新しい力

その次の日、目を覚ますと新しくスキルが増えていた。

 

 『極・バフデバフ』と『極・回復』と言うスキルだった。試しに自分に回復スキルを使ってみる。すると体から痛みが無くなっていく。治らないと言われていたところも完璧に治った。このスキルは強い。おそらく昨日の何者かが与えてくれたスキルだ。その何者かに感謝しよう。

 

 そう思い他の病室で寝ているパーティメンバーにも回復のスキルを使っていく。完全回復したメンバーに回復スキルの事を聞かれたがいつの間にか手に入っていたと誤魔化した。

 

 パーティメンバーの怪我も治り私達は再びSSSランクダンジョンへと入った。

 

 楽勝だった。私達にバフを掛ければ最初に入った時の五倍の早さで敵を殺せる様になったし、デバフを掛ければSSランクモンスターでもBランクモンスターぐらいまで弱体化する。そしてそのままリベンジも簡単に達成できた。

 

 そこからは私達はまた勢いづいてまた日本中を周りながらSSSランクダンジョンを攻略していく。それはもう笑えるぐらい順調だった。

 

 そんなある日、SSSランクダンジョンも半分攻略し終わり一息つく為に家で一人でゆっくりしていると来客が来た。警察だった。

 どうやら弟がここから遠い樹海で死んだらしい。ダンジョンで出来た傷以外にどこも傷はなかったが死んでいたらしい。死体はその遠い場所で火葬された。

 

 今回警察が来たのは弟の財布に辞めた高校の学生証が入っていたのでその住所に遺品と弟の骨が入った骨壷を届けに来たのだった。

 

 渡された鞄の中にはボロボロの財布と短くなった鉛筆、それに一冊のノートが入っていた。どうやら日記の様だ。

 

 警察がそれを渡して去って行く。

 

 今の今まで弟の事をどうでも良いと思っていたが日記が気になるのでとりあえず日記を読むことにした。

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