第39話 他の転生者ばなし 坂東 太郎の場合
わしは一代で大会社と呼ばれる程の総合商社を造り上げた、ワンマンとも言われたことも数知れずある。
若い頃から現場一筋でばりばり働いてきた、老年と呼ばれるようになった今は前ほど現場には出てないがそれでもやはり現場が好きだった。
数字だけを眺めるのは性に合わず現場に出れば若いものに煙たがられそろそろ引退を考えていた、そんな時だわしがタニマチをしている横綱 灘龍王に大事な話があるからと呼び出されたのは。
わしは自分が出来ないことをできる人間を非常に好む、その中でも圧倒的に尊敬しているのが年下だが人類史上最高の力士である横綱の灘龍王である。
彼が若い頃から支援者として付き合っており、わし的には友だとも思っている、人格的にも優れており、頭もよく経営に行き詰まったときなどにはちょっとした解決策とかも出してくれていた、そんな彼からの呼び出しだから予定を全てキャンセルして彼に会いに行った。
これが運命の分かれ道になるとも知らずに、彼の話は引退するとの事だった、凄く驚きもしたが話を聞いてると納得がいった、前から皆が弱すぎて相手になら無いとかの愚痴を聞いていたから、そしてこれからは相撲以外の武道家とやりあいたいという彼の気持ちはわしも痛いほど解る。
ならばわしもすることが決まった、経営は息子に譲り新たに格闘の団体を興そうと、その話も灘関にしたら頼むと言われた、明日から、いや今日から忙しくなるぞ。
そう思ったが、結局そうはならなかったわしも灘関も死んでしまったから、店を出たときに灘関が急に上を見てわしもつられて見たそれが地球むこうでの最後だった。
そのあとは神とやらに事の顛末を聞き色々有利になる能力や品を貰い、転生とやらをした。
そして今はこちらの世界で商売を始めたところだ、来た頃は魔物の素材やら自分で取ってきた物を露店で売ったり、各地に行商したりして資金を稼いだり情報を稼いだりしていた。
ある程度時間が過ぎた頃、念願の店を開いた屋号は生前の名前坂東ばんどう 太郎からとり坂東商店と付けた、もちろんこちらでは文字が違うから実際には漢字ではないけどな。
こんな感じでやっていけてる、このまま商店を大きくしたら灘関にも知れ渡るかもしれないしな、それに現場は楽しい、これは神に感謝しなくてはな、ふははははは!
これは面白い、さすがはわしが見込んだだけの商人だ、こっちでも色々盛り上げてくれそうだ、主神様には悪いが私にとっては今度の事は良き事でしかないからな。
これでアールラウードの行く末も・・・・・
(商売の神)
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