第62話 他の転生者ばなし 関 明雅の場合



俺は同人作家をしている、同人作家とは同人誌、好きな物の事を漫画や小説等にすることだ、普通は趣味ですることが多いが俺はそれを仕事としてる。


俺の同人誌は主に漫画やアニメのパロディーを成人誌として描いている、それなりの人気作家でイベントでは常に行列ができており、専門書店に委託販売でも売れておりそれで生計をたてている。


今でこそ同人作家一本だが昔はプロ漫画家のアシスタントをしてたこともある、まぁ~今もたまに忙しい時は臨時で手伝ったりもするが。


普通はアシスタントをしながら漫画家を目指すのだが俺は自分の限界を感じたのだ絵は上手だしそれなりの漫画は描けるのだがオリジナルの作品がどうしても面白くならないのだ、原作を真似し多少のアレンジはできるが。


そして原作ありの作画担当としてなら出来ないことも無かったがそれは何かやりたくなかった。


俺の中の漫画家とは話が考えられて絵も描けるものの事だからだ。


俺がアシスタントについていた先生は、超売れっ子の大ベテランだった、元々作品が大好きで押し掛けてアシスタントにさせて貰ったのだ。


それなりに長く続けていた、プロを諦めた後も数年は続けていたし先生にもプロのアシスタントとして就職しないかとも言われたが独立したい気が抑えられず同人作家としてだが独立したのだ。


パロディー本とはいえ自分の作品として出せることは楽しかった、たまに行くプロの手伝いもピリピリ感があって身がしまり自分の作品作りにも良い影響を与えてくれていたし。


自分としては満足していた、陰ではプロを諦めた負け犬とか言われているみたいだがそんなことはもう気にしていない。

同人作家として誇りがあるからだ。


ある日、いつものように先生に頼まれて締め切り前のアシスタントに行った、仕事は徹夜になったが無事に原稿は書き終わり、俺達アシスタントは帰えることになった。


俺は近くの喫茶店で少しゆっくりしてから帰るつもりだった。


それが運命の分かれ道になることも知らずに。

そして突然それはおきた。


死んだのだ自分はもちろん店にいた人間も店の周辺にいた人達もだ、これはあとで聞いた話したけどね。


そして目の前にいた神様に色々聞いたのだ、別の世界で生きていくのはかなり怖い、文明度はかなり低いらしいので漫画で飯が食えるのか、自分の身を守れるのか色々心配事は多いが、様々な力を貰ったからそれでやっていくだけなのだが。


そして向こうに飛ばされたこれが俺、せき 明雅あきまさとしての最後だった。


異世界生活はチユートリアルから始まり町中で似顔絵とかでなんとか生活が出来るくらいにはなった。


こちらにも図鑑みたいなものもあるからその絵の部分の担当とかもすることが出来たのも大きい。


まだこちらには漫画とかの文化は無いのでそういう仕事で食っていくつもりだ、多分だかそのうちこちらの文明度も上がると思っている、実は先生もこちらに来ているみたいだし、かなり沢山の人間がこちらに来ているからだ。


先生にもだが元日本人とこっちで会ってみたいものだそして色々な話を聞いて漫画にしてみたい。


今なら描けそうだから。

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