第4話 ちょっと気になりだした、かも…

「そうだ、太陽くんは部活なかったの?」


 私を誘ってくれたけど、彼は部活していないのかが気になり聞いた。


「今日は体育館が使えなかったので休みなんです!」

「あれ、もしかしてバスケ部?」

「はい!先輩もですよね!」


 知らなかった。

 男バスとは一つの体育館を区切って使ってるのに。

 自分の部活に集中してたからかな。


「うん。もしかして、私のことそれで好きになってくれたの?」

「うーんと、それもあるんですけど、もう一つあります!」

「そうなんだ?」

「はい!それに、先輩の好きなところあげだしたら、きりがないですから!」


 そんなにあるのかな?

 少し嬉しい、かも。


「あっ、先輩!着きましたよ!」

「ん、ここ?」


 そこは、内装が可愛らしい感じのカフェだった。


「ここ、かぁ。こんな可愛いところ私には似合わないって」

「先輩、似合うとか似合わないじゃなくて良いんですよ。それに、先輩は可愛いですから!」

「そっ、か…ありがとう」


 私はそう言われたので、中に入ることにした。

 席に案内されて座る。


「先輩、なに食べます?」

「えーと、チーズケーキかな」

「了解です!」


 太陽くんがボタンを押して、店員さんを呼んでくれた。

 そのまま注文もしてくれた。

 スマートだなぁ。モテるだろうに、どうして私なんだろ。

 なんて、気にしない方が良いのかな。


「先輩?ケーキきましたよ?」

「う、うん。いただきます」


 手を合わせてから、フォークを持ってケーキを食べ始めた。


「ん、美味しい…」


 美味しくて、夢中になって食べた。

 そうしている時に、視線を感じた。


「な、なに?」

「いえ、可愛いなと思いまして」

「えっ、あ、ありがとう」


 いつもはテンション高めで言ってくるのに、今のは真剣に言ってきて驚いた。


(こんな表情もできるんだ…)


「さて、先輩、食べ終えたなら出ましょうか」

「うん。ごちそうさまでした」


 席を立って、会計をしてから出た。

 そこから少し経ってから、話し始めた。


「今日は放課後のちょっとだけでしたけど、次は休日に一緒に出かけたいです!」

「うーん、考えておくよ」

「やった!」


 良いよとは言ってないのに…

 まぁ、こういう子だからね。


 その時、周りから声が聞こえてきた。


「うっわ、あの人背たっか!」

「マジじゃん!男の方が低いんじゃね‼︎」

「ははっ、言えてるー」


 などと言った声だ。

 これは私に向けられたもの。

 私の隣にいるから太陽くんまで嫌なことを。


「ごめんね。私のせいで…」

「先輩、朝霧先輩はなにも悪くないですよ。それに、僕はいつか先輩の背をぬきますから!」


 そう言われて、少しだけ沈んでいた心は暖かくなった。


「ふふっ、そっか。でも、簡単にぬかれるつもりはないからね!」

「いえ、僕は朝霧先輩を守れるぐらいになるんで!」


 太陽くんの言葉は暖かいな。

 こんな人の隣にいられたら楽しい日々を送れそうだ。

 なんて、ね。

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