読書断念2:苦手なキャラの登場
私が読み進めるのを断念した話、その第2弾です。
苦手なキャラ。拙作においても現在、絶賛悩みの種となっております。
先にお断りをしておきますと、ここで触れます苦手なキャラというのは、いわゆる〝ツンデレキャラ〟です。
言葉には細心の注意を払いますが、ツンデレが大好きな方には不快感を与えてしまう恐れがありますので、どうか自衛をお願い致します。
まだまだ人気ですからね、ツンデレ。
私自身、苦手なくせに作中に登場する機会も多かったりします。
変幻自在に動かせることもあり、書き手としても扱いやすいのでしょう。
ヒロインとしても狂言回しとしても便利ですからね。
また、ツンデレといっても多種多様なタイプが存在しております。
私もタイプによっては好きなキャラになったりもします。
ここでは大きく分けて、タイプは4種類存在していると仮定します。
1:最初はツンツンしているが、打ち解けるとデレたままになるタイプ。
2:公共の場や他人の前ではツンツンしているが、主人公の前ではデレるタイプ。
3:ツンとデレを脈絡もなく交互に繰り返すタイプ。
4:ツンデレの皮を被った、ただの性格の悪い子。
この内、私が許容できるタイプは1と2になりますね。
むしろ2は大好きかもしれません。
苦手なのは3と4です。
3はとにかく怖いです。現実世界にも何の前触れもなくキレる人や怒鳴りつけてくる人が居ますが、あれと同じです。関わりたくない。
3のタイプは素直になったと思いきや、次の瞬間には敵意を向けてきますからね。
彼女らがそうする理由は「ツンデレだから」です。
つまり、キャラクタの〝属性〟に〝人格〟が負けている状態なんですよ。
キャラクタの行動原理よりも〝属性〟が持つ性質が勝っているがために、プログラムされたロボットのように特定の行動を繰り返すのです。
これでは生きている人間ではなく、〝人型をした何らかの実体〟と変わりません。
ホラーです。怖いです。
そして4に至っては、もはやツンデレですらありません。
この手のキャラクタは、見た目だけがツンデレのテンプレートをなぞっているんですよね。
例えば金髪のツインテールで年下でツリ眼。気が強く誰に対しても喧嘩腰で話し、二人称は「あんた」。
このような感じのキャラが登場すると、どうしても身構えてしまいます。
正直、見た目だけなら大好きなんですけどね。
それだけに、より無念さを感じてしまいます。
登場からずっと敵対的な態度のまま、「いつデレるのか?」と期待を持たせ、結局デレない。
それでも「デレのないツンデレ」といった謎の呼称を使ってまで、ツンデレキャラを名乗る。正直、こうした流れはツンデレ界全体の信頼を大きく毀損していると思うのですが、どうなのでしょうね。かつては「高飛車」と呼ばれるタイプでしたので、これらは高飛車で良いと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、私が拝読を断念してしまった作品は〝4〟のタイプが登場する物語でした。
もしかすると〝1〟だったのかもしれませんが、ずっとツンデレキャラが敵対的なエピソードが続いていたために、読み進めることが苦痛になってしまったんですよね。
その作品は、ジャンル的には児童書寄りの冒険小説でした。
前半部分はとても面白く、少年たちが仲間と共にワイワイガヤガヤ楽しそうに、色々な場所へと冒険に出かけるのです。なかには命がけのものもあったりと、手に汗握る本格的な冒険です。
仲間たちも個性が強く、どのキャラにも特技があり、一人一人にしっかりとした過去が存在している。まさに〝生きたキャラ〟たちでした。設定的には〝死人〟なんですけどね。そこがまた、面白いですね。
そうしてワクワクしながら読み進めていたのですが、ある時ひとりの少女と遭遇します。そこから一気に、雲行きが怪しくなってしまいました。
少女は神秘的な雰囲気を持ち、自身のことをあまり口にしません。
何らかの大きな秘密を抱えているのはわかるのですが、終始喧嘩腰な態度を取るために、主人公たちとも会話が成立しないんですよね。挨拶をしても、何を言っても、即座に罵倒が返ってくる。そんな状態です。
それでも面白い物語だったことは確かなので、頑張って読み進めておりました。
読むのに頑張りが必要な段階で少しツラくなっておりましたが、3話、4話と以降も新着を追っていたのです。しかし、まったく少女の態度に変化は無い。
少女は物語の重要人物であるらしく、少女の登場以降は彼女が話題の中心になります。そのため、あんなに楽しく賑やかだった拠点内にも、ずっと重苦しい空気が漂い続けている状態なんですよね。
そして、私が拝読を諦めた決定的な理由となったのが、そこまで読み進めても「未だに少女の名前が判明していない」という部分になります。
――はい、ツンデレとの自己紹介イベントとなると、ギスギスする展開が安易に想像できますよね。
主人公が少女に名前を
「あのね、人に名前を聞く前に自分から名乗るもんでしょ? 馬鹿なの?」
主人公が名乗り、少女に名前を訊ねる⇒
「あんたの名前なんて興味ないわ。馬鹿じゃないの?」
少女から先に名乗る⇒
「なによ? どうせ変な名前だって思ってるんでしょ。あんたこそ馬鹿みたいな名前のくせに」
このような感じです。
とてもとても見飽きた展開。想像するだけでウンザリします。
延々と続くギスギスした空気に辟易としているところ、さらに今後〝これ〟が来ると思うと流石に我慢が出来ず、申し訳ないと思いながらも読了を断念してしまいました。
この作品はお世話になった先生の作品でしたので、出来れば読み進めたかったのですが、あの少女がどうしても無理でした。他は本当に、良いキャラばかりなんですけどね。勿体無い。
その後、『近況ノートの切れッ端/はじめに』で述べている通り、私の近況ノートを切っ掛けに先生からのフォローも解除されてしまい、完全に縁が切れてしまいました。完結後に数話飛ばして読むことも考えていたのですが、もう伺うのも迷惑かなと。
児童書の執筆に大変力を入れておられたので、私が近況ノートにて世間話的に「児童コン」に触れてしまったことで、先生の御機嫌を損ねてしまわれたのだと考えております。大変申し訳なく思います。
改めて言うまでもないかと思いますが、物語に没入して読むことができた時点で、文章力・描写力・物語性・世界観のすべてが素晴らしく、名作であることは間違いありません。
キャラクタの好みさえ合えば、最後まで楽しく読み進めることができるかと思います。ツンデレ・タイプ〝4〟を好まれる方には、特にオススメですね。
このような感じで、私が拝読を断念した名作でございました。
あくまでも、私の好みの問題ですからね。
どこかで該当作を見つけられましたら、ぜひ御一読を。
また、コメントを頂いても正解か不正解かはお答え致しません。
どうかお許し願います。
それでは、今回は以上となります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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