創作苦労話:ダッシュ使いすぎ問題
まず本編をはじめる前に、本項はご批評をくださった先生への不満などを書き連ねたものではないことを明記させていただきます。
すでに何度か述べておりますとおり、ご批評をいただけたことで執筆に関する多くの物事を学び、大きな自信をつけることもできました。
改めて感謝を申し上げさせていただきます。
――それでは本編です。
私の考える〝スランプ〟とは、ネタが浮かばない、良いストーリーの展開が思いつかない――と、いったことを指すと考えておりますので、今回の投稿遅延はスランプではないとさせていただきます。
それでは何なのか――と申しますと、頭の中の物語が上手く〝出力〟ができなくなってしまったんですよね。
先日、批評企画に参加させていただいたことで、執筆に関わる多くのことを勉強させていただきました。
そこで私の作品も批評していただき、ひとつのお題に関しては最高得点を頂戴することができたのですが――採点項目の一つである〝文章力〟のポイントだけが低かったんですよね。それこそ、下から数えた方が早いレベルで低いです。
そこで指摘を受けたポイントは「ダッシュ(――)を使いすぎている」というものでした。
これは私自身も自覚していた部分であり、他の批評企画においても、他の作者様の作品においても「ダッシュの使いすぎ」を指摘されているのを見かけたこともあります。
――したがって私も「ダッシュの使いすぎは良くないんだろうな」とは思いつつ、「私の作品に言われた感想ではないし、気にせず今まで通りのスタイルを通そう」と、これまでは考えておりました。
しかし、今回のご批評において「ダッシュ使いすぎ問題」としてクローズアップされてしまったことで、やはり改めるべきなのだと認識した次第です。
課題作として提出した作品は、〝ミストリアンクエスト〟の要素を短編としてまとめた内容となっており、書き方も完全に同作と同じにさせていただいたものです。
もちろん、長編と10000字の短編では密度も違ってくるでしょうが、おそらく受ける評価は同じものだと考えております。
そこで、〝ミストリアンクエスト〟の改稿や新規投稿においても、ダッシュを使わないことを意識しながら書いていたのですが――これが、もう書けない書けない。
びっくりするくらい書けなくなってしまいました。
なんというか――投稿前に書いたものを読み返しても、自分が書いた文章とは思えないんですよね。もちろん、悪い意味で――です。
まるで他の作者様の作品を真似て書いたような、そんな陳腐な出来に思えてしまうのです。当然、自分で納得もできていないものを投稿するわけにはまいりません。
ええ、私はダッシュをよく使うんですよね。
私はダッシュの持つ本来の意味はよくわかっておりません。
言語化できない感情表現を示す――と、いった説明をされていた方も居られましたが、私はそうした用途ではあまり使っていないんですよね。
ただ、「私の作品と文章に合っている」と、私自身が考えているので多用しております。端的に言うと、好きだからです。もしくは、無いと困るからですね。
私がどういう状況でダッシュを使っているかと申しますと、台詞内で人物が話す相手が変化する場合などがありますね。
「はい、ありがとうございます!――よし、それじゃ行こうぜ!」
こういったパターンです。これはダッシュの前では目上の人へお礼を述べており、後では仲間や友人へ向けて呼びかけています。こうするようになった理由は、文字数の削減と読みやすさの向上のためですね。
ダッシュが無いと、「なんで主人公は目上の人に対して『行こうぜ!』とか言ってんの? この人も一緒に来るの?」とツッコミが入る可能性もあります。
ダッシュを使わずに地の文を挟むパターンもあるのですが、そうすると今度は文字数と冗長さの問題が生じてしまいます。
「はい、ありがとうございます!」
主人公はメウエ氏に礼を述べ、続いて仲間たちへと向き直る。
「よし、それじゃ行こうぜ!」
こうすると長くなってしまいますからね。
重要な場面ならともかく「ただ礼を言い、出発を促すためだけの場面」に、これだけの文字数と行数を割くには惜しいです。
