第5話 二度目の告白

 遊びに行った次の日。

 私は太陽くんにまた校舎裏に呼び出されていた。


 なんだろうと思いつつも待たせるのも悪いからとすぐさま向かった。

 校舎裏に行くと、すでに太陽くんはいたのである。


 私が来たのが分かると、彼はパァッと笑顔になる。


「先輩!」

「ええっと、二度目だね。ここに呼び出されるのは。それで、何の用かな?」

「僕、やっぱり先輩が好きです。友達から始めて少し仲良くなれた気がして、それも楽しくって良かったんです。でも、やっぱり僕と付き合ってほしいんです!返事はいつでも良いので、また考えていただけませんか⁈」


 彼はあの時とは少し違う言葉で伝えてくれた。

 何度も好きって言ってくれた。

 それは嬉しい。

 けれど、やっぱりこの場ですぐには答えがでない。


「うん。私、ちゃんと太陽くんのこと考えてみるよ。考えがまとまったら私から呼ぶから待ってて?」

「はい!ありがとうございます‼︎」


 彼はそう言って去っていった。

 私も帰路に向かった。


 家に帰ると、すぐさま部屋に行きベッドに寝転がった。


「はぁー、どうしよう…」


 私はみんなが思っているほど完璧ではない。

 考えることは、苦手だ。

 ましてや、二度も告白してくれた相手への答えだなんて……

 すぐにでてくるわけがないだろう。


 太陽くんはすごく良い子。

 だからこそ、私の返事一つで、落ち込んでほしくない。

 それに、昨日は私が背の高さで揶揄われたのを私のせいではないと言ってくれた。

 とても嬉しくって、心が暖かくなった。


 あっ、もしかしてこの気持ちって——

 見つかったかもしれない私の答え!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る