第壱話 予言の子
予言ノ子、大イナル双ナル首ヲ持ツ魔龍ガコノ世ニ転生スル。
彼ハ竜國ノ英雄ニモナリ、マタ世界ノ破壊者トモナリウル。
カノ英雄、百兆ノ大敵ヲ打チ破リ、國ニ蔓延ル卑キ闇ヲ退治セン。
カノ魔龍、光ノ矢ニテ絡繰ノ國ノ全テヲ美シキ瑠璃ヘト変エル。
ソシテ、彼ノ者ノ逆鱗二触レシ時十の黒キ生キタ技ヲ用イテ空ヲ消シ天ヲ降ラセル。
創世神話第五章三編予言の龍神
祖龍妃第一皇女 エディ=フィスルティナ=アリスシア
リセ=ルティフィスナ=アリスシア、彼を一言で表すなら異才だった。
彼の偉業はどどまる所を知らなかった。
・彼は産まれてすぐに世界に存在する全ての言語を解した。
・彼は産まれて三月ほどでハバリガニの長男で、当時世界最強と謳われた武神ラーン=ミルティルト=アリスシアを動く事なく圧倒した。
・彼はこの世界で最も賢い学舎である龍帝大学を飛び級してわずか三日で史上初の卒業生となった。
・彼は二歳の時にアルファ以外使用不可能と言われた世界を産み出す魔術。
時空魔法及び精神世界内の多重世界での肉体操作、亜空間の生成、一時的な時間停止に成功し、時空の大魔道士の二つ名を得た。
などなどを挙げられる。
まさしく生物が持ちうる全ての才を持って生まれたかのような竜であった。
同じ日に産まれ、かの光神と同じセリアナと名付けられた第一皇女も他を圧倒する天才であった。
しかし、彼の才能はその天才でさえも霞むそうなほどだったという。
彼は本家のフィスルティナ家ではなく、分家のルティフィスナ家の産まれだった。
それにも関わらず、二歳にして王位継承権が
祖龍妃リーダの次男であった父をも超えた二位であったという。
しかし、三歳の時彼の運命を全て狂わせてしまう事件が起きた。
龍族の王家には可視化の儀式と呼ばれる儀式があった。それは、王族が三歳になるとその竜が持っている力や固有の魔術を言語化して見るという儀式があった。
その時に映し出された言葉はあまりにも衝撃的なものだったからだ。
リセ=ルティフィスナ=アリスシア
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全能を司りし龍神
時空の大魔道士
双龍の片割れ
予言の子
原初の転生体
十神を従えし者
始祖の寵愛
世界の寵愛
精霊王の寵愛
天使王の寵愛
龍王の寵愛
人王の寵愛
到達者の血を引く者
確実な情報を記録する龍の皮に焼き付いた言葉は、素晴らしい人生を歩むはずだった彼の人生を全て奈落へと突き落としたのだ。
彼と彼の父親は王位継承権を剥奪された。
彼の母は息子リセの殺人事件の冤罪を科せられ逆さ吊りで回復魔法をかけ続けられながら三日にわたって内臓を潰されたのち、千の剣に貫かれ処刑された。
彼の姉は父と暮らすことが許されたが城の最奥で奴隷以下の肩身が狭い思いをして生きている。
彼自身は殺された事になり、齢三歳にして世界最大のスラム街の最下層へと落とされた。
入れば五分で生命を落とすと言われる様な地獄であった。
その時彼の母方の祖父であり、3人の賢者の1人でもあるアルス=ペルシラーテも共に城を追い出された。
彼は自分のせいで家族が苦しんでいる事を嘆いた。
だがまだ彼は知らない、10年後彼は出会う事になる彼女の事を。
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