あとはバトルシーンでのスピード感の演出や、魔法を唱えた際の余韻でも使用しております。その他ではエピソード書き出しの場面の状況や、エピソード最後の〝つづく〟の代わりとしても使用していますね。それ以外にも、「ここでは使った方が綺麗かな?」といった部分では使っております。
こうして改めて書き出してみると、思いの外にダッシュは私の作品に浸透しておりまして、単純に省けば良いといったものではなくなってしまっているんですよね。
空白行を追加した際にも書き方を大幅に見直したのですが、それと同じことを再度やる必要があります。
こうなると、もう私の書き方が原型を留めていない状態になってしまうんですよね。
いったいこれは誰の文章なんだ? 誰の作品なんだ?――と。
しかしながら、文章力の低さが「ダッシュ使いすぎ問題」に起因している以上、やはり是正する必要はあるのだと思います。現状のままだと、文章力は下の下。読みやすさを意識して執筆している私としては、看過できない問題です。
今後はどうしても必要な部分のみに使用を限定したいところですが、出来上がった文章に自信を持てるようになるには、まだまだ時間が掛かってしまいそうです。
そのため、投稿と改稿が大幅に遅れてしまいます。
連載を再開したばかりだというのに、大変申し訳なく思います。
ただ、すでにご好評をいただいておりますバトルシーンに関しては、現状のまま変更するつもりはないです。バトルシーンは私がゼロから積み上げてきたものでして、下手にやり方を変えるとすべてが崩壊してしまうんですよね。
ですので、ここだけは絶対に変えません。
現在執筆中のエピソードがまさにバトルシーンでして、どうにか変更を加えようとしてみたのですが、どうにもしっくり来ませんでした。やはり彼らの戦い方には、あの書き方が最も適していると考えております。ダッシュが無いと「なんか違う」と思えてくるんですよね。
私は基本的に、キャラクタたちの自由な動きを、ただ文字として書き起こしているだけにすぎません。特に戦闘シーンの行方は登場人物任せなんですよね。
ですので、これを無理矢理捻じ曲げて描くことは、命がけで戦う彼らへの冒涜にもあたるとすら思えてくるのです。
私が戦闘シーンを描く際、「このキャラは生かそう」「このキャラは殺そう」と考えていても、キャラ自身が活路を切り拓いてしまったり、主人公が説得を始めてしまったりします。
その展開を受け入れるかどうかは作者である私に決定権があるのですが、後のプロットに深刻な影響がない限りはキャラが選んだ行動を尊重しております。
話が逸れてまいりましたので元に戻しますと――
あの世界を描くには、ダッシュは既に必要不可欠な要素の一つとなっている――と、いうことですね。
これの多用が文章力の低下を招いているのだとしても、どうしても使わなければ上手く出力ができません。
もちろん、使用頻度を減らす努力は続け、文章力の研鑽は欠かしませんが、〝ミストリアンクエスト〟に関しては それでも使い続けると思います。
また、今回の悩みも「誰かから言われたからその通りにした結果、書けなくなった」というものではありません。私自身が頂戴した助言に納得し、取り入れようと試みたが失敗したというだけのことです。
あくまでも私のレベル不足ですので、頂いたお言葉は大切に心に刻み――今は無理でも、いずれ自分なりのスタイルを確立するつもりです。
空白行も今では、それなりに形にはなってきましたからね。
このカクヨム世界において、「ダメな部分」を教えていただける機会というものは、本当に貴重です。いい所は教えてくれても、ダメな部分は触れずにブラウザバックが基本ですからね。私の〝読書断念シリーズ〟でも、それが証明されています。
ただ、私もストーリーやキャラクタに関する意見の場合は跳ね除ける可能性が高いですね。
不人気キャラの登場機会を減らすくらいはしますが、性格を矯正したり急に殺すといったことはしないと思います。
ストーリーに関しても現実改変はしませんが、今後のアイデアとして使わせていただくかもしれませんね。
私は何でも信じる、純粋な天然記念物ではございません。
さて、話が再び逸れましたところで――
今回のお話は、以上とさせていただきます。
最後まで長文をお読みいただき、ありがとうございました。
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