第9話 初めての町にて


それから少し歩いて町の門に着いた。

槍を持った兵士らしき男が2人立っていた、周りには少し人が居た、兵士に何か見せていた何だろう?


俺も門の前まで歩いていく、すると兵士の1人が俺に声をかけてくる。


兵士 「身分証見せてね。」


えっ!身分証?

当然と言えば当然か。

いきなりどこの馬の骨か分からん奴を町に入れるのは危険だもんね。


そしてそれがこの人達の仕事だろうし。

理解した、理解したがどうしよう。

もちろん持ってないよ。


私が考えてるのをいぶかしんで見ていた兵士が


兵士「うん、どうした?持っていないのか?」


「はい、持っていません。どうしたらいいですか、町に入りたいのですが。」


兵士「うん。なら100G払ってもらえるかな。」


うん、これもないよね。

神様、詰んだよ。



ヴォード オウガ物語 完







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


なわけは無いがどうしよう。

困った、困った


「お金もないです。」


兵士「そんなことがあるのか?」


もう一人の兵士も寄ってきて


兵士B 「身分証がないのは珍しいが辺境の村とかなら無いこともあるが、100Gも無いとはどうした?」


兵士 「そうですよね、賊にでも襲われたか?村から無一文で追い出されたのか?どうしたんだい君?」


「襲われてもいないし、追い出されてもいないです。ただ持ってないだけです。」


兵士B「そうか、なら何か金になりそうなものはあるか?本当なら駄目なんだが、おまえはまだ子供だし悪さもしなさそうだから、特別だ。」


「えーと、これでいいですか?」


俺はそう言いアイテムBOXから一角兎を数匹取り出した。


兵士B「うん!アイテムBOX持ちか?珍しいな。」


兵士 「いいなぁー。アイテムBOX持ちならどこでも食っていける」


兵士「あっそうだ頭は無いの?あれば一匹でいいよ。」


「あります、どうぞ。」


1体分の胴体と頭を渡す。


兵士B「うん、確かに受け取った、通っていいぞ。」


「あの、これどうぞ。」


2人に一匹づつ兎の胴体と頭を渡そうとした。


兵士「いいのかい?」


「もちろんです、融通きかせて貰いましたから、助かりました。」


頭を下げる。


兵士B「そうか、ありがとうな。俺はモンドールだ、何か分からないことがあれば聞いてこい。」


「ありがとうございます。」


兵士「うん、俺はリーモンだ、よろしく。」


ここで、俺は名乗って無いのに気づいて慌てて名乗る。


「あっ、ヴォードです、こちらこそよろしくお願いします。」


そして、俺は町の中へと入っていった。

町の中へ入ってみて、後ろを振り返ったり壁を眺めたら4メートルはあるかな。


まぁー今の俺なら頑張れば飛び越えれそうではあるが。

しないよ、ほんとだよ。


門から真っ直ぐ続く大きな道を歩いてみることにした。

道の端に出てる露店からいい匂いがしてくる。


飯テロか!

そう言えば、ここに来てからなにも口にしてなかった。


食べていきたいがお金が無いことにはな。とりあえず手に入れたものをお金に代えてからだ。


俺の知識によると、冒険者ギルドや肉屋や解体屋、薬屋等で売れるみたいだ。

とりあえず冒険者ギルドに行くこくとにする。


そしてふと思った。

どこだよ?

そうだよ来たこともない町で分かるわけもないじゃん。


門まで戻っていき、モンドールさん達にギルドの場所を尋ねた。

すると大通りを少し行ったところらしい。


モンドールさん達に礼を言って歩き出した。

冒険者ギルドはレンガで出来た立派な建物だった。

中に入ってみると、何となくだが酒臭い。


飲み屋もしてるみたいだ。

奥の方にテーブルなどが置いてある。

今はそっちには用がないからこっちに視線を戻す。


武器や鎧を身につけた男女が数人が壁に張られた紙を見ていたり、受付らしい所で話などをしていた。

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