ワールドレコード 前日譚
リアス
第0話 今は忘れられた世界のお話
真創世神話 第零話
著 祖龍妃第一皇女 予言の龍神
エディ=フィスルティナ=アリスシア
訳 龍帝王
リセ=フィスルティナ=アリスシア2世
恐らくそこには何物も存在していなかった。
しかし、ある時そこに“光”が産まれた。
その光は魔力が変質化したチリのような物、生命の源を喰らい徐々に個を確立した。
それはそれはこの宇宙が誕生してからよりもずーっと永き時をかけて光は美しい一柱の女神となったのだろう。
始祖光皇神姫と呼ばれた光の権化であり、
第一皇女である私のお祖母様でもある神。
セリアナ=ミラティーナ=アリスシアと呼ばれる存在の誕生だ。
そして光の神に対になるように“闇”が生まれ、まだ一つだった世界は二つの存在が支配する様になった。
その闇はやがて強大な男神となった。
始祖闇帝神と呼ばれる闇の権化、最悪の象徴
ガイア=ギャンヌ
彼にはこの世の全てを望む深い強欲さがあった。
だがその力ゆえ周りに産まれた周りの配下も彼を止める事は叶わなかったようだ。
ガイアはひと目見てお祖母様を妻に娶ろうとしたらしい。
そんな暴君が一目で惚れるなどお祖母様は大層な別嬪だったのだろうか。
だがしかし彼女はそれを拒んだ。闇と光は決して交わってはいけないものだと。
しかしガイアはそう言って去ろうとした彼女に怒り狂い彼女に向かって追っ手を放ったのだそうだ。
なんで自分勝手な野郎だ。自分の物にならなかったらすぐにブチギレ、私のような強欲な女とならきっと気が合うのだろう。
お祖母様は逃げようと模索したらしいが自らが産まれた時に出来た生命の源を使って自我を得た彼女の周りには誰も産まれることもなく助けてくれる者はいなかったらしい。
いやーやっぱりぼっちは良いことないね。
私も最近一人の時にナンパに絡まれて大変だったし…悲しくなんかないやい。
ま、お祖母様は産まれた時に喰らった膨大な魔力を持っていたけれども魔術の才は残念ながら無かったらしい。
そのせいで、身に余る魔力を使うこともできずに抵抗もままならなかった。
その為に、お祖母様は自らの魔力の殆どを使って龍の男神を産み落としガイアから逃げるための世界を創ることを命じた。
ここまできたらどんだけ嫌いなのって話だけどね、逃げる場所作るために子供産むって…
そして、その時生まれたのが全能を司るまさしく世界最強の神、私の叔父様の
アルファ=ウィルキンズ=アリスシア様の
御誕生だ。私、叔父様の大ファンだから一回会ってみたかったなー
叔父様はお祖母様の命令に従って様々な世界を創って、そしてその中心となる自分達が住まう零と呼ばれる中核、コアの世界を造り上げた。
そしてセリアナはアルファ以外にも
・力を司る男の天使神、頼りないモヤシっ子
ベータ=マルスト=アリスシア
・死を司る女の龍神、クソな私の母親
リーダ=フィスルティナ=アリスシア
・生命を司る女の天使神、怖いおばさん
ハバリガニ=ミルティルト=アリスシア
・知恵を司る人の男神、めっちゃ賢いらしい
アダム=リヒャルト=アリスシア
の5人の神達を産み落とした。
しかしこの5人の出産で確実にお祖母様の力は失われ、その隙を狙い世界諸共を奪い、弱ったお祖母様を捕らえようとするガイアの手勢に襲われる日々が続いた。
しかし彼等は母に仕える身として騎士となり知覚出来ない程の永き時を守り続けた。
騎士様の忠義はやっぱすごいんだね。
光の世界の全ての力を結集した5人兄弟は強くガイア達の様な闇の手勢が到底勝てるはずもなかったらしい。
まぁババアの言う事なんて全く信じれないからこれがどんだけ本当かは分かんないけどね。
また零には時々別世界の人間がやってくる事があったらしい。
アルファの創り出した世界を越えるほどの力、知恵、能力を持っている者達。
彼等は畏怖と敬意を持ってこう呼ばれる様になった。
零に住まう神の領域に至った者達、到達者と。
到達者になる為には何か条件があるらしい。
或いはお祖父様は…いや、私の思い違いか。
・大魔道士 御先祖様枕元に出ないでね
イグリス=ラストラス
・心眼族の皇女 やる気出したらエグい!
