好き嫌いはわからない。
行為の後、少し話したらスースーと眠りに入ることが増えたので、こっそり大きさは測っている。首輪をつけておかないとどこの女と寝るか分かったものじゃない。
「よ、加奈」
土曜日の人気の無いキャンパス内で今宮さんと出会った。
「ボラ部、どうよ」
「楽しいですよ。子どもと触れ合うのもお年寄りと話すのも楽しいですし」
「この調子でアイツもボラ部に入ればいいのに」
「何で入らないんですか? 結構いいレベルだと思いますよ」
「それでボラ部の誰かに手をつけたらどうする」
「速攻で別れます」
「ほら、アイツ。モテるから、加奈に配慮して教室では静かなの。講義が終わって加奈に会いに行くときに元気になるから元気っ子キャラ認定されてモテるし、先生に当てられて発言して噛んで天然と思われて大変なのわけ」
「女子大でも生きていけないんですね。あの人」
「やからうちみたいな彼氏のおる女が都合いいわけ」
「彼氏いるんですか?」
「穂信に行くのは彼氏がいない子たちで、彼氏持ちは彼氏とラブラブするわけ。それでクリスマスプレゼントどうすんの?」
「指輪ですかね。悪い虫がつかないように」
「どこにつける用?」
「もちろん薬ゆ」
「なになに? 二人で密談かね」
一番来て欲しく無いタイミングで穂信が後ろから抱きついてきた。
「下着はいらないよ。可愛いの持ってるし、なんか負けた気がするし」
穂信の視線は私の胸部に向いた。
「穂信はどこに行っても生きていくのは大変なんですね。いけない気持ちになるのは分かりますけど、頑張って理性働かせてくださいね」
「クリスマスプレゼントの相談じゃ無いのかよ」
「今、言ってもいいですか?」
「いや、こういうのはその時に言われる方がいいから」
「止めときますね」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ聞かせて」
「誰の物かはっきりさせないと」
「え、なに。首輪? さすがにお散歩プレイは難易度高いよ」
「私に何をさせる気ですか」
「キスマはすぐに消えちゃうよ」
「あのアンタたち、その首輪とかお散歩プレイとかキスマはあまり言わない方がいいよ。うちが恥ずかしい」
たくさんのギャラリーが遠巻きにこちらを見ている。
お散歩プレイ? え、何。桃谷さんの彼女って特殊なことさせるの? 桃谷さん可哀そう。そんな声が聞こえた。
「えっとその特殊なことは何もしませんよ」
「いいよ。私、加奈が満足するなら何でもするよ。だから言ってね。変態っぽくっても受け止めてあげる」
「だから首輪もお散歩プレイもしません!」
「ところでバンダナはどう使うの?」
「あー、もう。ここでは言えない!」
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