第7話 食材高騰

 二人はスーパーに到着した。


「ふゆきさんは何を購入するんですか?」


「鶏肉、卵、玉ねぎ、ネギ、醤油ですね」


 ふゆきの話を聞いて、親子丼であることは察しがつく。


「夕食は親子丼ですか」


「はい、そうです」


 簡単に調理できて、満足感を得られる料理。親子丼を考えた人は、素直にすごいと思う。


「巧さんは何を買うんですか?」


「牛肉、人参、玉ねぎ、じゃがいもです」


 複数の料理を考えられるなか、ある食べ物が浮かんだようだ。


「肉じゃがですか」


「まだわからないです。カレー、シチューかもしれません」


「それもありそうですね・・・・・・」


「玉ねぎを一緒に買いに行きましょう」


「わかりました」


 巧、ふゆきは玉ねぎコーナーに向かっていく。 


「玉ねぎは高いですね」


 一カ月前は3個で98円の玉ねぎは、3個で258円に値札が張り替えられていた。わずかな期間で、値段は2.5倍に上がっている。


 玉ねぎの横には、人参、じゃがいもが置かれていた。人参は2本で158円、じゃがいもはメークインが158円。こちらも先月より、値段は上がっていた。


 牛肉、人参、玉ねぎ、じゃがいもを合計すると584円。どんなに安い牛肉を選んでも、1000円を突破する。1枚の千円札だけでは、すべてを購入するのは不可能だ。


 ふゆきは迷うことなく、3個258円の玉ねぎをかごに入れた。予算に余裕があることを、率直にうらやましいと思えた。


「醤油、卵を購入するので、ここでお別れしましょう」 


 ふゆきは卵コーナーに向かっていく。水曜日は特売で、普段よりも50円~100円くらい安く購入可能。

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