第12話 いつか絶対

「確かに洗うときはタオル外してました」


「中二にしては良い発育だな」


「良い発育とは?」


「いや、なんでもない」

 穂信の態度が少しおかしい、緊張しているというか。


「そのさ、胸触ってみたいなーって」

 同じ女性だから自分のを触っても差異は無いと思うけど、触りたいならと腕を広げた。


「触るね。お、おぉ、これはすごい、こんなにおぉ」

 胸を触るだけなのにこんなに声を出す人は初めて見た。


 結構長く触られた。シャワーには当たっていたのは私だけなので、穂信が心配になった。


「あのそろそろ」


「あ、あぁ。そうだね。そうそう。もうそろそろ」

 頭と体を洗った。けっこうお風呂は大きくて二人で体を洗っても余裕があった。



 湯船には二人で入った。お願いがあると言われて、私が奥に私のお腹側に穂信が入った。


「極楽だよー」


「確かに入浴剤って久しぶりに見ました」


「そうだよね。そうじゃないんだけど、そうだよね」

 お風呂から上がると一人で拭けるのに拭き合いをしようと穂信が言ったので拭きあった。


 なんでか分からないけど、驚いて声が出た。


「ドライヤー使ってて、私後で使うから」


「一緒に使いませんか?」


「私、短いからさ。先に使ってよ、編んでいるから分からなかったけど、思っているより長いし」


 お言葉に甘えて、早く済むように乾かした。


「お待たせしました」


「りょーかーい。乾かしてくるから待ってて」

 そういえばどこで私は眠るのか。

「冷凍庫にアイスあるから、てきとうに取ってー」

 なんとも気が引けて、ソファの上で固まってしまった。


「そりゃそうか。普通は遠慮するもんね」

「加奈、コーヒーとソーダどっちが好き?」


「コーヒーで」


「おっ、大人だね。半分こしよ」

 ぱつっと二つに割った。

「ねぇ、なんでお風呂の時に声出たの?」


「出してましたっけ?」


「うん、とびっきりエロいやつ」


「エロ?」


「本当にキスから先、知らないの?」


「先って」


「知ってみたら案外離れられないよ」


「やめておきます」


 へっ? 穂信は口に出した。

「だっていくらでも」


「そういう離れられないものより、私は穂信をもっと知りたい。ジェラートあーんして恥ずかしそうに笑う穂信や足でリモコン使う穂信の方が多分その先より大切だと思います」


「ちょい足でリモコンは!」


「でも、そんな穂信の方が可愛いですよ」


「そのさ、加奈からはしたいって思わないの? エッチなこと。小学生の時に男子が言ってたその、セッ」


「性教育の話ですか?」


「ちょっと惜しいけど、そういうの」


「でも大人になるまでしちゃダメって」


「女の子同士なら赤ちゃんも出来ないし、いっぱい気持ちいいよ。そういうのはよく知っているし、それに」


「この先でも出来る事なら、今する必要は無いと思います」

 穂信の狙いがどこにあるか分からないので、疑問だった。


「焦らしてくるな。いつか絶対に襲ってやる」

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