第41話 女冒険者と食堂で



「あんた、ちょっといいかい?」


声がした方へ顔を向けた。

そこには俺と同じぐらいの年齢の女達が4人ほどいた、声をかけてきたのは正面にいる戦士らしきかっこをした人で、他には軽装の女性やローブを着た女性、あとは神官服?を着た女性がいた。


鑑定はしてない。

たぶん女性だけの冒険者パーティだと思われる。

そこまで考えてると、彼女達を待たせることに気付き慌てて返事をする。


「いいですが、何か」


「あんた、見ない顔だけど新人かい?それともよそ者かい?」


「え~と、新人だしこの町には初めて来ました」


「へぇ~、そうなのかい。それで少し見てたんだが飯食べる前と後にしていた事はなんだい?」


ああぁ、見られていたのか、いただきますとごちそうさまがこちらの人達はしないもんね。


「え~と、あれはですね」


「「「「あれは?」」」」


「私がいた所の食事に対する感謝の挨拶ですね。作ってくれた人や食材になった物への」


「食べる前にしたのがいただきますで、後にしたのがごちそうさまですね」


そう言いながら手を合わせ実践してみる、そして。


「いただきますは食材になってくれた生き物や食物の命をいただくという意味で、ごちそうさまはごちそう、ようは食事をありがとうということですね。」


「なるほど、よく解ったよ。でも今まで誰もしたことなかったなぁ」


「私達もしてみていいですか?」


後ろにいた神官服の女性がそう言ってきた。


「どうぞ、どうぞしてみてください」


「はい、ありがとう」


神官女性はそう言いながらニコッと笑った、すごく可愛い。


そしてよく見ると他の3人もかなり可愛い、朝から美人と話せてラッキーかもしれないなぁ。


「フムフム、1つ勉強になった」


そう言ったのはロープ姿の女性だった、少し幼い外見のこれまた可愛い子だ。


「みんな、まだ自己紹介もしてないよ」


そう言ったのは猫耳が可愛い軽装の女性だ。


「そうだった。私はこのパーティ紅蓮の野バラのリーダをしているアメリアだよろしくな」


これは最初の戦士の言葉。


「次は私ですね、神官を務めてるポアラと申します」


そう言ってきたのは少し胸の豊かな神官女性だ。


「私はミリア、魔法使い・・・・」


そう端的に答えたのはロープの子だ。


「最後に私はシーフ、斥候や雑務をこなしてるイネットって言うんだよろしくね、お兄さん。」


「ならこちらも名乗るかな、ヴォードって言います、この町に来たのは昨日かな、一応冒険者ってことになるかな。」


こうしてお互いの自己紹介が終わった、いきなりだったがこの世界に来て初めての冒険者達との出会いであった、普通テンプレだと最初はごつい冒険者に絡まれることになるのだけどそうでなく素敵な四人の女性と知り合いになれてさい先いいかも。

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