リア=ミハイル=イリステラ
・竜神族最強の剣士めっちゃ凄い人尊敬!!
アルス=ペルシラーテの三人
そんな彼等も共に零という世界で生活する上で友となった。大魔道士である御先祖様がガイアによって消滅させられた時には深い悲しみが覆ったという。
私のひいひいひいお爺様らしい、正直興味無し。ひいお祖父様の方が私的には興味は大きい。
こんなこと書いて枕元に出ない事を祈る。
しかし、ある日事件が起きた。
クソババアと怖いおばさまのバカ姉妹が突如裏切ってモヤシっ子と残りの到達者2人を無理矢理連れて別の世界に逃げちゃったんだって。
その時おばさまが他の時空間と通じていた冥界への扉が閉じちゃったから、叔母様は追いかけれなくてその時魂の消滅以外に無かった生命の終わりである、死という概念が零に出来ちゃったらしい。
いやー私の一族は凄いことするね。ま、これでも皇帝の一族ですし?そりゃね?
そのすぐに魔力を失い衰弱しきっていたお祖母様は死に、弟のアダムさんも敵による攻撃で重症を負い叔父様によってガイア達の影響を受けない惑星へと逃がされた。
叔父様はさぞ悲しみに暮れ、怒りに苛まれたのだろう。愛する人が死んでしまったのだからね当然だ。
逃げたバカ姉妹と叔父様が寿命で死に、また出会う事が無いよう、願い残されたお祖母様の遺言どうり叔父様はお祖母様の痕跡が全て世界から消えるまで間、彼女の遺骸を守り続けた。ストイック超えてバケモンだね。
しかし、叔父様は永き時を生き延び遂に解放された時、その溢れる怒りのまま本来生命体が死以外では絶対に通れない、冥界の門をフィジカルで破壊して冥界へとやってきてしまったのだ。
叔父様かっこいい!
そのまま叔父様はバカ姉妹によって冥界への門を閉じる事を命じられた冥界の世界の支配者、即ち大王達を全て虐殺し自らが死者を捌く大王となり女神の魂が転生する日を待ち続けたそうだ。なんと健気な…
彼が創り出した者達ですら、彼の事を忘れさせられた世界で遂にその日を迎えた。
忘れ去られた地獄の深淵のその最奥でその時を待ち続けた全能の創造者。
世界最狂の神アルファ=ウィルキンズ=アリスシアは十人の従者を連れ現世へと顕現したのだ。
空を覆うほどの城は黒く輝き、瘴気を発し、世界は闇に包まれた。
まじカッケー!お城をバックに映ってる叔父様のこと撮った映写機が残ってたのが嬉しすぎる。
「愛しき姫の魂がこの世に転生する際、再度この地に降り立つ。この世で最も尊き御方を置いて逃げた裏切り者が冥界の大王を相手に死ねると思うな。」
まじイケボなんですけど!カッコ良すぎるでしょこれは!
でも、この怒りを直に浴びた生命体の中には魂が生命活動を放棄する者も少なくはなかったらしい。
しかし、叔父様のバカ姉妹は世界に忘却魔術を使い彼の存在を記憶から消した。
彼女らは宇宙空間から酸素を消し、零やその他の世界の事を理解し、次に到達者となる生命が産まれてしまうことを懸念していたのだ。
まぁ、私がここで全部バラしてるんですけどねー!お疲れ様!その努力無駄ですよー!
…現在から長き時が経ちその時は訪れる。
彼は龍の女神の創り上げ……皇子の息子として、双龍の…が産まれる。
リセ=ルティフィスナ=アリスシア
竜國を救い、この世界を愛し、信じ、救う、その尽きぬ慈愛で世界を救う救世の化身と
なりうる者であり、この世界を最も憎み、怒り、憤り、その尽きぬ激情のまま世界を滅ぼす最悪の化身となりうる者が生誕する。
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