第10話 他の転生者ばなし 霧瀬 アリアと霧瀬 鈴の場合


2人の姉妹はその日、2人で買い物に出かけていた。

姉は霧瀬きりせアリアといい女優をしていた、徐々にだか人気が出始め最近では主演を務められるまでに。


妹のリンはアリアより2つ年下であるが姉よりしっかりものだと言われることが多い。

数年前からアイドルとして人気をはくしていた。


その日は姉の初主演のお祝いに食事をしに行き、その帰り道であった。

そこで2人の人生は終わった。

例の神のミスである。


姉のアリアが転移した場所は町の中で有った。

色々な物や能力を貰っており、不安は無かった、一緒に居たはずの鈴がここに居ないことは神に聞いて知っていたからだ。


一緒の場所がいいと何度も担当の神に願ったがすでに転生した後だからの一点張りで願いは叶わなかった。


それでも泣いて頼んだら、妹を探すのに便利なスキルや生活していく上で困らないスキル、アイテムなどを貰えた。


「鈴、待っていてね、おねーちゃんがすぐにでも探し出すからね。」


こうして霧瀬 アリアの第2の人生は順調に滑り出したのだった。



転生後の名前はアリア キリセ

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一方その頃、妹の鈴はどうなっていたかと言うと。

姉と同じような事を神に願っていて、結果もほぼ同じであったが、場所が悪かった。


とある街のスラム街に転移してしまったのである。

綺麗で高そうな衣服とすごく可愛らしい見た目である、無事ですむはずが無かった。


いきなり数人のいかつい男達に囲まれ、捕まってしまったのだ、抵抗すれば勝てたかもしれないが、まだこの世界に来たばかりの鈴には無理だったのだ。


人を害することが、だが少しだけついていたのがあまりにも可愛いので、男達は自分達では手もつけず奴隷商に売ることにしたからだ。


まあ、不幸が先送りにされただけかもしれないが。

スラム街にある奴隷商に売り飛ばされた。


そこから足がつかないように何ヵ所か経由されて、最後に行き着いた場所は綺麗な部屋と食事、世話をする奴隷までついた、高級奴隷商であった。


高級であろうと奴隷は奴隷だが店主や周りの扱いは非常によかった。

後で聞いた話だが元貴族の令嬢だと思われていたらしい。


そして金持ちの妾にでも売り込もうと思っていたらしい。

そんな状況でも鈴は諦めていなかった。

自分がそうであったように姉もきっと自分を探してくれるはずだと。


そうでも思っていなければ不安に耐えられなかったのだ。



転生後の名前はリン キリセ


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果たして2人が無事に再会することはできるのだろうか?

それは神にも分からないことであった。


(ていうか原因、神じゃん)

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