弟の日記その3

@月☆日

 こんな状況でも相変わらず日記を書いている。警察の声が聞こえなくなったあたりから森の奥へとまた走り出して一日が終わった。ここまで走ればそう簡単には追いつかれないだろう。

 植物が半分侵食している誰もいない廃墟を見つけた。しばらくここで身を隠そう。

 

 *月÷日

 廃墟での生活が始まって約半年、電気も水道もない生活に慣れてきた時に謎のモンスターが現れた。

 攻撃を仕掛けるも物理攻撃も魔法攻撃もすり抜ける。こちらの攻撃が全く通用しなかった。

 そしてそのモンスターが僕に何か攻撃を仕掛ける、それをモロに喰らう。だが外傷はない。何が起こっているのか戸惑っているとそのモンスターは笑いながら何処かへと去って行った。

 一体何だったのだろう。一瞬そう思ったが今日のご飯をまだ狩れて居ない事を思い出し狩りに行った。

 

 *月〒日

 体が重い、思う様に動かない。そして何よりスキルが使えない。

 原因は分かっている、昨日のモンスターだ。あの攻撃は敵を呪う系の攻撃だ。それをまともに喰らい僕は体調不良とスキル封じのデバフにかかってしまった。

 あーあやっちゃった、としか思えないぐらい体が重い。

 今日はもう寝よう。

 

 *月<日

 ああ、重い。昨日より動けない。スキルも相変わらず使えない。外に行く事もできなくなった、日記を書く事しか出来なくなった。

 やっぱりだ。現実逃避していたけど本当は分かっていた。僕にかけられた呪いが体調不良やスキル封じみたいなチンケな呪いじゃないって事ぐらい。

 呪いが死ぬまで体を蝕む、スキルも奪われたか消されたかのどっちかだろう。

 だからアイツは笑ってた。僕が無様に苦しむ姿を想像して。

 

 …………

 もう…目だ。…の…は…わるだろう。

 日…を…くことさえ…しい。…記を書……圧が…すぎて文字が…れてしまう。

 …にたくない、生…たい、まだ…は…と仲…り出…てない…に。

 そんな…の前に…かが立っ…い…。もう…界がぼや…ていてそ…人が…かは分から…い、だ……そ…が何をしに…たのかは…かる。もう……世からお…れなの……う。

 もう……する力も…っていない…はそ…に身を……ること…した。

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