第8話 ふゆきに遊びに誘われる?

 テレビを見ていると、ラインの着信音が鳴った。


「巧さん、ラインをありがとうございます。嬉しくなって、すぐに返信してしまいました」


 ラインをいまかいまかと待ち受けるふゆき。想像するだけで、かわいいと思えてしまった。


「巧さんはどの学校に通っていらっしゃるんですか?」


「軌跡満載高校だよ」


 400年の歴史を持つ学校なので、名称については当たっている。


「来週の月曜日から、同じ学校に通学します」


 ふゆきが同じ学校に転校してくるとは。偶然にしても、出来過ぎていると感じた。


 横になろうとしていると、ラインの着信音が鳴った。


「明日の予定は空いていますか?」


 休日に顔を合わせるような、友達はいなかった。休み=フリーは定着しているに等しい。


「特にないけど・・・・・・」


「明日、付き合ってほしいところがあるんです。ついてきていただけないでしょう

か」


「ふゆきさんと遊びに行くことですか?」


「そういうことになりますね」


「わかりました」


「明日の11時に、○○で待ち合わせをしましょう」


「はい、楽しみにしています」


 出会ったばかりの女の子に、遊びに誘われるとは。ひとみに捨てられたばかりの男は、新しい道を歩もうとしていた。

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