第28話 二回目の文化祭実行委員会
高校一年生はやや忙しい。文化祭実行委員会になんと無く入ることになった。同じ一年の元カノ子たちの
バカップルなのに中等部の子に私のお姉様になってくださいと言われる。これは確かにちょっといけないことをしたい気持ちはわからなくない。
「間に合ってる」
と、言っても。
「憧れだけなら許してもらえますか?」
どこかで聞いたぞ、それ。
「無駄ですよ。この子体育祭で私たちの元お姉様を奪い取ったのですから」
悪気が無いのは知っているがこれは中々難しい。穂信を知っている研究生だった元カノ子の扱いは難しい、あっちこっちで口説いた穂信の馬鹿野郎。
「それでどうよ。久しぶりのお姉様は」
元前の席の井上はニヤニヤしながら、ゼリー飲料を食している。
「栄養かたよるよ」
「その為にたくさんあるのよ」
「お腹も緩くなるわね。固形物を食べなさい」
「まだエッチしてないの」
ブッと吹いた。
「汚い、卵焼きが飛んできた」
「いきなり変なことを言うから」
「こういうのは高校の間にどうにかしないとダメだよ」
「塾の先生はどうしたの?」
「いつの話?」
「その中等部の頃の」
「ん? あ、あぁね。あれは色々な子に手を出しすぎて、塾はクビになって、捕まった。初めては隣の男子校の真面目くん」
「真面目くんをどうしたの」
「去年の文化祭で押し倒してやった。もう会うたびに猿になったから、別れた」
可哀想に
「痛かったけど、あの目がたまらない。驚きと不安が無いまぜになって震えるのよ。可愛くて三度までは良かったけどね。変に自信持っちゃって、セフレにしてもめんどいから着拒してブロック。しばらく学校にきたけど、生徒指導の先生に追い返された以降は見てない」
「性癖が狂ったのは井上もそうね」
「そうかな?」
「そうよ。でもそのエッチって」
中等部三年の末に性器の断面図をスクリーンに写して、これがかなりでかくなってここを恥ずかしながら少し触って大きいと言えば喜ぶからメモしとけ、絶対に避妊具しろよ。
保健室に大量にあるから足りなくなったら取りに来い。じゃないと面倒なことになるからな。
んで、つけない男とは別れろ。それで念の為と言って男性のを見てから女性の場合も解説された。
みんなが私をチラチラみていた。
「ねぇ、最近会えないの。なんで?」
「どこかの誰かさんが無茶苦茶にした文化祭実行委員会を立て直すのが大変なんです」
「三年の頃はどうだったの」
「学年主任の先生に文化祭実行委員会にと言われましたけど、断りました」
「いいじゃん、楽しいよ」
嫌だよ、普通に。
帰りに病院のカフェテリアに付き添った。検診とゴールデンウイークをどうするかの相談である。
「遊んでくれるの?」
「外はしんどいでしょ?」
「お家? オセロもウノもババ抜きも、やり飽きたよ」
「他にも出来ることあるでしょ?」
「ホラー映画見てアイス食べて一緒に寝る? でも不安でしょ。お兄ちゃんの部屋空いたからそこで泊まって。
「一緒に寝ましょう」
「え。どういう」
「覚悟が出来たので」
「私、汚れているよ?」
「何度も言ってます。ならば一緒に汚れます」
「悪いよ」
「私がムラムラしてこのままでは学校の廊下で襲ってしまいそうなので」
視線が集まった。
「こんなとこで言わないでよ。馬鹿」
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